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チェロローグへようこそ! 万年初心者のひとり語り、音楽や身の回りのよしなしごとを気ままに綴っています。

『かけはし伊賀七』を観ました

2024年02月03日 | アート

満員御礼だった松戸市民劇場

松戸市民劇団の公演『かけはし伊賀七』を観ました。
からくり伊賀七こと、飯塚伊賀七(1762-1836)は江戸後期に活躍した常総(現茨城県)谷田部(やたべ)の名主で発明家です。名主として地元の面倒を見る傍ら地域のために様々な発明をしました。それは、農業機器のみならず、農地測定のための測量器具やからくり人形、果ては飛行機まで多岐にわたります。
伊賀七の時代は飢饉に見舞われ、一揆も発生した多難な時代でした。発明も趣味や遊びではなく必要に迫られていたのでした。

からくり伊賀七の代表作として知られる柏市の布施弁天鐘楼は、多宝塔式、円形の本体、八角形の石積基壇部を持つユニークな造りです。
劇では、この鐘楼を建立するために活躍する伊賀七をはじめ、宮大工の棟梁や住職、関係者たちのドラマを描いています。実際に、工事には常総や下総の宮大工、職人が加わり地域的なプロジェクトだったようです。常総と下総の「かけはし」になった鐘楼だったというテーマに繋がるのでした。
劇中には知られている伊賀七のエピソードが随所に描かれ、なるほどと思わされます。また、現代ものらしい展開やシーンがあって飽きませんでした。

江戸時代のこの地域に伊賀七のような才能があったことはもっと知られてよいことと思います。その伊賀七の情報源は江戸や領主サロンからもたらされる情報で、水運の発達が文化の伝播に貢献していました。その辺の事情も盛り込まれればもっとよかったかな。まあ、それでは細かすぎると思いますが。
歌あり太鼓ありで、観劇が何十年ぶりという私にも楽しい舞台でした。

『かけはし伊賀七』原作:羽田芳夫、潤色脚本:北野茨、演出・松戸版脚本:石上瑠美子
(千葉県150周年・松戸市80周年記念事業 NPO法人松戸市民劇団創立45周年第92回本公演)
2024/2/3(土) 13:00~、16:00~ 於 松戸市民劇場.

Pentax Q7 /  01 Standard Prime 8.5mm