帯の仕立て教室で、芹沢銈介の風呂敷を名古屋帯に仕立ててみたが、なんだかそれほど気に入らず、ほどいてしまった。
先月他界した両親の納骨が来週控えている。
両親の介護については、弟にまかせっぱなしだった。
ある時、施設に入所していた両親を尋ねた際、弟家族が浴衣姿で両親を見舞っている様子の写真を見つけた。
へえ、弟も浴衣を着たりするんだ・・・というのが写真を見た時の正直な驚きだった。
聞けば、母は弟にも1着だけ着物を仕立てていたそうである。
ならばと、布地箪笥を物色していて、ほどいたまま放置していた芹沢銈介を引っ張り出して、弟のために角帯に仕立て直した。
仕上がってみると、名古屋帯よりも角帯のほうが柄がちょうどはまって、ずっと感じがいい。
お太鼓裏に使っていた別布を、長さ調節のために使用。

義妹と姪っ子にもオリジナル仕立て帯の中から譲ることにした。

型染のほうは名古屋帯を手に入れて、半幅に仕立て直したもの。
もうひとつのほうは久留米絣。
義妹とは1歳しか年が違わないが、永遠の少女のような雰囲気の人で、告別式の時に彼女が持っていたお数珠がピンク色の石だったので、ピンク系の帯を選んだ。
喜んでもらえるといいなあ。