- レ ー ス 参 戦 レ ポ ー ト -
<第 2 回> 2005_1113
木枯らしレース in 加西T&Tサーキット【1】
前回の初体験から半年、自身2回目のレースイベントに参加してきた。今シーズンの公式シリーズレースは既にファイナルを迎えており、我々が参加したのはオフの秋季特別レースといった位置づけのもの。6月は仲間内の4人全員が顔を揃えたが、この日は友人T(MR-4BC)、友人W(XXX-4)の3人でエントリーする。今年の最終レースということもあってか、エントリー台数は2駆が18台、4駆が17台と前回参加時を上回っていた。
今回は通常とは異なる3部構成にてレポートをお送りする。またボリュームが大きくなりすぎてしまった為、前半と後半に分けて全文を掲載。前半ではメンテナンスの詳細から、レース直前の走行チェックまでをフューチャーする。
差し当たっての命題はジャンプポイント周辺の安定性向上。ハイエンド車を操る友人達相手にラップタイムで上回ることは難しい状況なので、彼ら以上にミスを減らす走行を心掛ける必要がある。着地挙動のトリッキーさは、激しい底打ちで車体が跳ね返ることに拠るものと考え、対策として車高上げの細工をいくつか施してみた。
○ダンパーセットの変更
ロアアーム側のダンパー取り付け位置をそれぞれ1段階内側に変更し、フロントは最内側、リアは中央への取り付けとした。前回の走行でリアダンパーには双方で番手の違うオイルが入っている為、ここはもちろん組み直し。ヨコモのソフトOリング(YS-7S、120円)が使えるとの情報があったので、懲りもせず早速手に入れて組み込んでみた。感じとしてはこれまで使用してきたOリングよりかなり柔軟な材質で、ピストンロッドへのフィット性は良さそうだ。
○フロントバンパーの大幅カット
○メカ搭載位置の変更
アンプ、レシーバを進行方向右側へ再配置した。以前は防塵性を重視してテーブルパーツ(A 6&A 8)を使い、センターシャフトの上部に搭載していた(第19回写真参照)が、密閉性の高いライジングストームボディを使うのであれば、それほど神経質になる必要もないかと考えた。テーブルパーツ除去による軽量化、低重心化を狙った処置。 以前にメカ搭載位置の変更でノーコンを誘発した経験 |
今回以降、ボディはライジングストームを使用することにした。これまで使い続けていたエンペラーがバキバキになって来ている事と、ちゃんとしたウイングを装備したかった事が要因。ウイングも重要なセット要素であることを友人Tより説かれ、さすがに無視出来なくなってしまった。
最後にタイヤ。ここの所の気温低下でカチカチ路面はすっかり影を潜め、タイヤへのダメージは大幅に軽減されてきている。そこでずっと使用を控えていたタミヤのスパイヤースパイクを再び装備することにした。このタイヤを履くのは半年振りだが、これまでの経験通りに良好な食いつきを見せるかどうか、正直気がかりではある。
どうも小細工じみたものが多いが、レースを控えてのセットアップは以上で完了。あとは落ち着いて慎重に周回を重ね、彼らのミスを虎視眈々と待つ冷静な走行に徹することが出来るか、だ。
朝も早く、8時前にはサーキットへ到着。しかしながら現場には既に参加者の方々が大勢見えられていた。前日の悪天の影響で路面はマッド。特にゆるい箇所ではほとんどぬかるみといった状態だが、今日の天気なら昼前には乾くであろう。
一方コースレイアウト。到着時には全く変わりばえがなかったのだが、エントリー受け付け前に大規模な改修工事が始まってしまった。しかもそのきっかけは参加者の鶴の一声である。元々自由なイメージのあるアットホームな現場ではあるのだが、コースメンテナンスはオーナーさんの手によるものであると思っていたので、この流れには驚いた。下手糞な我々はレイアウトの変化に一抹の不安を煽られるものの、そこはレーサーのサガか、一方で言いようのない期待感も同居するもの。特に私は前コースにいいイメージを持っていなかったため、内心はほくそ笑みながら作業を手伝った。因みにコースウォールは打ちつけのゴムホースであるため、その気になれば短時間でいくらでも変えてしまえるのである。
結局この突貫工事でどの程度の変貌を見せたのかと言えば、出来上がったのは『全く別のコース』であった。ホームストレートとごく一部が残された他はそのことごとくに手が入れられ、敷地内を斜めに突っ切る新たなストレートが登場。全体としては直線距離増、低速コーナー増のテクニカルコースとなり、1周に要する時間は以前より1割ほど長くなった。
さてこうなるとうかうかしてはいられない。エントリーを済ませ、早速練習走行に臨む。コースへの完熟はもちろん、果たして前日の処置がどの程度功を奏しているのか、わからないなりにも見極めをする必要はある。時間の制約から練習走行は1パックのみであったが、マシンには確実な変化が起こっていた。
まずはタイヤだが、フィーリングとしては久々とも言えるレベルの『バリ喰い』状態。特にステア応答性に劇的な改善を感じる。前回がうんこタイヤでの練習であったことを差し引いても予想以上の好感触で、この時は軽い興奮を覚える…が、結果としてはこの好状況が終日続いてくれたわけではなかった。
次にジャンプ台周辺での挙動。これまた別のマシンかと思うほどの変わりようで、跳躍中の姿勢が前回までとは全く逆になってしまった。以前はスロットルを全開にしていても、やや前のめりの姿勢で着地する場合がほとんどであったのに、この日は同じアプローチでマシンがウイリーよろしく真上を向いてしまうのである。バンパーカット、ウイング装備で重量バランスがリア寄りになったのは確かだが、ここまであべこべになったのはウイングのダウンフォース効果としか考えられない。最初は動揺してしまったが、慣れてしまえば姿勢制御はこの状態の方がイージーなので良かった。
それにしても…私はRCカーのウイングを完全にナメていた。あんなものは1/10では飾りだと信じて疑わなかったからこそ、これまではエンペラーのボディを使い続けていたが、友人Tのアドバイスは全く正しかったのである。これまでずっとリアグリップにハンディを背負って走っていた計算となるわけで、十分なしっぺ返しはくらっていた格好ではあるが…。
着地挙動に関してはこちらも微々たるものながら成果を感じた。ジャンプ台自体のレイアウトが変わっており、果たして車高上げの方策が効果覿面であったのかはあやふやだが、デメリットである重心アップの影響も特に感じないので、取りあえずは良しとしよう。
[第 3 回 に 続 く]
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