スロバキア、タトラ山脈の麓より

スロバキア人の夫と2人の娘と私の生活
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結婚式騒動

2017-10-24 | 育児
新学期は年に一度の保護者会の時期でもあります。幼稚園に学校、お稽古ごとと我が家も保護者会が続きました。

幼稚園とお稽古ごとの保護者会は私が行きましたが、初めての学校の保護者会にはマルツェルに行ってもらいました。始めは各教室にてスピーカーから流れる校長先生の話を聞き、その後担任と副担任の先生からお話があったそうです。帰ってきたマルツェルから保護者会の内容を聞くと、一連の報告事項や注意事項等の話の他、先生方からその日クラスであった結婚式騒動についての話があったと。マルツェルはうちの子にありそうな話だなぁと思いながら聞いていたと言います。さすが、だてに父親やってません、自分の娘のことをよくわかっているなと感心してしまいました。

実は私は先にネルカを迎えに行っていたので、ネルカから直接この話を聞いていました。これはネルカとクラスの男の子が発端の事件でした。同じクラスにネルカのことを好きな男の子がいました。ちょうどその数日前、クラスの様子を見に行った義母からもその男の子のとこは聞いていました。「先生が本を読んでいるときにネルカに抱きついて話を聞いてるすごく可愛い男の子がいるのよ!あの子は誰??」と。先生が本を読んでくれるときなど、ときどき、教室の空きスペースにカーペットが敷いてあり、そこにクッションを敷いて座って話を聞いたりするんだそうです。そのときにネルカにピッタリと寄り添っている男の子がいるんだと。

その男の子、ありがたいことに(笑)ネルカに首ったけ、クラスでも恥じることなく積極的にアプローチ、ネルカもまんざらでもないようで、ちょうどその保護者会の前日に男の子が明日結婚式をすると宣言していたのだそうです。そしてその結果は…、休憩時間にクラスの女子と男子が分断し、女子はネルカを連れて逃げ回り、男子は女子を追いかける、その末に新郎は泥んこの中に投げ飛ばされ、泥だらけ、ズボンも破れる参事となったのだそうです。これが保護者会での先生からのお話でした。

そして結婚式騒動はこれだけでは終わらず数日間続きました。保護者会があったのは木曜日です。翌日金曜日、男の子はめげずにまた結婚式をすると宣言しました。ネルカも「今日は結婚式だから綺麗な服を着て行かないと!」入学式のときに着たワンピース、早起きをして髪型もバッチリ決めて出かけました。放課後は義母と一緒に下校したので、午後義父母宅にネルカを迎えに行くと、ネルカよりも先に義母に話を聞きました。給食は食堂で食べるのでネルカは昼食時、義母に会うことがあるのですが、そのとき義母の顔を見るなり泣き崩れてしまったそうで…。

詳細はこうでした。
男の子は宣言通り指輪を用意して結婚式に臨みました。が、ネルカと男の子の結婚式は学校中の噂になってしまい、結婚式を予定していた休み時間には、クラスの子たちだけでなく、他のクラスの子たち、4年生、5年生の子たちまで集まって大騒ぎになり、ネルカは恥ずかしくてできなかったのだそうです。
きちんと箱に入ったその指輪は「目が飛び出るほど可愛かった」とはネルカの言葉、結局その指輪は受け取れなかったようですが、困惑気味で話をするネルカの頭にはピンクのリボンのピン止めが付いていました。それもその男の子にもらったのだそうです。
結局、男の子は「結婚式はまたの機会にしようね」と言ってくれたのだそうです。

そして月曜日、「今日は結婚式だから」とネルカはまたお気に入りのワンピースを着て登校しました。
午後、私はネルカの話を楽しみに学校へ向かいました。今日はちゃんと結婚式できたのでしょうか。

結果は・・・



晴れてお嫁さんになれたようです。手には小さなピンクのお花の指輪がありました。

まだ後日談は続きます。

その後、男の子のママはお祝いのケーキ(マフィン)をクラス中の子たちに焼いてきてくれました。
結婚式直後には席替えもあり、誰でも好きな子と座って良いとのことで、今はその男の子と一緒に座っています。

1週間後には指輪を失くしました。大探ししても出てこず、「じゃぁ指輪の入ってた箱の中は?」と箱のふたを開けるとそこにはコロンと紫色の豆。先日の紫の豆はこんなところに隠していたんですね。

その指輪も数日後には無事見つかり、昨日は彼からのプレゼント第2弾、手作りのハートのネックレスとブレスレットをして帰ってきました。

こんなに純粋なその男の子も可愛らしいし、その気持ちを大切に支えてくれているご両親も素敵だなと思います。ネルカが「結婚式には指輪も持ってきてくれるんだって!」と言っていても、「指輪って本人が言ってても買うのは親でしょう?まさか指輪はないでしょう」と私は思っていましたから。そして子供たちのこんな騒動を暖かく見守ってくださっている先生方もありがたいなと思いました。結婚祝いのマフィンを使って算数の授業までしたそうです。クラスには何人の生徒がいて、マフィンはいくつ、そして余りはいくつ?と。

ネルカの学校生活、実り多きものになりそうです。
そして、20歳になってもこんなかわいい彼を連れて帰ってくれたらいいなぁが私とマルツェルの密かな願いです。



2 Comments

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とっても、かわいらしい素敵なことですね。 (仁仁母)
2017-10-25 17:24:47
読んでいて、自然と笑顔になるような、可愛らしい話題ですね。
そして、周りがすごくあたたかくて、良い環境で羨ましいです。
日本だと、と考えると、絶対に同じにはならないかなと思うのが悲しいですね。
男の子ネルカちゃんにまさに首ったけなんですね。
微笑ましいイメージが想像できて、癒されました。
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仁仁母さん (chihirko)
2017-10-27 05:22:32
そうですね、日本の小学校だったらあり得ないことだらけのエピソードだなと思います。もらった指輪を「毎日してきてね」と男の子に言われ、毎日して行ってましたから。(失くしてからは箱に入れたまま持って行っています)日本だったら勉強の妨げになるような物は持っていけないし、お菓子もダメですもんね。
このおおらかさに戸惑うこともあるのですが、良いなと思うことも多々です。
とにかく良い環境に恵まれて良かったです。

コメントありがとうございました。
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