「先入観」という言葉、岩波の国語辞典によれば「初めて知った事に基づいて作られた固定的な観念」とあり、さらに「それによって自由な思考が妨げられる場合に云う」と続いている…まさにこれだ!!
ある曲、特にアレンジされたポピュラー楽曲を演奏する場合、その原曲を全く知らないより、ある程度は知っていた方が表現上のプラスになるかどうかは、奏者によって意見が分かれるかもしれないが、はっきりしているのは、 ゛知っていること ゛が、なまはんかな「固定観念」となり「自由な表現の妨げ」になってしまうとすれば、全く知らない白紙状態の方に、味わい深い自然な表現が期待できる…ということだ。
ただし、この場合は、アレンジそのものが、譜面どおり演奏すれば一定のサマになるように ゛ちゃんと書けていること ゛と、そのアレンジの譜面上の指定を ゛ちゃんと読みとれる ゛という奏者の表現力とが大前提となるし、特にクラシック畑の奏者がポピュラーを演奏するには欠かせない条件でもある。
「Jobim My Love~45~」では、特別参加の『正之とファゴッティーニャ』が、まるで当たり前のように ゛そのこと ゛を証明してくれたのだが、来年草々に予定されているレコーディングでは、当然、先入観などには惑わされない、さらに<Mellow & Delicious >な演奏を楽しませてくれるのだろうと、ワクワクしながらアレンジを進めているところだ…!!