どうしても、これだけは 写さずには いられません。
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誤解を生じるので、講義内容を書くことは禁止されています。 だけど、この詩は既に出版された 山口先生の著書に載っているものですから、書かせて頂きます。
わたしを見つめてください
山口 健次
あなたがわたしのお父さんなら
赤ちゃんのわたしをじっと見つめてください。
そして微笑んでください。
それだけでいいんです。
わたしの小さい体の中で
勇気と愛の種が
ふくらみはじめます。
あなたがわたしの未来を
照らしてくれるから
わたしは今日も安心して
おっぱいをたくさん飲んで
すやすやと眠れます。
※
あなたがわたしのお父さんなら
わたしとたくさん遊んでください。
おふろに入り 泡いっぱいのタオルで
わたしの体を洗ってください。
言いつけが守れたら
「えらいなぁ よくできたね」と ほめてください。
ひどいわがままを言ったら やめなさい!
ときっぱり言ってください。
だから けっして
どなったり たたいたりしないで!
だってあなたは
正しい生き方を教えてくれる
たった一人のお父さんだから。
お父さんがわたしをみとめてくれるから
わたしはじぶんの道を
見つけはじめることができるんです。
※
あなたがわたしのお父さんなら
思春期のわたしを
注意深く見守ってください。
努力したくても できないとき。
何度チャレンジしても だめなとき。
そして 独りぼっちになったとき。
元気なときも 心を閉ざしているときも
同じように見守って下さい。
苦しさに耐えて出かけるわたしを
わたしの背中が見えなくなるまで
見守ってください。
いざというときは
お父さんが助けてくれる。
そう思うたびに 力がわいてきます。
お父さんとお母さんを支える
わたしになれると
感じることができます。
※
わたしが母親になっていたら
どうぞ この子を抱っこして下さい。
膝に乗せて絵本を読んであげてください。
肩車したり お馬さんになって
遊んであげてください。
泣きべそをかいたときは
「だいじょうぶ いい子だ」
と言って
優しくはげましてください。
そして
幸せに包まれたわたしの笑顔を見て
祝福してください。
そのとき わたしの家族が
すべての存在から 祝福されていることに
気づきます。
※
わたしがあなたの年老いた母親なら
わたしの腕にそっと手を置き
微笑みながら
語りかけてください。
わたしの話を最後まで聞いてください。
愚痴をこぼしても
同じ話を繰り返しても
わたしの手を握り わたしを見つめて
優しくうなずいてください。
もし わたしが話せなくなったら
そのときは あなたの嬉しかったことを
いっぱい聞かせてください。
あなた達の 幸せな顔を
わたしの魂に刻んでおきたいのです。
それがかなえば
長かった人生のすべてを受け容れられます。
この世に生まれ これまで生きてきたことに
心から満足できます。
※
わたしが一人では動けなくなった父親なら
つらかったことも 悔しかったことも
何でもわたしに 吐き出してください。
わたしは充分に幸せな人生を
生きてきました。
失敗もしたし
苦労もかけました。
だからどんな話でも
今は素直に聞くことができる。
愛しいあなただから わかってほしい。
たとえ話せなくなったとしても
最後まで あなた達を見つめ
あなた達の役に立ちたい。
どうぞ 役立ちながら魂の故郷に
わたしを旅立たせてください。
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