ある日の夕方。仕事の終わった人たちが、帰宅途中にやってくる、店にとっては最も忙しい時間帯。とある店で商品を選んで、レジにもっていったら、私の前に電動車いすの老人が・・・。
小さなその店には、店員が一人しかいなかった。40代くらいとおぼしき女性は、電動車いすの老人の顔を見るなり、迷いもなくいくつかの商品を運んできた。この老人は常連なのだなと、二人のしぐさですぐにわかる。「今日は***はないのよ、すみません。」女性がそう声をかけると、老人はうなずき、ろれつの回らない舌でなにやらもごもごと答えた。私は自分の選んだ商品を手に、そのまま待っていた。
老人は、見せられた商品にうなずいて、ポケットから財布を取り出した。右手はなんとか動く様子。だが、左はほとんど使えないようだった。不自由なその手で、財布から小銭とポイントカードを取り出し、レジのわきに置く。手早く商品を袋に入れ、笑顔で小銭をよりわける女性。代金を自分の手に乗せ、老人に確認してもらう。老人が余分に出してしまった小銭をしまおうとする。その女性は「入れましょうか?」と手伝う。商品は電動車いすの前カゴに入れられた。
そのやりとりの最中、待っている私に「すみませんね。」ともうしわけなさそうな表情で言う女性。「いえいえ、いいんですよ。」私は笑顔でそのやりとりを見守った。老人は、ゆっくりと財布をポケットにしまい、電動車いすで帰って行った。ただ、それだけのこと・・・・
そのやりとりをじっと見ながら、「あぁ、この光景を撮りたい!」と思っていた。このワンシーンを残したい、と。待つのは苦痛ではなかった。二人の間にあった「阿吽の呼吸」。実にさりげなく示される思いやり。好意を素直に受け取る姿勢。なにひとつ見逃したくなかった。カメラを向けるのは失礼な気がして、「撮っていいですか?」とは言えなかったけれど・・・。
小さなその店には、店員が一人しかいなかった。40代くらいとおぼしき女性は、電動車いすの老人の顔を見るなり、迷いもなくいくつかの商品を運んできた。この老人は常連なのだなと、二人のしぐさですぐにわかる。「今日は***はないのよ、すみません。」女性がそう声をかけると、老人はうなずき、ろれつの回らない舌でなにやらもごもごと答えた。私は自分の選んだ商品を手に、そのまま待っていた。
老人は、見せられた商品にうなずいて、ポケットから財布を取り出した。右手はなんとか動く様子。だが、左はほとんど使えないようだった。不自由なその手で、財布から小銭とポイントカードを取り出し、レジのわきに置く。手早く商品を袋に入れ、笑顔で小銭をよりわける女性。代金を自分の手に乗せ、老人に確認してもらう。老人が余分に出してしまった小銭をしまおうとする。その女性は「入れましょうか?」と手伝う。商品は電動車いすの前カゴに入れられた。
そのやりとりの最中、待っている私に「すみませんね。」ともうしわけなさそうな表情で言う女性。「いえいえ、いいんですよ。」私は笑顔でそのやりとりを見守った。老人は、ゆっくりと財布をポケットにしまい、電動車いすで帰って行った。ただ、それだけのこと・・・・
そのやりとりをじっと見ながら、「あぁ、この光景を撮りたい!」と思っていた。このワンシーンを残したい、と。待つのは苦痛ではなかった。二人の間にあった「阿吽の呼吸」。実にさりげなく示される思いやり。好意を素直に受け取る姿勢。なにひとつ見逃したくなかった。カメラを向けるのは失礼な気がして、「撮っていいですか?」とは言えなかったけれど・・・。
何気ない事なんだけど、世知辛い世の中では、輝いちゃうんですよねぇ・・・
本当は、それを普通だって思える社会であって欲しいものです。
あんな風にさりげなく、みんながお互いに手助けし合って、気持ちよく暮らせたらどんなにいいだろう。