5時。まずは川虫取り。ヘチ寄りの石を撫でてみるがどうしたことか全然採れない。2匹とか3匹とかの話じゃなく、1匹も採れないんだから困ったもの。ふと顔を見上げると、対岸に大石が組み合わさった荒瀬が点在してる。どうせそんなに採れないよなあと思いつつ渋々渡ってみると、意外なほど捕れて、まあ、これ以上餌箱に入れておいても弱るだけかなあぐらいの分量を確保。イワナが遡上してくるのも2カ月ぐらい遅れてるし、大体こんな時期にヒラタがまとまって捕れるのは珍しい話。
エサもいつもより多く確保したことだし、引き抜きでのバラシを減らすため、真新しい仕掛けに藤本重兵衛新アマゴの7号を結ぶ。この針は長良川水系の職漁師の間で使われてきた形状を再現した大変貴重な針でカツイチV長良LTRよりも強靭で強引な勝負に向いている。これで遊ばさずに引き抜いて、良型のイワナを確実に拾っていくという魂胆。
ところが小さなアタリがあるが乗らない。チョンと当たって放してしまう。この食い方はイワナではない。渇水で沢から降りてきたヤマメの稚魚。チビヤマメといえども、通常なら大きな針でもがっぷり食ってくるはずなので、これは渇水時のパターンと判断。本当ならエサが大きい時は長良型の針で良いはずだけど、袖型の小針で行くことにする。遠山川で釣ったときも小針の方が食いはよかった。ところが伝統的な郡上釣りでは結構大きな針を使う。なんでだろう。
プロヤマメの5号も持ってきたけど、ヤメて、マル秘針の2号にチェンジし、引き抜きは控えて極力寄せることにする。
なかなか本命のイワナが姿を表さないまま時だけが過ぎていく。岩盤の際の小場所で突然食ってくる。本当にもう、鮎師が狙うようなまったくの竿抜けの場所。このときガン玉は7号2個。

その上の長瀬。手前と対岸のサモトで反応がなく、2、3歩下って中程のゆたみを流していると突然ヒット。自力でダッシュしてチャラ瀬に乗り上げたのでそのまま引き抜く。これがなんとヤマメ20cm。

その上の落ち込みはお留守。
その上の岩盤のポイントは誘って誘って狙い通り食わせて、刀翠のパワーで楽にキャッチ。この時は硬調で良かったなと思った。確かにこの時は…。
ふと気づいて見ると、足下の岸辺に泥が溜まった跡が。ということは雨が降ったってことか。10cmぐらいは増水したはず。
そこから先、ピタリとアタリがなくなる。と、思ったら不意に急流の中でガツンと来てバイバイ。普通なら着水して1、2位の時にいちばん集中するのだけど、1位で来たので糸がピンと張りすぎていた。
そこから先、期待して遡行したのだけど、リリースサイズがポツポツ来ただけで貴重な時間を消費。雨降ってもやっぱりこんなものなのかねえ。もっとも03の道糸だとこういうポイントはうまく流せないのだよね。
10時。陽射しがどんどん強烈になってくる。ここでリリースサイズを放流して一服。とりあえずヤマメが1尾釣れたので、もういいやと下流方面を偵察することに。
そして深い淵を2~3箇所竿を出してみるが、全く音沙汰なし。先ほどの感触では、今日は渕頭のパターンのようなので、ドラグをかけたりいろいろ工夫して攻めてみるが無反応。
仕方ないので荒瀬地帯へ。必至になってヒラタをかき集め、絨毯爆撃。
立ち位置がうまくとれず振り込みにくいポイントで着水1、2でヒット。流れをグイグイ遡り流芯に貼り付かれ綱引き状態。もう穴から出てこないかと思ったら20秒ぐらいして出てきて手応えが軽くなったところで引き抜き。空中で糸が切れて魚は後ろの河原へ。イワナ21cm。
その上の大場所は何の気配もなく長~い沈黙。なんか変だなあとエサを大きめのヒラタから小さめの2匹付けに変えた途端、流しじまいで向こう合わせでヒット。そのまま下流へ直線的にダッシュ。ヤマメだ。朱紋峰凌とか、初代のがま渓流弧空だったらスーッと支点移動するところなのだけど、刀翠はやや先調子なので手元に衝撃がモロに来る。握っている手を加減しつつ防戦。いつもの竿と違うので感触がいまいちわからない。先調子の竿だと12時前後の位置に立てて衝撃を吸収させるので、胴調子の竿と比べると手に掛かる竿自体の重みが変わってくる。10時~2時ぐらいの幅で広範囲にやり取りする胴調子の竿の方が、力加減の塩梅がわかりやすい気がする。特に11時ぐらいの位置がいちばん、魚の急な突っ込みには対処しやすいと思う(輪軸の原理で)。
それから魚は、走って付いていくと対岸の浅瀬で行ったり来たり。イワナと比べると弱るのが早い。走りは止まったようだけど、川幅があるので抜こうにも抜けない。とりあえず抜きやすいところへ誘導しようと引っ張ると、ハリスを歯で切られてブレイク。とっくにこの川のヤマメは絶滅したと思っていたのだけど。こういうサプライズがあるから釣りって面白い!
その上のポイントは無反応。どちらかといえば夕マヅメのポイント。
そこからしばらくポイントらしいポイントのない区間を歩き、徒渉すると、絶好の条件が揃った淵に到着。ところが全然反応がないので、これはどうも変だと、6号+8号を2連にしているガン玉に、さらに5号のガン玉を追加。ドラグは掛かっているが、まずまずの流れ方をして中層を通過中、ガツンとひったくるようにヒット。やわらかく溜めると首を振りながら対岸へ。流れがそれほどでもないのでベタ竿にすると魚はゆっくりと上流へ。そこで竿を立てるとしばし首を振った後、一気に下流にダッシュ。身の危険を感じさせてしまったようだ。竿を立てながら付いていくとチャラ瀬に乗り上げたので、そこをすかさず岸へ放り上げる。ヤマメ24cm。尾びれをよく見ると何と2年物ではなく3年物。道理で引くわけだわ。

こういうときは周囲に必ずもう1尾いるはずなので、足音を立てないように遡行すると、やっぱりその上の平瀬に居た。水深は50cmぐらいしかない場所。最初は大きいヒラタを付けていたが、フッと目印がフケるとともにガブッと甘噛みして足が取れていた。こういうのはよく注意してないと気付かないね。
エサを即交換。小さいヒラタの2匹付けにして再度本命の筋を流してみると、さっきより対岸寄り下流でツンと当たったが残念。乗らず。今度は明らかにプルンと手応えがあったのでさすがに警戒したようで、その後はシーンと静まり返ってしまう。普通の魚なら、糸ふけを充分に作って流していれば、プルン、じゃなくてガシッと乗るところなのだけど。
尋常じゃない警戒心の強さ。ルアーでリール巻いてという狙い方も楽でいいけど、この警戒心の強いやつをあえて立ち込んで至近距離から狙うのがたまらないんだよね。
こういうふうに流れの中を左右に動いてエサを獲っているのって、雨が降って遡上スイッチが入ったというのもそうなんだけど、やっぱりヒラタにそれだけ栄養があるってことなんだよね。そりゃそうサ体力を使ってエサを捕ってるんだから、栄養満点じゃなきゃ割りが合わないサ。
さすがに2回も走らされた後の真剣勝負に、疲れがどっと出てきて筋に乗せるのが辛くなり、後のポイントは適当に流しただけ。遠山川もそうだけど、こっちも真剣だし、魚の方も鍛えられ上げた体で猛烈にファイトするから、何匹か釣るとすっかり満足してしまうのだよね。
掛かって即抜き、魚が暴れる前に抜いてしまえ!というのをやってみようとしたのだけど、0.25号のハリスがあっさり切れて失敗。竿のパワーがあるだけに、タイミングがものすごく難しい。抜く瞬間に、ボヨンボヨン感じるぐらいの竿の方が本当はいいのかもね。
では、あれ、行きますか。な~んかヤラセ番組みたいで好きじゃないんですけど…
2011年も、乾杯!

[時間]5時~14時半
[釣果]イワナ:21、20、19、18cm、ヤマメ:24、20、20、17cm。
[道具]竿:シマノ刀翠ZE硬調5.1m、道糸:ライカ川釣り0.3号、ハリス同0.25号25cm、天井糸:東レトヨフロンスーパーL EX 0.6号、ガン玉:7号1個~6号+8号、針:ナイショ。
[胃の内容物の陸生昆虫比率]イワナ:50%位、ヤマメ:10%位。
エサもいつもより多く確保したことだし、引き抜きでのバラシを減らすため、真新しい仕掛けに藤本重兵衛新アマゴの7号を結ぶ。この針は長良川水系の職漁師の間で使われてきた形状を再現した大変貴重な針でカツイチV長良LTRよりも強靭で強引な勝負に向いている。これで遊ばさずに引き抜いて、良型のイワナを確実に拾っていくという魂胆。
ところが小さなアタリがあるが乗らない。チョンと当たって放してしまう。この食い方はイワナではない。渇水で沢から降りてきたヤマメの稚魚。チビヤマメといえども、通常なら大きな針でもがっぷり食ってくるはずなので、これは渇水時のパターンと判断。本当ならエサが大きい時は長良型の針で良いはずだけど、袖型の小針で行くことにする。遠山川で釣ったときも小針の方が食いはよかった。ところが伝統的な郡上釣りでは結構大きな針を使う。なんでだろう。
プロヤマメの5号も持ってきたけど、ヤメて、マル秘針の2号にチェンジし、引き抜きは控えて極力寄せることにする。
なかなか本命のイワナが姿を表さないまま時だけが過ぎていく。岩盤の際の小場所で突然食ってくる。本当にもう、鮎師が狙うようなまったくの竿抜けの場所。このときガン玉は7号2個。

その上の長瀬。手前と対岸のサモトで反応がなく、2、3歩下って中程のゆたみを流していると突然ヒット。自力でダッシュしてチャラ瀬に乗り上げたのでそのまま引き抜く。これがなんとヤマメ20cm。

その上の落ち込みはお留守。
その上の岩盤のポイントは誘って誘って狙い通り食わせて、刀翠のパワーで楽にキャッチ。この時は硬調で良かったなと思った。確かにこの時は…。
ふと気づいて見ると、足下の岸辺に泥が溜まった跡が。ということは雨が降ったってことか。10cmぐらいは増水したはず。
そこから先、ピタリとアタリがなくなる。と、思ったら不意に急流の中でガツンと来てバイバイ。普通なら着水して1、2位の時にいちばん集中するのだけど、1位で来たので糸がピンと張りすぎていた。
そこから先、期待して遡行したのだけど、リリースサイズがポツポツ来ただけで貴重な時間を消費。雨降ってもやっぱりこんなものなのかねえ。もっとも03の道糸だとこういうポイントはうまく流せないのだよね。
10時。陽射しがどんどん強烈になってくる。ここでリリースサイズを放流して一服。とりあえずヤマメが1尾釣れたので、もういいやと下流方面を偵察することに。
そして深い淵を2~3箇所竿を出してみるが、全く音沙汰なし。先ほどの感触では、今日は渕頭のパターンのようなので、ドラグをかけたりいろいろ工夫して攻めてみるが無反応。
仕方ないので荒瀬地帯へ。必至になってヒラタをかき集め、絨毯爆撃。
立ち位置がうまくとれず振り込みにくいポイントで着水1、2でヒット。流れをグイグイ遡り流芯に貼り付かれ綱引き状態。もう穴から出てこないかと思ったら20秒ぐらいして出てきて手応えが軽くなったところで引き抜き。空中で糸が切れて魚は後ろの河原へ。イワナ21cm。
その上の大場所は何の気配もなく長~い沈黙。なんか変だなあとエサを大きめのヒラタから小さめの2匹付けに変えた途端、流しじまいで向こう合わせでヒット。そのまま下流へ直線的にダッシュ。ヤマメだ。朱紋峰凌とか、初代のがま渓流弧空だったらスーッと支点移動するところなのだけど、刀翠はやや先調子なので手元に衝撃がモロに来る。握っている手を加減しつつ防戦。いつもの竿と違うので感触がいまいちわからない。先調子の竿だと12時前後の位置に立てて衝撃を吸収させるので、胴調子の竿と比べると手に掛かる竿自体の重みが変わってくる。10時~2時ぐらいの幅で広範囲にやり取りする胴調子の竿の方が、力加減の塩梅がわかりやすい気がする。特に11時ぐらいの位置がいちばん、魚の急な突っ込みには対処しやすいと思う(輪軸の原理で)。
それから魚は、走って付いていくと対岸の浅瀬で行ったり来たり。イワナと比べると弱るのが早い。走りは止まったようだけど、川幅があるので抜こうにも抜けない。とりあえず抜きやすいところへ誘導しようと引っ張ると、ハリスを歯で切られてブレイク。とっくにこの川のヤマメは絶滅したと思っていたのだけど。こういうサプライズがあるから釣りって面白い!
その上のポイントは無反応。どちらかといえば夕マヅメのポイント。
そこからしばらくポイントらしいポイントのない区間を歩き、徒渉すると、絶好の条件が揃った淵に到着。ところが全然反応がないので、これはどうも変だと、6号+8号を2連にしているガン玉に、さらに5号のガン玉を追加。ドラグは掛かっているが、まずまずの流れ方をして中層を通過中、ガツンとひったくるようにヒット。やわらかく溜めると首を振りながら対岸へ。流れがそれほどでもないのでベタ竿にすると魚はゆっくりと上流へ。そこで竿を立てるとしばし首を振った後、一気に下流にダッシュ。身の危険を感じさせてしまったようだ。竿を立てながら付いていくとチャラ瀬に乗り上げたので、そこをすかさず岸へ放り上げる。ヤマメ24cm。尾びれをよく見ると何と2年物ではなく3年物。道理で引くわけだわ。

こういうときは周囲に必ずもう1尾いるはずなので、足音を立てないように遡行すると、やっぱりその上の平瀬に居た。水深は50cmぐらいしかない場所。最初は大きいヒラタを付けていたが、フッと目印がフケるとともにガブッと甘噛みして足が取れていた。こういうのはよく注意してないと気付かないね。
エサを即交換。小さいヒラタの2匹付けにして再度本命の筋を流してみると、さっきより対岸寄り下流でツンと当たったが残念。乗らず。今度は明らかにプルンと手応えがあったのでさすがに警戒したようで、その後はシーンと静まり返ってしまう。普通の魚なら、糸ふけを充分に作って流していれば、プルン、じゃなくてガシッと乗るところなのだけど。
尋常じゃない警戒心の強さ。ルアーでリール巻いてという狙い方も楽でいいけど、この警戒心の強いやつをあえて立ち込んで至近距離から狙うのがたまらないんだよね。
こういうふうに流れの中を左右に動いてエサを獲っているのって、雨が降って遡上スイッチが入ったというのもそうなんだけど、やっぱりヒラタにそれだけ栄養があるってことなんだよね。そりゃそうサ体力を使ってエサを捕ってるんだから、栄養満点じゃなきゃ割りが合わないサ。
さすがに2回も走らされた後の真剣勝負に、疲れがどっと出てきて筋に乗せるのが辛くなり、後のポイントは適当に流しただけ。遠山川もそうだけど、こっちも真剣だし、魚の方も鍛えられ上げた体で猛烈にファイトするから、何匹か釣るとすっかり満足してしまうのだよね。
掛かって即抜き、魚が暴れる前に抜いてしまえ!というのをやってみようとしたのだけど、0.25号のハリスがあっさり切れて失敗。竿のパワーがあるだけに、タイミングがものすごく難しい。抜く瞬間に、ボヨンボヨン感じるぐらいの竿の方が本当はいいのかもね。
では、あれ、行きますか。な~んかヤラセ番組みたいで好きじゃないんですけど…
2011年も、乾杯!

[時間]5時~14時半
[釣果]イワナ:21、20、19、18cm、ヤマメ:24、20、20、17cm。
[道具]竿:シマノ刀翠ZE硬調5.1m、道糸:ライカ川釣り0.3号、ハリス同0.25号25cm、天井糸:東レトヨフロンスーパーL EX 0.6号、ガン玉:7号1個~6号+8号、針:ナイショ。
[胃の内容物の陸生昆虫比率]イワナ:50%位、ヤマメ:10%位。