マンション管理士日記

地域を守る:マンションと地域の融合

マンションの瑕疵

2006年09月26日 | マンション管理士

マンション管理組合の理事さんから、自分たちのマンションの欠陥が建築上の瑕疵ではないか、と相談されることがあります。

現場を確認して話を聞いていますと、「おや?」 と思うほど低価格で分譲された物件の場合があります。 安いから悪い、とは断言できませんが、材料費や工事費を考えると、不思議に感じることがあります。

マンションの総工費は積算ですから、出来上がったものを安くするということは難しいものです。 それを安く販売するには、工費を低く抑えるしかありません。 工費の削減は、ひょっとすると、手抜きを意味するかも知れないのです。 基礎部分の工事だったり、色々な箇所から鉄筋を一本ずつ抜いたり。

良い(価格に比べて品質が高い)物件が 「安い」 ということは、考えにくいのです。 「安くておいしい物件」 が、実は 「手抜き物件」 かも知れません。

さて。 最近も 「瑕疵」 の相談で現地をチェックしました。 かなり手抜きの可能性が高いと感じました。 分譲会社との折衝について助言しました。

そのときに言ったこと。 「建築物の場合、手抜きがあったら 『一事が万事』 と考えられますよ」。 どこかに手抜きがあれば、全体に手抜きをしているかもしれない、ということです。 一つ手抜きがあれば、別に十や二十の欠陥があると思ったほうがいいと考えます。

建物の仕上げがいいかげんなら、構造でもいいかげんな所があるのだと疑うべきです。 逆に、細部まで気を遣いしっかり造っている建物なら内部も安心できるでしょう。

手抜き工事をするのは、手間をかけるのが嫌なのか、あるいは利益を捻出したいのか、どちらかでしょう。 どちらにしても、手抜きが一部分だけと考える方が不自然です。 むしろ、徹底的に手抜きをしていると疑った方が良いでしょう。

私が、マンションの瑕疵に対して中途半端に妥協してはいけないと訴えるのは、この理由からです。

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