ある人気テレビ番組の中で、渡辺貞夫さんの“トシくったぶんだけ、いろいろなものが見えるようになった…”という発言があり、その“いろいろなもの”の中に、音楽的には“どんなもの”が入っているのか、およその見当はつくのだが、ちょっと気になった。
一方スウェーデンでの初めて現地のミュージシャンとのスタジオ体験をした西山瞳は、“一応、ジャズとしてやっているつもりの私の音楽にビューティフル!なんて声がかかった”ことで、スウェーデンのミュージシャンやスタッフの“感じ方”が、日本での反応とかなり違って“柔軟”だった事を“記憶に残る瞬間だった…”という予想外のヨロコビとして、ボクとの対談で語っている。
もちろん、ジャズにもいろいろあって、快適にグルーヴするもののほか、美しさなどかんじさせないものがある反面、思わず“ビューティフル!”と云ってしまうようなリリカルなものもあって当然だ。
なのに、この時の西山瞳は“ジャズをビューティフルなんて云えない…”とする、一部の<単細胞的風潮>に、本心では反発しないが、ひょっとしたら無意識に犯されていたのじゃないか?
でなければ、貞夫さんとは正反対に“トシをくっていないぶん”だけ、西山瞳の<ジャズの見え方”が、ちょっと<ナイーヴ>であり過ぎたのかも…!!
上田力のクロストーク 7月20日