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ツアーバスと路線高速バスの本当の違い (3)バリエが豊かなツアーバス

2011-06-20 00:02:28 | 日記
ツアーバスは、路線高速バスと比べてバリエーションが豊かです。

まず、サービス提供者である旅行会社(旅行代理店)により様々な色があります。
また、1社の中においても、様々な特徴の高速バスを提供していることが多いです。

ただ、良く言えばバリエーション豊かなのですが、悪く言えば玉石混交とも言えます。
そういったところは、ふつうの旅行代理店業界と変わりません。

JTBや近畿日本ツーリストのように安心でちょっとお高めの大手旅行代理店もあれば、
地域限定で弱小の(でも価格が安くて、小回りが利く)旅行代理店がありますよね。
また、ツアープランについても、格安プランから豪華プランまで色々あるのが普通です。

ツアーバスでも、同じことが言えます。

WILLER EXPRESSやオリオンツアーのようなツアーバス大手もあれば、
さくら観光や旅の散策ツアーズ、海部観光のような中小企業もあります。

また、デザイン性を重視する会社もあれば、格安便に力を入れる会社もあります。

千差万別です。

つまり、
「ツアーバスって、こうだよね!」
という風に、おおざっぱにくくって説明するのは難しい
のです。

正直、数年前であれば、ツアーバスはこういう感じ、みたいなくくり方はできたでしょう。
でも、いまは非常に難しいですね。
あまりにもバリエーションが豊かになってしまいましたし、
ある点では路線高速バス並みになったり、それを凌駕するツアーバスも増えてきました。

それだけ競争が熾烈(しれつ)だということだと思います。

例えば、あるツアーバスに乗って悪印象を受けたとします。
ですが、他のツアーバスに乗ったら、非常に良い印象を受けることが十分あり得ます。

もちろん、その逆もあります。

具体名を挙げて申し訳ないのですが、例えば、JJライナーの4列スタンダード(東京⇔大阪:4,000円前後)
に乗った後、WILLER EXPRESSのビジネスクラスComfort(2列+1列の1列側席、
東京⇔大阪:9,800円前後)に乗ったら、たぶん同じツアーバスだとは思えないでしょう。

前者は料金に重きをおいたサービスになっていますし、後者はビジネスマンが快適に過ごせることに
重点を置いたサービスになっていますから。
(そうは言っても、後者でも新幹線よりは安かったりするのですが)

ですから、もし、Webなどで
「ツアーバスはこうだ。路線高速バスはこうだ。」
とおおざっぱにくくって書いてある記事を見たら、
数年前の古い情報だ、とお考えください。


例えば、従来、ツアーバスの弱点として、以下の3点が大きく挙げられていたと思います。

[1]安全性
[2]トラブル時の対応の悪さ
[3]バスターミナル/待合室がないこと

ですが、いずれも既に解決しているツアーバスはいくつもあります。

[1]安全性については、WILLER EXPRESSや海部観光(MY EXPRESS)、VIPライナー、
   さくら観光(SAKURA Express プレミアム(2×1))などが提供している
   高速バスのうち、中クラス(ミドルグレード)以上であれば、
   運転手2名交代制が常識となっています。
   これは、JRバス等の路線高速バスと同じです。
   平日の定価(直前予約割引などの特別割引を除く)が6,000円以上のバスは、
   8割以上がそうなっていると言っていいでしょう。
   また、バス整備についても、これらの会社はかなり力を入れていると言って間違いありません。
   VIPライナーは1か月に1度は全車点検を徹底している(法令上は3か月に1回)そうですし、
   海部観光は自ら進んで第三者機関による安全性監査を受け、それにパスしていることを
   Webで公開したりします。

[2]トラブル時の対応の悪さについては、ツアーバスのサービス提供者は
   単なる旅行会社(旅行代理店)なので、乗客とバス運行会社とのトラブルについて
   親身になって解決してくれない、と言われてきました。
   しかし、これはWILLER EXPRESSやVIPライナー、旅の散策ツアーズ等が、
   事実上、自社バスを購入してサービスを提供し始めたり、さくら観光のように
   関連会社(桜交通)のバスを使うことで大きく改善されました。
   一部の格安バスについては、この問題は残っているようですが、
   上記のようなツアーバスを選べば、そういうリスクは簡単に回避できます。

[3]バスターミナル/待合室の問題は、ツアーバスの泣き所ですね。
   そうは言っても、WILLER EXPRESSとVIPライナーは東京や大阪、京都等では
   独自に高級感および利便性の高いバスターミナル/待合室を設けました。
   路線高速バスのバスターミナルで、ここまでレベルの高いものは見たことがありません。
   今月(2011年6月)にオープンした大阪駅のJR高速バスターミナルは
   ロケーションは最高ですが、内容的には両者のバスターミナルにはかなわないでしょう。
   首都圏では、これらの2社のバスターミナルに匹敵する路線高速バスの施設はありません。
   バスターミナル/待合室を重視するなら、WILLERかVIPライナーを選ぶのがいいと思います。


以上のように、[1][2]についてはツアーバス会社(旅行代理店)や便を選べば
問題ありませんし、[3]についても解決しつつあるツアーバス会社もあります。

ちゃんと選べば、何も問題はないのです。

逆に、これらに少し目をつむって、格安のツアーバスを選ぶという考え方もあります。

例えば、旅の散策ツアーのバスは、横2列+1列×縦9列と座席数が少ないのに格安です。
なぜなら、[1]への配慮が多少甘くなっているからです。

他の路線は分からないのですが、東京⇔大阪間について言えば、運転手1名で運行しています。
だからでしょう、旅の散策ツアーズのバスは、サービスエリアでの休憩時間が他のバスより長いです。
運転手が休むために。

料金と快適さを取るか、安全性を取るかは人それぞれですが、運転手が休憩時間を
きちんと取ろうとする姿勢や、旅行条件書にあるトラブル時の損害賠償の支払い条件が緩やかで
乗客へのケアを重視している点を考えると、個人的には旅の散策ツアーズはアリだと思っています。

ですが、そこを譲れないのであれば、多少高くなりますが、さくら観光の
SAKURA Expressプレミアム(2×1)や海部観光のMY EXPRESSを選ぶのがいいでしょう。
また、[3]を譲れないのなら、WILLER EXPRESSかVIPライナーを選べば良いと思います。

このように、ツアーバスには様々な選択肢があります。

快適さや安全性に少し目をつむって、格安便にするか。
コストパフォーマンスとデザイン性を重視して、ミドルグレード便にするか。
可能な限り快適性を求めてハイグレード便にするか。

何に重点を置いて選ぶのかは、自分次第です。
そして、きちんと選べば、様々な選択肢があるぶん、路線高速バスよりも
満足度が高い
と思います。

でも、選び方が分からない、というのであれば、以前にも書いたように
SAKURA Express プレミアム(2×1)」をオススメします。
東京⇔大阪の夜行便です。

快適性も安全性もデザイン性もサービスの質も、全ての面でレベルが高いです。
格安便より多少お値段が張るミドルグレードですが、運転手は2人交代制で
安心です。
価格は6,000円(月→木)~8,000円(週末)が平常価格ですが、直前予約だったり、
楽天トラベル(座席指定はできません)経由なら結構割引になることもあります。

ちなみに、東京⇔大阪間の「プレミアム(2×1)」以外は乗ったことがありませんので、
ご注意ください。
SAKURA Expressにも格安便があり、そちらはおそらく「プレミアム(2×1)」とは
サービス内容等に差があると思います。

SAKURA Expressの弱点は[3]でしょうか。
バスターミナルはなく、決まった集合場所から乗り込む形になります。

後は、トイレがないことですかね。
途中でSAに3回停まるので、個人的にはあまり気にならないのですが、
ここは人それぞれの受け取り方があると思います。


いずれにせよ、ここまでサービスが充実していて新幹線の半額ですからね。
数年前には、とても予想ができませんでした。


じゃあ、バリエーション豊かなツアーバスと比べて、路線高速バスはどうなのか?
それは次回の記事で。