「ホメ言葉」や「ホメ方」にもいろいろあり、その相手や対象によって、それぞれの使いわけを考えないと、゛ホメる側゛と゛ホメられる側゛とのキモチの交流や人間関係などに、思わぬシコリを残してしまうかもしれないし、逆に親密度が深まる場合もある。
この春ごろから、治りの悪い足のキズが気になって、生まれて初めて「ヒフ科」への通院を続けているんだが、そこの先生というのが、秋田出身の女医さんで、スッピンのまま、さっさと治療を進めてしまうタイプだから、それまでは゛無駄ぐち゛を交わす機会など、ほとんど無かった。 ところが、ごく最近の通院日、診察室に入ったとたん、いままで全く見せなかったような明るい笑顔で ゛上田さんて、とてもエラい方だったんですネ゛と、予期せぬ第一声!続いて足のガーゼを取り替えながら ゛ボサノバはセルジオ・メンデスなら聴いたことあるワ゛とも…それならと、早速「Jobim My Love」の2作とも差し上げ、反応を期待した。
だが既にこのとき『おいしい水』や『イパネマの娘』など聴き馴染みだったらしいのに、次の診察日の彼女は、ジョビンがどうとかボサノバがなんだとか、ゴチャゴチャしたことには一切触れず、 ゛あれは大人の音楽ネ゛と何とも明快なひとこと…これは、もちろん、これまで「Jobim My Love」2作品に差し向けられた中でも、思いがけない ゛最高のホメ言葉゛として受けとめている!!