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岡田斗司夫著『いつまでもデブと思うなよ』を読む

2007年08月22日 | 折々の読書
よいタイトルである。向上心あるデブはいつもそう思っている(私も含めて(笑))。必ず痩せてやる...(笑)

しかし,このダイエットはグレードが違いすぎる。117kgから67kgへと1年で50kgの減量。これは凄すぎる。が,著者のダイエット以前の食事が物凄いのだ。いわゆるコンビニ食を中心に欲望の赴くままの感がある。それを「メガ」ダイエットに向かわせたのは向上心であろう。この本の大半は痩せることのフィロソフィーに費やされている。当然である。流行の○○ダイエットをすればよいというお手軽な内容ではなくダイエットの本質を抉る本でもある。いやあ,凄いものである。

凄いのだが,理詰めで緻密である。ダイエットは知的行為であるらしいのである。
ダイエットとはあるべき自分の姿の探求と言い換えてもいいのだろうか。「おお,こんな体型ではなく,もっと別の身体を...」(これは第九の終楽章の冒頭のような(笑))と希求する姿が人生でなくて何であろう。「これを食べて,運動して,こうして,ああして」という分裂症気味なハウツーではなく,その人の本質を変えるような体験がダイエットであり,それを楽しく実行しようというのがこの本の特色である。

ダイエットというよりも解脱,なのかな。『論語』ではないけれど「七十にして心の欲する所に従えども矩を踰えず」のように,食べたいと思っても食べ過ぎることのない精神状態(笑)。食欲を完全に管理下に置いた状態。だが,この境地に達するためには体重,体脂肪,カロリーの記録(レコーディング)の時期を経なければならない。確かに,自分の「食べる」行為のおびただしさに気付き,改心するための助走となるだろう。が,私はそれが苦手だ。

苦手だが,ウォーキングを始めて,毎日平均10,000歩は歩き,食事も少なめにし,酒・間食・ジュース類は遠ざけている。これで2か月間で91kgから88kgほどになった。しかし,それから一向に減らない。コンビニ食などとは無縁なのに。食事記録もいやだ,カロリー計算もいやだ。でも「いつまでもデブと思うなよ」。

■岡田斗司夫著『いつまでもデブと思うなよ』(新潮新書227)新潮社,2007年8月


3 コメント

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40になりまして (かんちゃん)
2007-08-23 07:42:27
 今年で40を迎えたんですが、流石に食べる量が減り嗜好が変わってきています。
焼肉とか中華とか油っこい物は極端に食べれなくなってきました、特にコンビニ食は見た目でNGです(w
野菜>鳥>魚>豚>牛と言う具合です。
 
 これなら特にダイエットなんてしなくても痩せるんじゃないかなぁ~っと思っていたんですが、変わったのは嗜好だけではなく身体の方も変わってきてるようで痩せませんね(w
 きっと『脂肪が燃えにくい身体』に変わりつつあるんじゃないかと・・・( ´・ω・)ショボーン
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解脱 (ひなげし)
2007-08-24 00:45:52
なんだか読んだら悟りが開けそうな本ですね。
おもしろそう。

私の場合、上手くなって精悍なルックスで人前でチェロを弾きたいという妄想が身体鍛錬と減量に駆り立てています。
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新陳代謝 (isis)
2007-08-24 01:13:56
かんちゃん,
40歳で嗜好の変化は早すぎでは?野菜に至る道は,流れ的には正解なのですが。。。時には脂っこいものを思い切り食べたくありません?

ひなげしさん,
解脱に至るまでの懊悩がありすぎかも(笑)。身体と食欲が平衡を保つまでに地球が危ないかも(笑)。ひなげしさんの妄想は正常です。その駆動力を「脂肪が燃えにくい身体」になる前に活かせれば実現可能かと思います。。。
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