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蔵馬ウケネタ、日常のことなど思った事を綴る。

Momentで、唇が重なる

2019年09月28日 23時17分37秒 | 蔵馬受けblog内小説
ちょっと
懐かしい曲なのですが、國府田マリ子さんの
Momentという曲があって、
それを聴くたびに
飛蔵で考えられる!と思っていました。

マーマレードボーイと言うアニメの曲なのですが、切なくて、可愛くてとてもいい曲です。

だからちょっとその曲をネタにして
学園もので、考えてみました。


🌸🌸🌸🌸🌸

大丈夫か、と言いそうになって、飛影は口を閉じる。
言ったら、自分がうるさくなりそうで。
特待生の蔵馬が試験のために毎回懸命なことを知っている。

だから…。
昨日、熱があると言っていたのを、知りながら飛影は大したことができなかった。

熱があるなら栄養が大事だ。
勝手を知っている蔵馬の家にあがり、飛影はおかゆを作った。
捲ったままのノートが、ベッドのそばに落ちていた。

蔵馬は優秀だが、天才ではない。
努力は疲れをためていた。小さな声で、蔵馬はありがとうと言った。

だからいま、保健室にいる。

薄い水色のカーテンが、揺れた。
試験が終わってから、蔵馬が、保健室に入ったのを飛影は見ていた。

眠る蔵馬の顔を見て、駆け上がるこの気持ちが、形にならないまま、
飛影の体を熱くしていた。蔵馬の、長いまつ毛が見えた。

薄い唇が、飛影を射抜いていた。

「蔵馬」

呼べば、止まらなくなっていた。

誰の気配もない廊下を確かめる…今なら、今なら触れられる。

ゆっくり、近づく、黒い制服。

そっと飛影は蔵馬の唇に、自らのそれを重ねた。


________

「っ…」

パタンと扉が閉まる音と同時に、瞳を開けたのは蔵馬だった。

「飛影…」

今触れたのは…間違いではなくて、たしかにあのひとの。

「飛影」
まさかと、思った。唇を蔵馬は小さくなぞった。
わずかに残る、少し厚い飛影の唇。
温もりが、まだそこにあった。

🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸


國府田マリ子さんの、切なくて恥じらいのある曲を、少し短い小説にしてみました。

誰もいない部屋と飛蔵って言う組み合わせ、大好きなんです。


暗黒武術会でも、こう言う場面ありそうじゃないですか?
飛影が、夜にそっと蔵馬の唇に触れていたり。

まだ一回戦のあたりでもいいし、凍矢戦あたりでも。
2回あってもいいかな。
飛影の中で、まだ恋とまでは言えない
気持ちをどうしていいかわからない感じ。
だけど蔵馬のことは気になるの。