3次元紀行

手ぶらで地球にやって来ました。生きていくのはたいへん。そんな日々を標本にしてみました。

OCMの合唱講座発表会を聞きに行って

2008-08-24 23:25:16 | コンサート
今日、大坂コレギウム・ムジクムが主催する合唱講座in Tokyoの発表会を聞きに言った。発表会というのは、合唱講座を受講した人たちが、最後に勉強の成果を発表する会である。講座の受講は有料だが、発表会の鑑賞は無料だ。
2008年、8月24日、大岡山の日本ルーテル教会で夕方5時から行われた。

合唱講座の指導者は当間修一という人。
catmouseは、この講座をあらりちゃんやらくだちゃんが受講して、24日の発表会に出るというので聞きに行った。そうでなければ合唱講座の存在すら知らなかっただろう。また、合唱をやっているものとして手抜かりなことに、当間修一という人を全く知らなかった。
当間修一は最初に出てきたとき、頭をかきながら出てきた。つい先ほどまで転寝をして、寝起きだという。そして、北海道で公演をしたなどのおしゃべりが多く、なんだか昔catmouseがいた会社の労働組合の委員長みたいな人だ。おしゃべりはいいから早く歌をやれーなどとcatmouseは思っていた。

それが、受講者たちの発表がすすむにつれ、受講者たちが当間先生を信頼し、指導によって合唱を作り上げた成果を聞くにつれ、catmouseは歌の出来とその講評にひきこまれていった。
そして最後に、当間先生が指導している合唱団による歌を2曲きいて、当間修一という合唱指揮者、合唱指導者に対する気持ちががらりと変わった。
久方ぶりに、歌をきいて感動したのだ。
歌はたしかに心を揺さぶる。
歌をきいて、その音色の美しさや声量に感動し、満足することは今までもたびたびあった。
しかし、歌が語りかけるものに揺り動かされることは最近あまりなかった。
壇上で歌っていたのは、中年に手が届く女性たちで、大坂から先生の講座を任意で聞きに来ていただけで、着ている物は普段着で化粧もなくユニフォームもなく、楽譜も揃わなくて3人で一冊づつしかなかった。この日歌うことは予定にはなく、たまたま人数が集まったから先生の要望に答えての演奏となったそうだ。
が、日頃の練習の成果なのだろう。先生の指揮にぴたりと息が合った。

二曲歌ったうちの一曲は木下牧子の「鴎」だった。
この「鴎」をどう歌うのだろう、とcatmouseは固唾を呑んで聞き入った。
「ついに自由はわれらのものだ」
そのフレーズに力があった。
終わった後当間修一は言った。
「たくさんの鴎たちが大空を自由に飛び回っているんだ」
合唱をつくるのは、イマジネーションなんだとその時思った。
ソロのアリアもいいけれどやっぱり合唱はいい。
やっぱり本当の感動は合唱のなかにこそある、とその時思った。