3次元紀行

手ぶらで地球にやって来ました。生きていくのはたいへん。そんな日々を標本にしてみました。

2007-04-27 22:30:17 | 

酒は麻薬だ
酒は、
小さな身体に
つなぎとめられていた魂を
解き放とうとする

魂が
少し抜ける
小さな身体からはみ出す
こんなにも自由だったのか
本当の自分はこんなものじゃない
天井に届きそうだ

が、酒の力はそこまで
もっとたくさん飲んだとて
本当に魂が身体から抜け出すわけではない
むしろ
動かなくなった身体とともに
地べたにはいつくばるだけだ

真の魂の開放は何によってもたらされるのか?
一度からだから解き放たれた魂は
そのあまりの自由さに
二度と身体に戻ろうとしないかもしれない
それを、死、というのか?

酒で
垣間見た開放の感覚
その感覚を求めてまた酒を飲む
酒は麻薬だ
得られるはずのない感覚を求めて
また飲もうとするのだから

人と別れたその後は

2007-04-23 20:23:40 | 

今頃、どうしているのかな、と思ってしまう
人と別れたその後は
その後は

雨が降ったら思い出す
お天気の日も思い出す

会いたいというわけじゃない
会っても話すことはない
今日がすぎて
明日が来る
いつもの毎日が始まり
毎日が終わる

今までだって
会わないことはけっこうあった
そこにいない
それだけだ

そして今
どうしている?

そうなんだ
今頃どうしているのかな と思ってしまう
人と別れたその後は
その後は

メルヘン「ぼくの友だち」より *** 春色の詩・タンポポ ***

2007-04-22 09:01:05 | 
catmouseが昔、友人のかのとどりくんに送った年賀状には
へたくそなタンポポの絵と、一ぺんの詩が添えられていました。

ぼくはタンポポのタネ
風吹けば天に舞い上がる
どこに着こうと
その場所に根を張り
芽を伸ばし
花を咲かせよう
その地が心にそまなかったら
また再びタネをとばし
ついには
約束の地で
こころざしの実を
むすぼう

「えー、ぼく、こんな詩を書いていたんだ。あおいなあ」
かのとどりくんは聞きとがめて言いました。
「これがあおいというなら、今のきみは何色なんだ。いまならタンポポをどんな風に書くんだ?」

相田みつを 「その人」に

2007-04-01 11:48:22 | Weblog
「その人の前にでると
絶対にうそが言えない
そういう人を持つといい」
とあなたは言う

けれど……わたしは…

両親にもうそをつく
配偶者にもうそをつく
子供にもうそをつく
友達にもうそをつく

自分をまもるために
    (錯覚かもしれない)
相手を傷つけないために
    (独りよがりかもしれない)
その場をのがれるがめに
    (その場しのぎかもしれない)

しょっちゅう小さなうそをつく
ときおり大きなうそもつく

深謀遠慮と思いつつ
浅はかにもうそをつく
自分にさえもうそをつく

ましてや、うそをつけない
「その人」などもてようか