上田力 「クロス・トーク」

作・編曲家、ピアニスト:上田力とスタッフが徒然なるまま語ります。

ボブ・ジェームスと再会!!

2004-04-16 | diary
2001年の1月7日、松居慶子とのワールドツアーで来日した時以来、約3年ぶりで会ったボブ・ジェームスは、一見、ちょっと太って、髪の白さがジェントリーな雰囲気をやんわり漂わせながら、なかなか良い感じ。

前回は青山の周富徳の店で何のこだわりも見せずに中華料理を楽しんでくれたので、今回は同じ青山晋風楼での中華ランチ・タイムとなった。だが、びっくりしたのは予定していた2時間弱を、ほとんどボブ一人でしゃべりまくったこと・・・しかもその半分の1時間がクインシー・ジョーンズの話題で埋まってしまったことだ。


たとえば84年、クインシーが初めてフランク・シナトラをプロデュースしたアルバム「L.A.イズ・マイ・レディ」録音の時、ボブは与えられたビッグ・チャンスとばかり指定されたスタンダード「ボディ・アンド・ソウル」のアレンジで従来のイメージとはちょっと違うサビあとのエキサイティングなシチュエーションを用意したところ、御大シナトラは2度のリハーサルでいずれも声を外してしまい、ワン・テイクOKを身上とするシナトラの納得を得られずアレンジはボツになってしまったこと・・・そしてこの場合、ボブは長年の友人でもあるクインシーが何も言ってくれなかったことなどなど。

“マイケル・ジャクソン”「スリラー」の超大ヒットでポピュラー・ミュージックのドンにまでノシ上がったクインシーにして、やはり大ボス、シナトラの前では何も云えなくなってしまうのか…でも、ボツにはなったんだが、やはり私にとっては、ステキな想い出になってるのは確かだけど…”、まんざらでもなさそうに顔をホコろばせるあたりがボブ・ジェームスらしいところ。

さらにクインシーが所属するワーナー・ブラザーズの社長スティーブ・ロスの葬式の時ボブはピアノを弾くように招かれ、12月23日という時期のテンヤワンヤの状況を何とかやりくりして馳せ参じたという。
 “当然トップクラスのアーティストも大勢来ていて、私も初めてバーバラ・ストレイザンドとのセッションを楽しめたりしたんだが、驚いたのは最後のクインシーの想い出ばなし…参列した人々、ひとり一人の名前を、今日は○○さんがお見えです…とちゃんと呼び上げること、私のカミさんなんか一度しか会ったことないのにジュディと呼んでくれた・・呼ばれた者にとっては、まさに神サマから指名されたみたいで身がふるえる思いなんじゃないかナ・・・天性なのかも知れないが、人を自然にその気にさせてしまう人間関係のマジックを持っているのがクインシーのスゴさなんだナと思いしらされたョ・・・”


ちょっとホメ過ぎ?とも思えるが何と言ってもクインシーはボブにとって業界進出の大恩人・・だから逆に音楽を抜きにしても親愛の情を交流し合える“大人の関係”のカッコよさに20年来の友人として私からも拍手!!

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1 コメント

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ボブに逢えて (ひろし)
2005-04-27 15:48:37
僕も感動しました。
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