スロバキア、タトラ山脈の麓より

スロバキア人の夫と2人の娘と私の生活
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面倒でも、ひと手間

2023-03-28 | 育児

サクルカがぬいぐるみにトレーナーを作りました。
何も手伝わなくても一人でこんなものを作ってしまったとは正直びっくりだったので書き留めておくことにしました。

子どもにいつから針を持たせるか、悩むものですよね。興味があるのはわかっていても、つきっきりで手取り足取り教える時間がなかなかなくて面倒というものありますし。自分の裁縫セットが欲しいと言っていたサクルカに、9歳の誕生日プレゼントで小さなスーツケースに針や巻き尺、糸、フェルトを何色か入れてあげました。ほんの5ユーロくらいのプレゼントですが、「一緒に裁縫をしてあげる」と決めて裁縫セットをあげることにしたので、私としては金額以上の価値のプレゼントでした。

まずは一緒にプラスチックの針と毛糸を使ってぬいぐるみを作り、それから本物の針を使って、糸の通し方、玉止め、簡単な刺繍を教えながら針刺しを作りました。小さな針刺しを作るのに1時間くらいかかったでしょうか。サクルカはこんなに時間がかかるの?と驚きつつも、出来上がったときの達成感はありますよね。その後はクラスの友達に一人でマスコットを作ってあげるようになりました。

昨日はぬいぐるみにフードの付いた自分とお揃いのトレーナーを作りたいと、「難しいよ」と言ってもどうやって作るか考えたから何か布はないかなと。小さくなったタイツをあげたらそれから数時間(こういうときの集中力はすごいものです)自分の部屋にこもり、夕食前に出来上がったものを見せに来ました。襟元にはフリルと、紐、前にはポケット、写真では見えませんが後ろにはフードもついているトレーナーが出来上がっていました。決して早いとは言えない針運びでも途中で投げ出さず作り上げてしまうなんて、子供の根気と集中力は侮れませんね。

このウサギちゃん、じつはパスポートも持っているんです。昨年の夏、日本に帰国する際、機内に持ち込むぬいぐるみのパスポートを作っていたサクルカ、自分の携帯で写真を撮り、プリントしてくれないかと。帰国前の忙しいときに面倒だなと私は思ったけれど、夫がプリントしてくれ、透明のビニールケースも提供し、サクルカはカバーも作りました。そして空港の出国審査で自分のパスポートとぬいぐるみのパスポートを提示し、なんとスタンプまでもらいました。


いつも色々面倒で、つい子供にあまり時間をかけずに過ごしてしまうのですが、この裁縫に関しては初期投資をして(初めに何時間か時間を費やして)良かったですし、そしてパスポートでは夫が写真をプリントしてカバーの材料をあげてくれ、そしてそのお手製パスポートに本物のスタンプを押してくれる職員の配慮があり。どれもほんのちょっとのことですが子供にとっては貴重なひと手間、大切なことだと感じました。自分の子供にするのはもちろん、特によその子供に付き合ってくださる大人の存在もとてもありがたいですね。

よその子はつい「色々できてすごいなぁ」と思ってしまうのですが、きっとお家の方が面倒臭がらず最初にちょっと頑張って子供と一緒に何かをしているからこその結果なんですよね。
「ママは今忙しいから」とは言わず、子供にできるだけちょっとの時間を割けるよう頑張りたいです。(そしたら子供の自立を促し、楽になるのは私!のはずです。)

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