天気は良かったけど、風が冷たかった〜
明日は、もっと冷たいとか、、、
空気が冷たいのはWelcomeなのですが、風は嫌だな。。。(苦)
さて、大田区保健所主催「大田区 食の安全・安心講演会と意見交換 プロ直伝!!ウマい豆腐の作り方」の後編です。
前編(第一部)では、豆腐司 みしまやの小川晃一さんから貴重な豆腐作りノウハウをお聞きしまし、自分の手が如何に汚れているのか、ではなく、手洗いが不十分かを知りました(笑)
後編は、第二部の実習の豆腐作り、第三部の意見交換です。
実習に先立ち、保健所の方(と小川さん)から”豆腐凝固剤”の話がありました。
- ニガリとは、元々は海水から塩を作った残土液。雑分を精製して、透明になっている。その名の通り、めちゃくちゃ苦い。
- みしまやでは、沖縄産の海水ニガリを使用している。海がキレイで、暖流と寒流のぶつかりミネラル豊富な海水のニガリは、癖がなく旨味がでる。ニガリで豆腐の味が変わる(変える)
- ニガリとは、塩化マグネシウムのことで、豆腐凝固剤はニガリだけではない。みしまやでも、ニガリと”すまし粉”(硫酸カルシウム)を混ぜて使っている。京都では、出汁の味を引き立たせるため、”すまし粉”だけで固める。すまし粉は保水性、弾力性が高く、ゆっくり固まる。ニガリが主流になったのは最近で、以前は、全国ですまし粉を使っていた。
- 他の凝固剤では、グルコノデルタラクトンは甘みがあり、塩化カルシウムは、最も早く固まるので、油揚げによい。
- 製品によって凝固剤は変える。みしまやでも、おぼろ豆腐は(早く固まる)ニガリだけで固める。
- (保健所の方から)これらの凝固剤は、食品添加物として認可されているものなので、心配ない。
- なお、固めるにはどの凝固剤かだけではなく、豆乳の温度管理、豆乳と凝固剤の量のバランスが重要。決まった分量ではなく、できた豆乳によって、凝固剤の分量は毎日変わる。
- キッチンスケールにのせた容器に、1.0gのニガリを入れます。容器を乗せた状態で目盛りを0.0に合わせて、スポイトでニガリをポツポツと。かなり痺れる作業です。0.1g単位で成否が分かれるなんて。
- 我々が話を聞いたり、お手本を見ている間、保健所の若い職員さん達が、湯煎で豆乳を温め、温度71℃を(赤外線温度計で厳密に)保ってくれていました。
- ニガリを”打つ”温度は、68から70℃ですが、容器から移し替えるときに温度が下がるので、設定は71℃。こちらも、1℃の違いで結果が変わるので、痺れる作業です(やってくれたのは保健所の方ですが、自宅でやるとなると。。。まあ、家族でいろいろ試してみたら面白いじゃないですか、と小川さんは言っていました。なぜか、家族でホットプレート囲んでいて、お父さんがお好み焼きをひっくり返し損じるシーンが思い浮かびました(笑))
- ニガリの入った容器に、豆乳を100cc注いで、混ぜるというより、攪拌するイメージで、軽く(たった)3回(湯揉みっぽく)混ぜます。
- 第一部の映像では、豆乳にニガリを加えていましたが、それだと(素人は)失敗し易い。ニガリに豆乳を加えた方が、豆乳を注いだ時点で、攪拌されるので、均一になりやすい。
- 豆乳の温度が低いと柔らかめになるので強めに混ぜるが、混ぜすぎても柔らかくなってしまう。混ぜ方が弱いと固まらない。(その場で固まるのでないので、混ぜながらの加減はしようがなく、とても難しい、経験が必要な工程ですね)
- 今回使用した豆乳は10%の濃さ。一般的な飲料は6から8%。豆腐を作るのであれば、10から12%のもので。
その間、保健所の方が、”ウマい”豆腐の見分け方を説明してくれました。
と言うか、豆腐のパッケージに記載されている情報の見方について、
- 名称:”絹ごし豆腐”など、わかりやすい一般的な名称。
- 原材料名:大豆は国産などの産地を追記。遺伝子組換え大豆の場合は、要表示(表示がなければ、遺伝子組み換えではないと言う事)。凝固剤は、なんとかマグネシウム(にがり)など。
- 内容量:400gとか。
- 消費期限、保存方法:この2つはセットで。保存方法が要冷蔵(未開封)であれば、その状態での消費期限。
- 消費期限はどうやって決まるのか?みしまやでは、東京衛生研究所に持ち込んで、最近培養して、安全に食せる日数が決まり、その日数マイナス1日。”T + 3日”としている(Tは製造日)
- 消費期限は、過ぎたら食べない方が良い日付。食べられる限界から少し短め(みしまやさんではマイナス1日)。お弁当、お惣菜など日持ちしないものは消費期限表示。
- 賞味期限:美味しく食べられる期限。食品の品質劣化が緩やかなもの、お菓子など。賞味期限を過ぎて、食べるか、食べられるかは消費者が決める(の責任)。(賞味期限と消費期限、併記はしないんですね)
- 最近、賞味期限の長い豆腐が売られている。充填豆腐。豆腐と容器の間に隙間がない。容器に、冷たい豆乳とニガリを入れて、密封してから加熱するので、細菌が少ない。保存料で長持ちさせているのではない。
- そして、製造・販売者も記載される。
そうしているうちに、15分以上経ちましたので、いよいよ自分で作った(測って、混ぜただけ)おぼろ豆腐の試食です。
いい感じに固まっていましたが、うまく攪拌はできていなかったようで、ちょっとブツブツがありました。
でも、贔屓目なしに、作り立ては美味しいですね(感)
そのままで、甘さとコクがありましたが、小川さんが「醤油を、一滴だけたらしてみてください」と言うので、本当に一滴だけ、、、
十分な味変です(驚)
普段、晩酌の時、薬味たっぷり、醤油たっぷりのあれは???と思わせられる味でした(苦)
その後、みしまやの製品も配られ、試食しましたが、こっちはプロが作ったものですからね、掛け値なしに美味しかったです(幸)
武蔵新田商店街のHPで、営業時間が、早朝から19時半になっていたので、多摩川に向かった散歩の帰りに立ち寄れなくはないですね。
一応、参加者のみなさん、それなりに出来たようで、「固まらなかった人?」に反応はありませんでした。
68℃の豆乳100ccに、にがり1.0gと言うシビアな条件でしたが、保健所の方々の手厚いサポートで満足できる結果を得られました(謝)
なお、温度が下がったからと、ニガリを多くしても、固まりはせず、苦くなるだけとのこと。
やはり、豆乳の温度と混ぜ方が重要な、一発勝負のようです。
この辺りから、自然と第三部の意見交換と言うかQ&Aに移りました。
- 大豆は北の方が甘い(みしまやも青森産)。南が美味しくないと言うことではないが。美味しいと思った豆腐屋さんでは、大豆とニガリの産地をきいてみればいいし、ニガリがスーパーで手に入らなければ、豆腐屋さんで売って貰えばよい。教えてくれるはず。(教えてくれないのは、企業秘密と言うより、食の安全的に何か怪しい感じがしますね。材料は重要ですが、豆腐の旨さは、第一部で伺った職人技と経験で決まりそうですしね)
- 自宅で、調整豆乳でも作れなくはないが、無調整豆乳で作るのがよい。(後で、調べたら、固形大豆成分の濃度の違いらしいのですが、無調整の方が濃くて、大豆の風味が強いらしいので、豆腐を使うために、あえて豆乳を買うなら、10%以上の無調整ですね)
- 消泡剤は危なくないのか?昔、アメリカで問題になった時、日本では豆腐に使われると、豆腐に悪いレッテルを貼られたが、現在の消泡剤は自然素材を使って安全だし、(食品衛生法でも)表示不要の食品添加物です。(消泡剤って、知らなかったのですが、豆腐を滑らかにするのに使われる食品添加物らしいです)
- スーパーの油揚げで、油抜き不要と表示されているものがあるが?そもそも油抜きとは、味を染み込ませやすい菜種油で油揚げを揚げることが多いが、酸化しやすい。昔は付け足しが美味いなどと言って(うなぎのタレのように)、油揚げが油で黒ずんでいることもあった。油揚げは油分が80%なので、油の悪い味を消すために、油抜きはした方がよい。油ぬき不要は、(いい油使っています的な)売り口上では?
- ニガリはスーパーで売っているものでよいが、ミネラルがどれだけ含まれているかで風味が変わるので、成分を要確認。
- 食べ切れなかった豆腐の保存方法は?食べ切るのがいいが、余るようなら、残す部分は触らずに、パックに入った(冷蔵庫で冷えたままの)10℃以下の冷水に入れて保存するのがよい。できれば5℃以下。水道水は暖かいので、入れ換えると衛生、鮮度的によくない。でも、翌日には食べないと。
- もちもちした生揚げが流行っているが、材料、作り方の違いは?(生揚げ?と思いましたが、厚揚げのことですね。流行っているの???)凝固剤を確認されてはどうか。
- 昔、鍋を持って豆腐屋さんに豆腐を買いに行くと、お金を触った手で豆腐を取り出していたので、衛生的に気になったが、豆腐屋さんは、水槽の水は冷たくて、たくさんで、流水だから大丈夫だ、と言っていたが本当か?みしまやも”裸売り”していた時もあったが(20、30年前まで)、自分の代で、よくないと思い、パックして、二次水槽で冷やす事にした。この問題は、豆腐屋さんが高齢化して、後継もなく、新しい情報(衛生知識?)が入ってこないこともある。なお、異物混入はある。ステンレスのタワシを使うと、削れた粒子が混入するとはよく聞くので、食物繊維のタワシで、(千切れて)混じってもすぐわかるようにしている。(保健所の方も)水槽の衛生状態、水温、還流しているかなどは検査している。
等々、質問はつきませんが、時間になりましたので、
役所のどなたかの挨拶で終わりになりました。
- 食中毒は夏場に多いが、冬も発生する。ノロウイルスなどで。基本は手洗い。インフルエンザの予防にもつながる。よい食生活を。
昨日も書きましたが、美味しい豆腐に求められる職人技、経験は凄いですね。
まあ、ここまで行かないとしても、ホームベーカリーで作り立てのパンを食べるのと同程度の感動は、
豆乳とニガリから、おぼろ豆腐(よせ豆腐)を作って、味わえそうなので、やってみようかな。
でも、買うかどうか迷っていた、キッチンスケールは必須ですね。0.1g単位で測れるやつが。
それと、温度計か。
揚げ物の時も、ガスコンロの自動調節で対応してきたけど、ついに温度計を買う時が来たかな。
ただ、揚げ物では大丈夫な、数℃の違いが豆腐では命取りだから、こちらもそれなりの精度とかデジタル表示が必要かも。
amazonでチェックしよう。
ではでは