かりんとう日記

禁煙支援専門医の私的生活

ご馳走

2009年03月18日 | がん病棟で
肺がんが背骨に転移して、下半身が麻痺してしまった患者さんがいる。
一日中、寝たきり。
幸い背中の痛みは薬と放射線でおさまり、最近は笑顔が見られるようになった。

でも、起き上がって食べることができない。
毎日、奥様が食事の介助をしてくださっている。
病院の食事以外にも、奥様がおうちで作って持ってきた美味しそうなおかずが並んでいる。

病室を回診したときは、ちょうど夜の食事時間。

『美味しそうですね』と言うと、患者さんがユーモアたっぷりにこんなことをおっしゃった。

「病院の食事はとっても美味しいご馳走ばっかりなんで、たまには、うちの奴のまずい食事が食べたくなってね

脇で奥様も笑っていらっしゃる。

愛情たっぷり、貴重な時間。
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