池上優游涵泳

「料理と散歩と仕事で海外」「ベトナム生活あらかると」改め、「池上優游涵泳」として日々を綴っています。

【じんけんカフェ】お肉はつくられる 第1回(後編)

2019-10-18 17:54:54 | 知識・学習

さて、おおた区民大学、【じんけんカフェ】お肉はつくられる〜東京中央卸売食肉市場見学〜第1回の前半を昨日UPしましたので、本日は後半です。

第1回【と場見学事前学習①】差別を超えて〜取材ノートから〜のターゲットは、元朝日新聞論説委員の臼井敏男さん(著書「差別をこえて」)による講演によって、差別について、偏見なく正しい知識をもつことです(おそらく)。

前半のポイントは

  • 差別意識、偏見は存在する。それは、話す人の表情、態度に現れる。
  • 身分制度における上下の差別というより、仏教・神道における「穢れ」の意識が、(動物を殺して)革製品を作る職業に合致した。
  • 指定地区がないことが、差別がないことと同じではない。
  • 差別における「差別」は、何も違いがないのに、違いがあるとすること。

でした。

後半のトピックは

  • 差別の現れ方
  • 東京ではどんな差別事件が起きているのか
  • 差別と屠場差別の関係
  • 2016年成立の差別解消推進法
  • 一人ひとりがすべきことはなにか

主に差別の事例です。

 

3. 差別の現れ方

竹田の子守唄から考える

(歌詞の掲載は省きます。上記リンクからご確認ください)

  • 竹田(京都)に伝わる民謡で、1971年、赤い鳥が歌い有名になった。
  • 子守唄といく唄名であるが、実際は、子守奉公の歌で、学校に行けていないことが推察される。
  • 現在、この唄を歌う、竹田出身の女性合唱団の方に、歌詞にある「もんばめし」とは何かと聞いたら、”おから”であるが、少ないご飯に混ぜて、量を多くするものなので、味付けもなく美味しくない。学校に行くことができず、読み書きも不自由であったと。
  • 差別から生活が貧しくなっている。の人達の責任ではなく、安定した職業に就くことができず、差別と貧困の負の連鎖が発生している。同和対策事業の基本は、経済的な底上げから差別をなくすこと。
  • この歌が、差別の歌と知れた途端、放送禁止歌としてテレビ、ラジオから消えた。放送禁止歌とは猥褻、反社会的な歌であるので、この歌の排除そのものが差別である。(テレビ局、ラジオ局は、差別問題に触れたくなかったのでしょうね)
 

② そこにの人がいないという前提で話が進む

集まりにおいて、そこにの人がいないという前提で、差別、誹謗中傷を聞かされたという愛媛の出身者から聞いた話

  • 愛媛では出身であることを誰もが知っていて、差別を感じることはなかった。話にのぼることもなかった。
  • 大阪に来てサーフィンを始めが、サーフィン仲間は出身と知らないので、当人の前で勝手なことを喋る。
  • 何故、黙って聞いていたのかと質問したら「抗議をすれば、何故ムキになっているのか聞かれて、最後には自分が出身者であると言わなければならなくなる。大阪は自分のことを知らない人だらけ。改めて、どう差別されているかを知って、何も言えなくなってしまった
  • 東京のように全国から人が集まっているところで、皆さんが何気なく話しているのを聞いている中に、出身者がいてもおかしくない。
  • その後、その人は仲間に話したとのこと。黙っていたら差別はなくならないし、差別はなくなったと勘違いされてしまうから。
 

③ 身内がの人と結婚する時の差別

  • 講演会の後、聴講者から「この2つの地名はかどうか教えてくだい」と聞かれた。息子の彼女の両親の本籍地(関西)だが、知り合いから身元調査を勧められたので。
  • 若い男女の自由にさせればいいじゃないですかと答えたが、「でも、気になるから」。身辺調査は差別ですよ、「でも、気になるから」

④ 就職差別(1975年発覚の地名総監事件)

  • 就職する時、本籍を提出していた時代。
  • 地名総監というの地名一覧が発売され、出身者の洗い出し、新入社員として採用しないため、約200社の人事担当者が購入した。購入した企業は、行政指導。企業による取り組みが始まる切っ掛けとなった。
  • 当事者(人事担当者)から話を聞くと「出身者が入社しても、いたとしても何も困らないが、何か起きるのではないかと、、、」そのように考える事が、偏見であり差別である。

⑤ 2012年の週刊朝日の連載記事

  • 当時の大阪市長(橋下さん、とは言いませんでしたが)の父親の身辺調査を行い、出身であることを暴こうとした。
  • 出身と暴くことで社会的評価を貶められると考えることが偏見であり、差別である。
  • 記者の多くは、実際にを取材したことはなく、何を書いたら差別になるか、人を傷つけることになるかわかっていない。差別としての認識が足りなかった。

 

4. 東京ではどんな差別事件が起きているのか

  • 10年ほど前、兵庫県の出身者が、嫌がらせ(買っていない物の請求)や脅迫(死ねという脅迫状)を受けるようになった。
  • 犯人は30代の男性で、との接点はない。動機は、図書館で、解放運動団体のを批判する本を読んだ、ことだけ。
  • 間接的には、近所に、出身者であることを明かすハガキを送りつけていた。ほとんどの人は無視していたが、数人が大家のもとに「出て行って欲しい」と言ってきた。その言ってきた住民に「差別ですよね」と尋ねると、「でも、ハガキが来たから、、、」と。
  • 東京では問題は身近ではない。でも、意識はある。ちょっとした切っ掛けで、事件の形をとって、歯止めが効かなくなる。問題は想定外の事なので、とりあえず排除しようとするのではないか。兵庫には、差別する人もいたが、支えてくれる人もいたとの事。
  • 東京にも戦前、46箇所のがあったが、関東大震災、東京大空襲、大量の人の流入によって、の実態を掴むのが難しくなったと(言い訳)して、東京とは地区の指定をしなかったが、、同和対策事業特別法同様の対策を、東京都の財源で、環境改善事業として、地区を内包する地域(3カ所)に対して行なった。(行えるのだから、実態も掴んでいたはず。認めたくなかったのでしょうかね)
  • 最近は、インターネットでの探しが問題。若い人たちが、差別意識、偏見に染まっている。根拠のない地名を公表し、口汚く誹謗中傷する。(芸能人の発言、韓国などへ批判と一緒か)
  • 不動産会社、建設会社などが、役所に、地区を問い合わせる土地差別調査が時々発覚する。東京で行われているということは、全国で行われていると考えて良い。

 

5. 差別と屠場差別はどんな関係にあるのか。

  • 大阪の南港屠場で働く人に聞くと、の中に屠場があったので、屠場差別=差別。あなたはの人ですか?と聞かれる。
  • 東京の芝浦屠場で働く人に聞くと、屠場差別はむしろ職業差別(穢れ意識)
  • どういう時に差別を感じる(腹が立つか)?
  • 屠場で働いている割には優しい目をしている、と言われる。褒めているつもりかもしれないが、侮辱されている。
  • 動物を殺すのは可哀想だが、人間が生きていくには仕方がないという人。可哀想なことをしている人と見られている。殺される動物は見えているが、屠場で働く人は見えていない。見ないように線を引いている
 

6. 2016年成立の差別解消推進法

同和対策事業特別法は時限立法で、2002年に終了し、それ以降、に関する法律はなかったが、インターネットでの差別の酷さを見逃せないので成立した理念法。

禁止法、規制ではないが、国が法律の形で、差別が存在すると認めたことに意味がある。それによって、自治体が対策に取り組まなければならなくなった。これまでは十分ではなかった。

 

7. 一人ひとりがすべきことはなにか

あの人は自分と違うと線を引く、集団を一括りにしていることが差別につながる。

顔を顔の見える関係を築く。顔が浮かぶと差別はできない。

の人からは「絶対に差別をしないと信用できる人が、周囲に一人でもいたらいいな」と言われた。そういう信用された人間になりたい。

 

以上が、臼井さんのお話でした。

Q&Aもあったのですが、大阪出身を自称する方が、大阪は差別が日常的であったとか、お肉屋さんも出身者なのかとか、橋下さんの話はどういう決着だったのか、など喋って、らっちゃなく(って、方言?)終わったので記載しません。

 

会社での人権研修とか、実はいまいちピンと来ていない感がありましたが、

それこそが、上述の東京では問題は身近ではない。でも、意識はある。ちょっとした切っ掛けで、事件の形をとって、歯止めが効かなくなる。問題は想定外の事なので、とりあえず排除しようとするのではないか。につながることですし、

ピンと来ていないと語ることも、そこにの人がいないという前提で話が進めてしまう過ちにつながることかもしれません。

そうならないために顔を顔の見える関係を築くのは、差別に限らず、人間関係構築の基本で、よくわかるのですが、

インターネットでの誹謗中傷が酷いは、差別に限らず、顔が見えない現代社会の闇なので、

差別はなくすものとして、我々の世代は取り組んできましたが、これからは顔の見えない社会において新たな差別を生み出さないためにはどうするかも、重要な視点ではないかと思いました。

 

来週の第2回は、【公開講座】映画『ある精肉店のはなし』として、映画を視聴するようです。

 

さて、写真(見出し画像)がなかったので、今晩もお気に入りの晩酌(夕飯)セット、枝豆&冷奴です。

 

大好物なのですが、これが続くと、体重減っていくので要注意なのです(苦)

(一時、57kgくらいに増えて回復傾向だったのですが、最近、また減少傾向で、54kg台の日もあったりして、ちょっとヤバイ)

冷奴は、業務スーパーの安いけど美味しい豆腐を水切りして、味の素の顆粒だしを満遍なくかけて、これもまた安い業務スーパーの中国産生姜をたっぷり摩り下ろし、業務スーパーの青ネギをたっぷりかけて(で、醤油をかけて)私の鉄板の出来上がりです。

枝豆は、生憎、業務スーパーのはイマイチなのですが、OKのニッスイが値段が遜色なく美味しいので、それ。お塩たっぷり。

改めて見ると、塩分摂取すごいな、、、健康寿命延伸しなそう(苦)

ではでは


現在までの変遷

「料理と散歩と仕事で海外」として、タイトルの通り、趣味の料理と散歩、そして出張する海外の情報を掲載していましたが、ハノイ赴任となり「ベトナム生活あらかると」でベトナム生活、近隣の国への旅行模様などを掲載するようになり、一時、仕事が忙しく更新が滞りましたが、2017年末に帰任し、2019年から改めて「池上優游涵泳」として、知識探求、スローライフを紹介しています。

ランキング

ブログランキング・にほんブログ村へ