゛日本のジャズ新時代の幕開けを予感させるボーダーレスな世界゛というキャッチ・コピーがついた西山瞳の新作『パララックス』試聴盤(9月17日発売予定)を聴いて、やっぱりハマってしまった。
やっぱり…というのは、今回初めての、ベースもドラムスも、それにギターも日本人だけというレコーディング・コンセプトで、あの、限りなく優しく、しなやかだが、主張はガンとして崩さない「ヒトミ・ワールド」が、スウェーデン・セッションのときよりも、少しでも ゛変わった ゛のか、゛変わらなかった ゛のか、かなり気になっていたから。
が、結果は、よくぞこれだけピッタリ瞳の独創性にフィット出来るリズム隊を集めたもんだナという印象…だから、瞳のピアノが一段と大きく、太く、そして広くなり、トリオでオーケストラ効果を狙ったというタイトル曲のような成果も得られたのだと思う。
さらに言わせてもらえば、ベースの坂崎クン、ドラムスの清水クン、ギターの馬場クンそれぞれ三人とも、ドップリ「ヒトミ・ワールド」の ゛生けにえ ゛にされながら、それが自動的に極上のエクスタシーを漂わせることになり、そのエクスタシー効果を真っ先に楽しんでいるのがヒトミ本人ではないか…
となると、これを、ただ普通の< ジャズ >と呼んでしまうのは、゛日本のジャズ新時代の幕開け ゛のためにも、とてもとても ゛もったいないこと ゛になるんじゃないか…!!
上田力のクロス・トーク ~ 7月13日~