酒は麻薬だ
酒は、
小さな身体に
つなぎとめられていた魂を
解き放とうとする
魂が
少し抜ける
小さな身体からはみ出す
こんなにも自由だったのか
本当の自分はこんなものじゃない
天井に届きそうだ
が、酒の力はそこまで
もっとたくさん飲んだとて
本当に魂が身体から抜け出すわけではない
むしろ
動かなくなった身体とともに
地べたにはいつくばるだけだ
真の魂の開放は何によってもたらされるのか?
一度からだから解き放たれた魂は
そのあまりの自由さに
二度と身体に戻ろうとしないかもしれない
それを、死、というのか?
酒で
垣間見た開放の感覚
その感覚を求めてまた酒を飲む
酒は麻薬だ
得られるはずのない感覚を求めて
また飲もうとするのだから