ジュディ犬気分屋ブロぐースタイル

ミックス犬ジュディよりも・・・その飼い主が日々経験したり感じた事柄を書いていく幅広めのブログです。

モスクワの味?はここで学びました (パルナスの記憶)(ネットショッピングがまだ無かった頃その4)

2005-09-24 09:05:53 | 買い物 お土産
関西生まれの30代以上の人なら、食べたことは無くても殆どの人が知っている<モスクワの味>それが今日取り上げるお店
『パルナス』です。関西を中心に店舗展開をしていたケーキのチェーン店でした。
不二家やタカラブネ、コトブキ程の店舗数ではなかったようですが、古くから乗降客の多い駅の商店街には必ずあったように思います。
扱っているケーキはどれも普通のもので他社と大きな差はなく、と言うより子供心にもむしろ地味な印象のケーキ屋さんでした。
但し、一つだけ他社との大きな違いがありました。それが『ピロシキ』でした。
最近でも街中で『ピロシキ』を見ることは滅多にありませんが、1970年代から1980年代であればなおさら見かけることは無かったでしょうし、名前は知っていても実際にはどんなものか知らない人が多かったと思います。
『ピロシキ』はロシアの割合庶民的な食べ物で、表面にパン粉の付いていないカレーパンを想像して頂ければ良いかと思います。
厚みは色々あるようで、自分が食べたものでは、カレーパンくらいから、ラグビーボールのような全体に丸みを帯びたものまでありました。
中身は、割合ゆるい感じでミンチの少ないオムレツの具のようなものが入っていました。
私自身、ピロシキを食べた記憶をたどって見ると、一番最近でも、2004年の1月、大阪難波の南側にある今宮戎神社のエビス祭りで、国際交流センターが後援しロシア人留学生(本人からの証言ですが)が出していた屋台の『ピロシキ』になってしまいます。
東京に比べると、大阪はやはりロシア料理のお店自体が少ないように感じますね。大阪のロシア料理店については機会を見つけて調べて見ようと思います。
話を戻しますが、それくらい珍しかった『ピロシキ』が『パルナス』では販売されておりました。
『パルナス』のイメージキャラクターは『パルちゃん』『パルナス坊や』と呼ばれる子供で<ムーミン>に出てくるスナフキンのような帽子をかぶり、赤いロシアの服を着て、キューピー人形のような大きな目をしていました。ペコちゃんと比べると、ちょっとリアルな感じで、子供心にはちょっと怖い感じを持っていました。
子供の頃の記憶で正確ではないかもしれませんが、テレビコマーシャルでは
♪ パルナスピロシキ
  パルナスピロシキ
  パルピロ パルピロ ~ ♪♪
という歌にあわせて『パルちゃん』がコサックダンスを踊っていたような記憶があります。

味についてですが、初めて食べた時は、なにしろケーキ屋さんで買ってきてくれたものでしたから、子供心にも口は「甘い食べ物」を期待していたのですが、齧って見ると、<揚げた油の味>と、<調理された具材の味>とで、私の期待は完全に打ち砕かれ、その結果「美味しい」とは思えませんでした。
年齢が上がり、小学校に通うようになって以降、「美味しく」食べられるようになったと思います。そこには、たぶん<給食>の存在があったからではないか?と思うのですが。(いろんなものを食べる機会が増え、口が慣れてきたから?とでも言いましょうか・・・)

ですが、多くの関西の人にとって『パルナス』といえば真っ先に浮かぶのは、『ピロシキ』ではなく、独特の雰囲気を醸し出していた『TVコマーシャル』だと思います。
いつまで続けられていたかは定かではないのですが、『パルナス』さんは毎週日曜日の朝、10時30分から11時までの30分間(10時から10時30分までだったら御免なさい)、関西テレビでアニメの再放送枠を持っておられました。
その中でTVコマーシャルを放送されていたのですが、それが非常に個性的で(大人になった今にして思うと、ロシア的な雰囲気を伝えるという意味では、非常に適切な切り口であり、芸術性も高いと思いますが)ケーキ屋さんのコマーシャルというイメージではなく、むしろケーキ屋さんには有るまじき<子供に「怖い」と思わせてしまう>コマーシャルでした。
1990年代にはテレビの特集番組で地方のCMを集めたバラエティー物がかなり放送されていましたので、その中で見られた方も居られるかと思います。

「切り絵」というのでしょうか?「影絵」というのでしょうか?
登場人物やロシア風の建物はすべて黒で切り抜かれており、バックに流される歌に従って、昔話風のストーリーが進んでいきます。

歌の歌詞はこんな感じでした。

ぎゅっと(ぐっととの説もあり)噛み締めてごらーん♪。(ボロローン♪と音が入ります)
マーマの温かい心がー。お口の中に染み通ーるよー♪。「パールナス♪」
(ズンチャッチャ♪、ズンチャッチャ♪のリズムが入りこの後、画面は昔話へ)
甘い、お菓子の、お国ーの便りー♪。おとぎの、国の、ローシアーのー♪、ゆーめーのお橇ーが運んでくれたー♪
『パルナス♪』、『パルナス♪』、モスクワーの味ー♪
『パルナス♪』、『パルナス♪』、『パルナ~ス♪』
そして画面はパルナス坊やとパルナスの大きなロゴに切り替わり終了でした。

CM中、画面に丸い月が浮かんでいる風景があるのですが、そこにモノクロの赤ちゃんの顔が映し出されるのです。
大抵の子供はこの映像に『怖さ』を感じたものでした。これが、関西の30代以上が『パルナス』を鮮明に覚えている理由だと思います。

CMはこれだけではありません。桃の節句用にはパルナスの雛ケーキ、端午の節句にはパルナスの5月ケーキ(と言っていたような記憶が・・・)
クリスマスには
幸せをみんなでー♪、分けよー♪、分けよー♪
『パルナース』の♪、『パルナース』の♪『クーリースマスケーキー♪』
という、NHKのお兄さんが歌うような明るい歌声でCMをしておりました。

夏場に流していた、シューアイス工場の映像、最先端の工場でベルトコンベアーからどんどん送られてきたシューアイス、そして、子供心にアニメや特撮の中でしか聞くことのなかった温度、「マイナス○○℃で急速冷凍」のナレーション。すごーい?!。今でもしっかり覚えています。

そんな関西を代表する『パルナス』ですが、1990年代末には「赤字経営になる前に」という経営判断で会社を辞めることを決定し、
2000年頃には完全に会社組織を解散されてしまったそうです。
2000年以降、元々の地盤であった、大阪の豊中市に1件だけ喫茶店の形態でお店が残っているとの情報も昨年頃まで飛び交っていたようですが、実際には違っていたようです。

プリン大福、プリンシュー、プリンどら焼きなど、従来のお菓子とプリンのコラボ商品が多く見られますが、パルナスはその先駆的な商品を1990年前後にはもう販売されておりました。
『プリンケーキ』です。カップの底にスポンジ状のケーキを置き、その上にカラメルの載ったプリンを載せ、生クリームなどでデコレーションしたものでした。
最近では小さめのものがコンビニなどでも見かけられますね。
「誰でも出来る!」と仰るかも知れませんが、その当時、他のケーキ屋さんは何処もやっておられませんでした。
よく言いすぎかもしれませんが『パルナス』にはその当時、『コロンブスの卵』的発想が出来る人が居られたと思います。

出来る事なら、『パルナス』そして、あの味、あのCMを復活してもらいたいものです。

追記:『パルナス』ファンの方は結構居られるようで、<PARNUS UN OFFICIALHP>や<パルナス思い出の館>というサイトが開設されているようです。
興味のある方は一度尋ねられてみては如何ですか?


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