7月のある日、ヘンデルのオペラ、「アルチーナ」を聴きにいった。
ヘンデルがどんな作曲家かすぐに答えられない人でも、メサイアと言えば、「ああ」といい、「メサイア」で思い出さなくとも「ハレルヤコーラス」といえば歌ったことのある人がいくらでもいるだろう。くわしくはウィキペディアに解説をゆずろう。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%AB
さて、ヘンデルのバロック・オペラ、アルチーナの初演は1735年の4月。当時はそのシーズンだけで18回も上演される人気作だったそうだ。日本では初演なのかな?プログラムをひっくり返してみたけれど、そうとは書いていない。でもほとんど初演くさいな。
そして、このオペラ、東京室内歌劇場39期116回定期公演、平成19年度文化庁芸術創造活動重点支援事業、第23回<東京の夏>音楽祭2007参加公演。という長たらしい肩書きがつく。
しかし、長たらしいだけのことはあった。
Catmouseが聴いた15日の出演者は出口正子、小畑朱美、幸田浩子、背戸裕子、近藤政伸、春日保人、丹藤麻砂美。こう書けば、知る人ぞ知る、実力者ばかり。
でも、catmouseはあまり知らなかった。知らなかったので驚いた。
すごい!
出口正子さんは今、ひっぱりだこの人気者だそうだが、何しろ、オペラ歌手というのは、劇場に足を運ばなきゃ聴くことができないので、はじめて聴いた。
声はドラマティコといっていいのかな、そう軽い声じゃないのに、よくころがるのだ。
役柄は女王でしかも魔女。男をたぶらかし、恋をし、怒り、罰を与えるというどぎつい役どころ。声はお腹のそこから湧き出るような強い、はりのある声で、それなのにバロックの特徴でもあるメリスマをよくころがり、そしていくつもの音階を飛び越える。(プログラムには10度を飛び越えるとあった)
一曲歌い終わるごとに、拍手、拍手だった。
幸田浩子さんはレッジェーロかな。高音がすきとおるようなコロラトゥーラ。ものすごく、かわいい。役どころのモルガーナは女王の妹。自由でわがまま。ちょっといい男が現れるとふらふらと浮気をし、前々からの恋人をあっさりとふってしまう。ふられたオロンテという恋人は、「もどりたい、といっても許さないぞ。おんなじことをいって仕返ししてやろう」とひそかに思い、その時がやってくるのだが、かねてのもくろみどおり「もどりたいだなんて、許すものか」と歌うが、もういつまでもその意地ははれないというのが手に取るように伝わってきた。
歌を一曲、一曲楽しむうち、あっというまにオペラは終わってしまった。
アルチーナ。再演はそうそうないだろう。だって、このオペラ、歌うのが相当むつかしそうだもの。下手な人が歌うと、まったく面白くないオペラになってしまうと思う。
出口正子さんのあとを歌うのはちょっとおそろしいぞ。
ヘンデルがどんな作曲家かすぐに答えられない人でも、メサイアと言えば、「ああ」といい、「メサイア」で思い出さなくとも「ハレルヤコーラス」といえば歌ったことのある人がいくらでもいるだろう。くわしくはウィキペディアに解説をゆずろう。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%AB
さて、ヘンデルのバロック・オペラ、アルチーナの初演は1735年の4月。当時はそのシーズンだけで18回も上演される人気作だったそうだ。日本では初演なのかな?プログラムをひっくり返してみたけれど、そうとは書いていない。でもほとんど初演くさいな。
そして、このオペラ、東京室内歌劇場39期116回定期公演、平成19年度文化庁芸術創造活動重点支援事業、第23回<東京の夏>音楽祭2007参加公演。という長たらしい肩書きがつく。
しかし、長たらしいだけのことはあった。
Catmouseが聴いた15日の出演者は出口正子、小畑朱美、幸田浩子、背戸裕子、近藤政伸、春日保人、丹藤麻砂美。こう書けば、知る人ぞ知る、実力者ばかり。
でも、catmouseはあまり知らなかった。知らなかったので驚いた。
すごい!
出口正子さんは今、ひっぱりだこの人気者だそうだが、何しろ、オペラ歌手というのは、劇場に足を運ばなきゃ聴くことができないので、はじめて聴いた。
声はドラマティコといっていいのかな、そう軽い声じゃないのに、よくころがるのだ。
役柄は女王でしかも魔女。男をたぶらかし、恋をし、怒り、罰を与えるというどぎつい役どころ。声はお腹のそこから湧き出るような強い、はりのある声で、それなのにバロックの特徴でもあるメリスマをよくころがり、そしていくつもの音階を飛び越える。(プログラムには10度を飛び越えるとあった)
一曲歌い終わるごとに、拍手、拍手だった。
幸田浩子さんはレッジェーロかな。高音がすきとおるようなコロラトゥーラ。ものすごく、かわいい。役どころのモルガーナは女王の妹。自由でわがまま。ちょっといい男が現れるとふらふらと浮気をし、前々からの恋人をあっさりとふってしまう。ふられたオロンテという恋人は、「もどりたい、といっても許さないぞ。おんなじことをいって仕返ししてやろう」とひそかに思い、その時がやってくるのだが、かねてのもくろみどおり「もどりたいだなんて、許すものか」と歌うが、もういつまでもその意地ははれないというのが手に取るように伝わってきた。
歌を一曲、一曲楽しむうち、あっというまにオペラは終わってしまった。
アルチーナ。再演はそうそうないだろう。だって、このオペラ、歌うのが相当むつかしそうだもの。下手な人が歌うと、まったく面白くないオペラになってしまうと思う。
出口正子さんのあとを歌うのはちょっとおそろしいぞ。