新・台所太平記 ~桂木 嶺の すこやかな日々~

N響定期会員・桂木嶺の、家族の介護・闘病・就職・独立をめぐる奮戦記を描きます。パーヴォ・ヤルヴィさんへの愛も語ります。

【公演レポート】大野和士マエストロ、華麗に舞う!都響の第872回定期演奏会Aシリーズに行ってきました!

2019-01-17 03:30:12 | コンサートレポート!

(スミマセン、こちらも加筆訂正をしましたので、ご高覧ください)

きのうは既報通り、東京文化会館の、東京都交響楽団(以下「都響」と書きます)の、第872回定期演奏会Aシリーズに行ってくることができました!大変すばらしい公演になりましたので、さっそくレポートさせていただきます!

19時開演ということで、17時45分から当日券の発売が始まりました。

都響さんのすばらしいところは、チケット担当のスタッフの方が、当日券に並んでいる方のために、いろいろ細かいケアをしてくれることですね。

実は、私自身、障害者手帳をもっていますが、並んでいる私たちに「シルバー割引や学生割引、ハンディキャップ割引がありますよ(^_-)-☆」とお声掛けくださって、割引のサービスを親切に教えてくださったので、大変助かりました。並んでいる間のことだったので、スムースに当日券売りも対応していただき、大変助かりました。

ちなみに、シルバー割引だと当日券は30%割引、ハンディキャップ割引だとなんと50%引き。お小遣いをやりくりしながらコンサートに通う私としては大変助かるサービスなので、ぜひ、いろいろなコンサートでも採用していただきたいですね!

 


さて、注目の公演が始まりました!

大野和士マエストロは、若いながらも文化功労者として高く評価されており、端正なルックスながら、大変エネルギッシュかつ優雅に登場。まさに日本の指揮者の第一人者としての貫禄を漂わせていました。

個人的なつながりでいいますと、私の立教大学時代の恩師・北岡伸一先生(元東大名誉教授、国連次席大使、現・JICA理事長でいらっしゃいます)と大野マエストロが、友人関係だということは聞き及んでおりまして、思わぬ狭きご縁に、今宵の縁のふかさを感じた次第でした。

はじめはブゾーニの「喜劇序曲」作品38。

大変はなやかな曲想で始まり、弦楽器が高らかに主題を演奏します。力強い大野マエストロの指揮に魅了されっぱなしです。どことなくハレルヤコーラスに近いものがあり、シンバルがクライマックスでダイナミックに鳴り響き、大団円となりました。終始大野マエストロはにこやかで、都響の演奏も非常に品格溢れるものとなりました。

つづいては、マーラーの「少年の不思議な角笛」より。

ここでは、さまざまな歌曲集がつづられていきます。テノールは、世界各地でめざましい活躍を続ける、イアン・ボストリッジさん。彼のテノールが大変リリカルで美しく抒情性にあふれていたので、このマーラーの歌曲集に新たな光が当てられ、演奏は成功しました。背がすらりと高く、細身でとてもダンディなので、日本でも人気が爆発しそう。N響などでもぜひ登場していただきたい逸材です。

「ラインの伝説」はホルンにつづいて、フルート、オーボエが演奏されます。どことなく、同じマーラーの「大地の歌」の印象が重なるような雄大さを感じさせる曲想です。ヴァイオリン(矢部達哉さん)とフルートが独奏し、優美さを醸し出しました。

「魚に説教するパドヴァの聖アントニウス」は、どこどなく不穏なうごきをたたえます。

「死んだ鼓手」は、不安さを奏でるマーチを小太鼓が見事に表現しています。壮烈さもあり、悲しみも横溢しています。

「少年鼓手」では、次第に暗鬱な戦況を小太鼓(女性)が示していきます。テノールのイアンが悲痛な叫びを残します。

「美しいトランペットの鳴り渡るところ」では、美しい天上の音楽が流れていくものの、鼓手がひとり倒れてしまい、かなしげに幕となり余韻を残しました。

マーラーの中でも、のちの交響曲に大きな影響をあたえたもので、これに注目した都響のセンスのよさが覗えました。

最後はおまちかね、プロコフィエフの交響曲第6番 変ホ短調 

作品111です。

まずはダイナミックに弦楽器が謳いあげるように奏でます。チューバとヴィオラの独奏となり、チェロと続く弦楽器が主題を重々しく演奏します。

当初は不安さと暗鬱さをたたえた曲想になるかと思われましたが、大野マエストロは、音の緩急とバランスをよく考えて、強弱のメリハリをはっきりつけたので、とても華やかな印象を与えることとなりました。

プロコフィエフ(旧ロシアの寒村・ソンツオフカに1891年4月11日に生まれました)の、後年の傑作である交響曲第6番ですが、私は最初きいたとき、ずいぶん難解で不協和音の続く曲という印象を受けていたのです。しかしながら、大野マエストロの解釈がとても見事で、哀愁がただよいつつも、人間の生きざまの可能性のすばらしさを謳い上げる、名演となりました。ピアノ、ティンパニーが力強く演奏し、曲をいっそう盛り上げます。

ちょっと欲をいえば、ホルンが都響は総じて弱いかな、という印象でした。でもホルンはオーケストラの楽器の中でももっとも演奏が難しいものなので、ここは練習を重ねてがんばって克服してほしいですね!ホルンさえ完璧なら、都響は、向かうところ敵なしでしょう!

大野マエストロは力づよく指揮を繰り広げ、混迷のロシア、旧ソビエト連邦の大地を連想させていきます。トランペットとオーボエが抒情性豊かに演奏し、ヴァイオリンがそれぞれあとに続きます。

終章は、リズミカルな動きの中に明るく展開されます。クラリネットが飄逸に、またファゴットが淡く続きます。フルートとオーボエが主題を奏でます。管楽器の快進撃は続き、トロンボーンが高らかに鳴り響きます。あふれんばかりの生命力を、ヴァイオリンが表現して見事です!

大野マエストロは、宇宙を司る自然の摂理を、このプロコフィエフの交響曲の中で表現し、大きな感動を呼びました。勇壮なテーマはつづき、ヴァイオリンが流麗な響きを聴かせてくれます。

最後は圧倒的なクライマックスの中、一斉にオーケストラが団結します。ヴィオラ、チェロがうなり、高みに上っていくさまは圧巻です!

マエストロが指揮棒を下すと、東京文化会館は嵐のような「ブラボー!」が響き渡り、おもわず私も声をかけてしまいました。

でも、大野マエストロは笑顔でしっかりこちらを向いてくださって、とても嬉しかったですね!

会場では、Facebookでお世話になった年上のお友達のおじさま、そして、パーヴォやほかの指揮者の方のサイン会で会うことの多いお友達ともお会いできて、和気藹々の中でリラックスして過ごすことができました。この場をお借りして、感謝申し上げます。

都響の広報ご担当者の方にもお目にかかりましたが、大変礼儀正しい方で、とても安心していろいろお話できたので、嬉しく思っております。

上野の森で、うれしい興奮が、夜のしじまに消えていきました!

またぜひ都響も応援していきたいですね!\(^o^)/



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