いや~日曜日は寒くて寒くて、わざわざ風邪を引きに行ったようなものでした!
けれども銘刀「刀翠」の筆下ろしの儀を無事にすることができましたんで、やれやれです。
さて今回のインプレッションは、シマノ刀翠ZE硬調51-56。ズームインの状態で使いました(予備パーツ確保済)。
道糸には、昨年茶染めしたライカ川釣りの0.3号を使いました。
まずびっくりした点。各節のつながりが滑らか。どこに補強が入ってんのかって感じです。
1970~1990年代に作られた小継竿って、よ~く見ると各節がカクッカクッてなっていて、まあこれが普通だったわけです(ガマやサクラはこの点よくできてましたね)。
ところがこの刀翠は長継みたいな曲がりします。
込みもスッと気持ち良く止まってくれて、振ってみると長継、いや並継の竿を振ってるみたいな感じです。それでいて軽いし。
これまでシマノの小継竿は継いでみようとも思わなかったので、正直やられたって感じです。
もともとヘラや鮎では名器といわれる竿をたくさん世に送り出してるメーカーなんで、本気でやればできるんですね。
小継渓流竿というと鮒やハゼを釣ったり、防波堤で使ったりと、どうしても少々荒っぽい使い方をされる運命にあります。その小継竿にここまで本気で技術力を投入してくるとは、やはりSHIMANOおそるべしです。
防波堤で使うのも破損しやすいわけですけど、小継竿にとって一番の負担は、実は振ってる時なんですね~。軽い仕掛けほど振り込んだ時にパキーンと行きやすいんです。
ですがこの刀翠は“振り込み性能”をセールスポイントにしてますんで、この点は大丈夫でしょう!(たぶん)
実釣では、それほど力を入れなくてもガン玉8号で飛びましたから、予想していた以上にいい感じです。
次に調子について。
硬調と言っても胴に乗るんでガチガチじゃないですね。硬中硬ぐらいの感じです。
渓流用品カタログのチャートで見ると、刀渓よりも胴調子寄りにランクされていて、竿先がブレないか不安になるかもしれませんが、全然そんなことはなくて、元竿~中間がビシッとしてます。しかも穂持がしっかりしてますから操作性は抜群に良いです。
急テーパーのハーフソリッド穂先と相俟って、振り込んだあとの反動の先抜け性が格段に優れてます。
透明度の高い川の場合、仕掛けが着水してから魚が反応するまでの時間が恐ろしく短いんで、仕掛けをきれいにターンさせられるかどうかがヒット率を左右してしまうわけで、この反動の先抜け性能はかなりいいですね。
胴に乗ると言ってもなんせSHIMANOですからブラブラした感じは全くありません。かなりシャッキリしています。限界の細糸で寄せて獲る竿ではないと思います。
実は、こんなにいい調子なら、中硬はもっと凄いんではないかと思い、期待して店頭で継いでみていたのですが、こちらはどちらかというと普通の渓流竿に近いセッティングになっておりまして、様々な釣り方のできるオールマイティな感じでした。刀翠的な釣り方と通常の渓流釣りの両方楽しみたいという人には最適かもしれません。
極限まで軽いオモリを使ってみたい、釣りの幅を広げたいという人には、硬調の方がオススメです。
〔反動抜きのしやすさ評価〕
標準ソリッド継穂先(5.1m時)…………★★★★★
付属チューブラ穂先(5.1m時)…………★★★★★
はい。オール「5」の優等生君でございます。しかも安心の日本製…。
そしていよいよ凌と刀翠の違いです。
まず刀翠の方が断然パワーがあります。そしてややファーストテーパー気味になっていて、穂先がピタリと止まります。
それに、刀翠は渓流竿ですが、凌はヘラ竿です。使いやすさでは断然刀翠に軍配が上がります。
ですが、“押し振り”する場合はどうしたことか凌の方がいいんです。本流釣りでは下流に伸び切った仕掛けをピックアップして、上流へ振り込むわけですが、変化に富んだ小溪では直角に方向転換して正面に振り込むケースが意外と多いです。フワーッと空中に漂わせた仕掛けを前方に押し込むような感じです。また、手前に大きな岩や何かがあるときなんかも直線的にビュンと振らないで、フワーッと持ち上げてスッと運ぶようにします。これが、凌だとあっけないぐらいにすんなりとできてしまうんです…。
刀翠は小継の機動力を生かしてどこでも降りていけますし、ある程度のオモリにも対応できますからちょっと増水したときなんかにも良さそうですね。
そして、先日気がついた仕掛けの馴染みについて。
これは、極限まで軽量化されたハーフソリッドの竿先の軽さと全体的な反発力から来るわけですから、穂先に絹糸を巻いたり、コミに蝋を多めに塗るなどして拾いやすい振動数をシフトさせれば対処できそうな感じです。この件については、ただ今策を練っています。予備のチューブラー穂先もまだ使っていないので、また機会を見て試したいです。
この手の比較的高弾性寄りの竿では、仕掛け全長を思い切って長め(手尻60cmあるいはそれ以上)にした方が流れに同調させやすいようで、そのためにも手元の50cmズームを積極的に活用した方がバラシも減ってくれるようです。要は線の釣りに徹する、ということですね。
手尻を長くした場合の懸念材料は「振り折れ」ですね。ですが最近のシマノの竿であればまずまず大丈夫なのではないでしょうか。シマノのテスターはみんなサイドキャストやってますので。
手尻が1m近くあれば穂先がチューブラーでも仕掛けはわりと馴染んでくれますので、こういうざっくりとした釣りスタイルではソリッド穂先にこだわる必要はないのかなと。
それでも源流彩に比べれば胴はよくしなってくれますので、ちょっと開けた場所では活用するシーンも多いのではないかと思います。
関連記事:渓流竿の性能比較(〜2019)
けれども銘刀「刀翠」の筆下ろしの儀を無事にすることができましたんで、やれやれです。
さて今回のインプレッションは、シマノ刀翠ZE硬調51-56。ズームインの状態で使いました(予備パーツ確保済)。
道糸には、昨年茶染めしたライカ川釣りの0.3号を使いました。
まずびっくりした点。各節のつながりが滑らか。どこに補強が入ってんのかって感じです。
1970~1990年代に作られた小継竿って、よ~く見ると各節がカクッカクッてなっていて、まあこれが普通だったわけです(ガマやサクラはこの点よくできてましたね)。
ところがこの刀翠は長継みたいな曲がりします。
込みもスッと気持ち良く止まってくれて、振ってみると長継、いや並継の竿を振ってるみたいな感じです。それでいて軽いし。
これまでシマノの小継竿は継いでみようとも思わなかったので、正直やられたって感じです。
もともとヘラや鮎では名器といわれる竿をたくさん世に送り出してるメーカーなんで、本気でやればできるんですね。
小継渓流竿というと鮒やハゼを釣ったり、防波堤で使ったりと、どうしても少々荒っぽい使い方をされる運命にあります。その小継竿にここまで本気で技術力を投入してくるとは、やはりSHIMANOおそるべしです。
防波堤で使うのも破損しやすいわけですけど、小継竿にとって一番の負担は、実は振ってる時なんですね~。軽い仕掛けほど振り込んだ時にパキーンと行きやすいんです。
ですがこの刀翠は“振り込み性能”をセールスポイントにしてますんで、この点は大丈夫でしょう!(たぶん)
実釣では、それほど力を入れなくてもガン玉8号で飛びましたから、予想していた以上にいい感じです。
次に調子について。
硬調と言っても胴に乗るんでガチガチじゃないですね。硬中硬ぐらいの感じです。
渓流用品カタログのチャートで見ると、刀渓よりも胴調子寄りにランクされていて、竿先がブレないか不安になるかもしれませんが、全然そんなことはなくて、元竿~中間がビシッとしてます。しかも穂持がしっかりしてますから操作性は抜群に良いです。
急テーパーのハーフソリッド穂先と相俟って、振り込んだあとの反動の先抜け性が格段に優れてます。
透明度の高い川の場合、仕掛けが着水してから魚が反応するまでの時間が恐ろしく短いんで、仕掛けをきれいにターンさせられるかどうかがヒット率を左右してしまうわけで、この反動の先抜け性能はかなりいいですね。
胴に乗ると言ってもなんせSHIMANOですからブラブラした感じは全くありません。かなりシャッキリしています。限界の細糸で寄せて獲る竿ではないと思います。
実は、こんなにいい調子なら、中硬はもっと凄いんではないかと思い、期待して店頭で継いでみていたのですが、こちらはどちらかというと普通の渓流竿に近いセッティングになっておりまして、様々な釣り方のできるオールマイティな感じでした。刀翠的な釣り方と通常の渓流釣りの両方楽しみたいという人には最適かもしれません。
極限まで軽いオモリを使ってみたい、釣りの幅を広げたいという人には、硬調の方がオススメです。
〔反動抜きのしやすさ評価〕
標準ソリッド継穂先(5.1m時)…………★★★★★
付属チューブラ穂先(5.1m時)…………★★★★★
はい。オール「5」の優等生君でございます。しかも安心の日本製…。
そしていよいよ凌と刀翠の違いです。
まず刀翠の方が断然パワーがあります。そしてややファーストテーパー気味になっていて、穂先がピタリと止まります。
それに、刀翠は渓流竿ですが、凌はヘラ竿です。使いやすさでは断然刀翠に軍配が上がります。
ですが、“押し振り”する場合はどうしたことか凌の方がいいんです。本流釣りでは下流に伸び切った仕掛けをピックアップして、上流へ振り込むわけですが、変化に富んだ小溪では直角に方向転換して正面に振り込むケースが意外と多いです。フワーッと空中に漂わせた仕掛けを前方に押し込むような感じです。また、手前に大きな岩や何かがあるときなんかも直線的にビュンと振らないで、フワーッと持ち上げてスッと運ぶようにします。これが、凌だとあっけないぐらいにすんなりとできてしまうんです…。
刀翠は小継の機動力を生かしてどこでも降りていけますし、ある程度のオモリにも対応できますからちょっと増水したときなんかにも良さそうですね。
そして、先日気がついた仕掛けの馴染みについて。
これは、極限まで軽量化されたハーフソリッドの竿先の軽さと全体的な反発力から来るわけですから、穂先に絹糸を巻いたり、コミに蝋を多めに塗るなどして拾いやすい振動数をシフトさせれば対処できそうな感じです。
この手の比較的高弾性寄りの竿では、仕掛け全長を思い切って長め(手尻60cmあるいはそれ以上)にした方が流れに同調させやすいようで、そのためにも手元の50cmズームを積極的に活用した方がバラシも減ってくれるようです。要は線の釣りに徹する、ということですね。
手尻を長くした場合の懸念材料は「振り折れ」ですね。ですが最近のシマノの竿であればまずまず大丈夫なのではないでしょうか。シマノのテスターはみんなサイドキャストやってますので。
手尻が1m近くあれば穂先がチューブラーでも仕掛けはわりと馴染んでくれますので、こういうざっくりとした釣りスタイルではソリッド穂先にこだわる必要はないのかなと。
それでも源流彩に比べれば胴はよくしなってくれますので、ちょっと開けた場所では活用するシーンも多いのではないかと思います。
関連記事:渓流竿の性能比較(〜2019)