地理人レポート

展示や新グッズ作りに向けたコラボレポートと、空想地図&地図グッズ紹介をお届けします。

<コラボレポ>新旧電車のデザインは、ただの新旧じゃない。時代背景が見えるらしい。

2020年03月26日 | コラボレポート
皆様いかがお過ごしでしょうか。時代はコロナです。換気のいいところでコッソリ打ち合わせをしています。リモート…でもいいっちゃいいのか。

Mr.Denshaさんとの打ち合わせのレポートです。今期のコラボで最も進んでいます。
4月から新社会人となる電車系大学生。卒業論文(展示&発表)のテーマも「駅らしさを作るもの」と称して駅デザインを論じてます。幼少期から電車好きで、研究テーマや進路に至るまで、一貫して鉄道がメイン。そのキャリアは一本のレールが貫通するかのようでもあります。



Mr.Denshaさんがこれから再現?するものは、

 (1)中村市を走る中村電鉄の車両デザイン
 (2)中村電鉄のサインデザイン
 (3)中村電鉄の路線図
 (4)中村電鉄の新型車両のトレインビジョン
                  です。

中村市内には複数の鉄道会社が走っていますが、その中でも郊外と都心を結ぶメインの私鉄となるのが中村電鉄です。さて、今回は主に(1)中村電鉄の車両のデザインについてのお話です。



前回、中村電鉄の、比較的新しい車両のデザインができあがってきました。ヒョー!突然すごいの来たぞ・・・




ホームドアが車両のデザインを変えた?
突如姿を現した、中村電鉄の比較的新型の車両デザイン。おお、それっぽい。新型車両っぽい。しかし「新型車両っぽさ」って何が鍵なんでしょうか。これは2008年頃以降の鉄道車両でよく見られるデザインを参考にしていますが、窓の上部で左右に広がる紺色のラインは、ホームドアの設置以降に普及したデザインとのこと。

ホームドア??この車両、窓の上に紺色のラインが入ってますが、よく見てみると最近そんな電車が多い気がします。ちょっと前は窓の下に色のラインが入ってる電車が多かったと思います。ホームドアのあるホームで待っていると、窓の下のラインって見えないんですよね。そうか、だから最近の電車は、窓の上だったりドア周りに色がついてたりするのか。

新旧車両のデザインから、会社が、社会が、見えてくる。

ここまで来ると見たくなってくるのはそれ以前の車両。以前はどんな車両が走っていて、どんなデザインの変化があって今に至るのか。これが見えてこそ、この中村電鉄という会社が見えてくるし、時代の変化が見えてくる。そうなると、見てみたいのですよ昔の車両を

そこで、2008年の新型車と比べて2世代くらい前のデザインをも作・・・(空想)調査してみることにしました。



おお、手描きなのか。


着色をするとこんな感じに。
左が19992年製の6000系、右が1975年製造の5000系。

おおお、走ってそうだ…そして時代を感じる…
まず1975年製の5000系から見てみましょう。

高度成長を物語るのは「貫通扉」



この時代は白熱灯を使用している車両が多く、ライトが丸いのが特徴です。材質はステンレスですが、この頃は車両にステンレスを使い始めたかなり初期の頃。ステンレスの銀色以外に色を足すこともなかったのでしょう。ただ、90年代に入って、中村電鉄のコーポレートカラー(青)が定まると、青色の帯をあとで入れたりしたことでしょう。そう、同じ車両でも晩年だけ色が入るパターンも、よくあるのです

正面真ん中のドア下部に「急」のマークが入っていますが、「急行」の省略表記。今は見られませんが、この時代だとこんな電車がいたのです。そう、鉄板のプレートで掲示する電車もありましたよね。(写真で知ってるだけ。見たことないけど)

「真ん中にある」のがこの時代らしさ、なのだそうな。

都市の成熟と、デザインの変化


続いて1992年から製造されたと思われる6000系のデザインです。この頃に流行ったデザインの肝はブラックフェイス。窓の周りの部分が黒く塗られ、前よりスマートになっています。

同時代に作られた、(現実世界…東京の)京成3700形、東急2000系、東京メトロ06系の正面は、正面の扉が真ん中にありません。右窓:扉:左窓の割合が5:3:2になっているので、Mr.Densha氏はこれを「5:3:2顔」と呼んでいます。比率なんて気にしたことなかったぜ…。

そう、真ん中にないということは、連結したとき隣の車両と行き来できる扉にはならないのです。非常時に前から降りるくらいで、平常時、この扉は機能せず、扉の存在感もおとなしめになります。

背景には、この頃に都市化も人口増も落ち着いた、ということです。バブル期まで、人口は増え続け、物価も上がり続け、給料が上がるだけでなく運賃も年々上がってましたが、90年代に入ると変化がなくなってきます。需要が安定し、利用者数も一定になってくると、編成を増やしたり変えたりしなくて良くなります。中村電鉄の場合は、各駅停車も急行も8両編成で固定、となったのでしょう。

今後は路線図とドア上の画面ができてくる…?

(2)中村電鉄のサインデザインは既に素案ができているので追って紹介します。(3)中村電鉄の路線図…は地理人が路線データを練り直さなければならないので、練り直してから取り掛かることに。さらに駅ごとの出口の位置が明らかになると、(4)中村電鉄の新型車両のトレインビジョンもできてきます。地理人も案外意外とやることが増える

余裕があれば、同社の路線バスのデザインも考えてみたり…するかも?

次回の打ち合わせは(3)路線図と(4)トレインビジョンの進捗。追ってレポートします。

(議事録:膳所 → ライティング:地理人)