「どす黒い気分になるぜ」
先日、Kと渋谷CQNで『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』を鑑賞しました。
荒木飛呂彦の人気漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の記念すべき第一部をアニメ化したものです。
-----<以下、ネタバレあり。そして『ジョジョ』のおはなし>-----
ジョジョファンの方々には釈迦に説法でしょうが、一応あらすじを。
19世紀末、イギリスの貴族ジョースター卿の息子、ジョナサン・ジョースターと、ジョースター卿の養子となったディオ・ブランドーの数奇な運命を描いた物語。
ジョースター家の乗っ取りを画策するディオは、ジョナサンを押しのけて遺産を独占しようとするも、ジョナサンの逆襲にあい計画を頓挫する。
数年後、成年となったディオは今度はジョースター卿の殺害を謀るのだった。
人類を吸血鬼へと変身させる古代アステカ文明の遺物「石仮面」の力により不老不死となったディオは、ジョースター卿を惨殺しジョナサンの殺害を図るも、ジョナサンの捨て身の逆襲により退却。
その後、生者を屍生人に変えて世界を支配しようと目論むディオに対し、ジョナサンは、謎の男ツェペリ男爵から「波紋法」という特殊能力を修得し、ディオとの決戦に臨むのだった…
とりあえず悲しい気持ちになった点を箇条書きにしてみます。
・クールなスピードワゴンは出てこない
・ダイアー&ストレイツォも出てこない
・切り裂きジャックも(以下略)
・タルカス&ブラフォード、3秒ほどで瞬殺
・ツェペリさん、ダイアーの代役で薔薇の波紋一閃!→リタイア
・ジョースター夫妻を乗せた船、イギリスから太平洋に出港(理解「不」能!)
・ジョナサン、屍生人もいないのに船を爆破炎上させる(乗客は巻き添えに…)
・無駄に冗長な演出の割に重要なシーンは悉くカット
・もちろん素敵なセリフ群もカットまたは改変
はじまってから1分ほどで早くも危険な香りが漂い始めましたが、まごう事なき失敗作。
のっけから主人公ジョナサンのライバルたるディオがジョースター家を侵略する動機、理由が描かれていないため、ただジョナサンに嫌がらせをするただのいじめっ子に成り下がっています。
さらに原作で圧倒的な威力を見せつける吸血鬼ディオ、本編では登場シーンがことごとく敗北シーンなので、タダのへタレにしか見えません。
対する主人公ジョナサンも、紳士としての気高い正義感は全く表現されず、ただのお人よしのボンボンに。
また本編のヒロインにして、原作ではルノワールの絵画的な美しさで読者を魅了したエリナ・ペンドルトンは、「だれだこの骨張った女?」という程に醜く劣化しています。
個人的にジョジョの最大の魅力は、敵と戦う際の頭脳戦・心理戦に尽きると思うのですが、本作ではそれを全く考慮せず、ただぶん殴って倒すだけというお粗末極まりないもの。
二転・三転する展開にドキドキハラハラする戦闘シーンは、全てカットされてしまいました。
私は常々原作と映画は別モノと考えているので、相当かけ離れていても独立した作品として面白ければそれで良し、と考えている人なのですが、それにしても本作はひどすぎる。
本作品がジョジョの名を冠して世間に流通することを思うとゲロ以下の気分になります。
義憤の念を禁じえません。
作品が駄作となった原因は尺が短すぎたことにつきますが、最大の問題はオリジナルに対する愛が無さ過ぎることでしょう。
それでもなんとか良いところを探そうと思ったら、Soul'd Outの人が割と一生懸命エンディングテーマを作ってました。
ライムにジョジョの関連用語を盛り込んでいるようで、「作品の主題歌」として頑張って創ったじゃないの…と好意的に評価したい。
ただ、19世紀イギリスを舞台とした作品には驚くほどマッチしていませんが…。
(ジェーン・オースティン作品のエンディングにラップを流しているようなもの)
せめて5部あたりなら問題なかったのでしょうが。
20年眠っていた名作を掘り起こして無残に引き裂いた大駄作でした。
救いは友人と1,000円の日に見に行ったことでしょうか。
一人で1,800円出していたらきっと立ち直ることはできなかったでしょう。
コアなファンを失望させ、原作を知らない一見さんには話の意味がわからないであろう本作品。
絶望したいジョジョファンには観に行くことをお薦めします。
地獄門をくぐる心持ちで劇場に足を運んでください。
「この作品を観る者は一切の希望を捨てよ」
以上、おせっかいなレポートでした。
先日、Kと渋谷CQNで『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』を鑑賞しました。
荒木飛呂彦の人気漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の記念すべき第一部をアニメ化したものです。
-----<以下、ネタバレあり。そして『ジョジョ』のおはなし>-----
ジョジョファンの方々には釈迦に説法でしょうが、一応あらすじを。
19世紀末、イギリスの貴族ジョースター卿の息子、ジョナサン・ジョースターと、ジョースター卿の養子となったディオ・ブランドーの数奇な運命を描いた物語。
ジョースター家の乗っ取りを画策するディオは、ジョナサンを押しのけて遺産を独占しようとするも、ジョナサンの逆襲にあい計画を頓挫する。
数年後、成年となったディオは今度はジョースター卿の殺害を謀るのだった。
人類を吸血鬼へと変身させる古代アステカ文明の遺物「石仮面」の力により不老不死となったディオは、ジョースター卿を惨殺しジョナサンの殺害を図るも、ジョナサンの捨て身の逆襲により退却。
その後、生者を屍生人に変えて世界を支配しようと目論むディオに対し、ジョナサンは、謎の男ツェペリ男爵から「波紋法」という特殊能力を修得し、ディオとの決戦に臨むのだった…
とりあえず悲しい気持ちになった点を箇条書きにしてみます。
・クールなスピードワゴンは出てこない
・ダイアー&ストレイツォも出てこない
・切り裂きジャックも(以下略)
・タルカス&ブラフォード、3秒ほどで瞬殺
・ツェペリさん、ダイアーの代役で薔薇の波紋一閃!→リタイア
・ジョースター夫妻を乗せた船、イギリスから太平洋に出港(理解「不」能!)
・ジョナサン、屍生人もいないのに船を爆破炎上させる(乗客は巻き添えに…)
・無駄に冗長な演出の割に重要なシーンは悉くカット
・もちろん素敵なセリフ群もカットまたは改変
はじまってから1分ほどで早くも危険な香りが漂い始めましたが、まごう事なき失敗作。
のっけから主人公ジョナサンのライバルたるディオがジョースター家を侵略する動機、理由が描かれていないため、ただジョナサンに嫌がらせをするただのいじめっ子に成り下がっています。
さらに原作で圧倒的な威力を見せつける吸血鬼ディオ、本編では登場シーンがことごとく敗北シーンなので、タダのへタレにしか見えません。
対する主人公ジョナサンも、紳士としての気高い正義感は全く表現されず、ただのお人よしのボンボンに。
また本編のヒロインにして、原作ではルノワールの絵画的な美しさで読者を魅了したエリナ・ペンドルトンは、「だれだこの骨張った女?」という程に醜く劣化しています。
個人的にジョジョの最大の魅力は、敵と戦う際の頭脳戦・心理戦に尽きると思うのですが、本作ではそれを全く考慮せず、ただぶん殴って倒すだけというお粗末極まりないもの。
二転・三転する展開にドキドキハラハラする戦闘シーンは、全てカットされてしまいました。
私は常々原作と映画は別モノと考えているので、相当かけ離れていても独立した作品として面白ければそれで良し、と考えている人なのですが、それにしても本作はひどすぎる。
本作品がジョジョの名を冠して世間に流通することを思うとゲロ以下の気分になります。
義憤の念を禁じえません。
作品が駄作となった原因は尺が短すぎたことにつきますが、最大の問題はオリジナルに対する愛が無さ過ぎることでしょう。
それでもなんとか良いところを探そうと思ったら、Soul'd Outの人が割と一生懸命エンディングテーマを作ってました。
ライムにジョジョの関連用語を盛り込んでいるようで、「作品の主題歌」として頑張って創ったじゃないの…と好意的に評価したい。
ただ、19世紀イギリスを舞台とした作品には驚くほどマッチしていませんが…。
(ジェーン・オースティン作品のエンディングにラップを流しているようなもの)
せめて5部あたりなら問題なかったのでしょうが。
20年眠っていた名作を掘り起こして無残に引き裂いた大駄作でした。
救いは友人と1,000円の日に見に行ったことでしょうか。
一人で1,800円出していたらきっと立ち直ることはできなかったでしょう。
コアなファンを失望させ、原作を知らない一見さんには話の意味がわからないであろう本作品。
絶望したいジョジョファンには観に行くことをお薦めします。
地獄門をくぐる心持ちで劇場に足を運んでください。
「この作品を観る者は一切の希望を捨てよ」
以上、おせっかいなレポートでした。
または怒ってる?
まだ観に行っていない私が来ましたよ。
だって、キングクリムゾンを発動させずとも、
駄作の予知が容易だったんだもの…。
↓このような情報もあったし…。
http://d.hatena.ne.jp/kasindou/20070221#p3
前売特典の石仮面ストラップはちょっと欲しかったけど…。
旦那が観にいく気満々だったので、全力で阻止しようと思います。
全くもって怒り心頭ですよ。
上映後、館内には嘆息がそこかしこから聞こえたような。
accoさんがJOJO未見なら、こんなの見ちゃダメ。
お気をつけあそばせ。
ま、そういう前情報は聞き知っていて、覚悟して観に行ったんだけどね。
「覚悟が道を切り開く!」
…という訳にはいかなかった、残念ながら。
石仮面ストラップはいいけど、この映画を3回位観るとピンズがもらえるらしい。
三度拷問されてその程度かよ…という気もします。
旦那さんが秘かに観に行って、帰宅後グレイトフル・デッドをくらったかのように一気に老化してしまったら、献身的に介護してあげてください。
というか私のページ見られるようになったんだ!?
画像をちょっと圧縮する程度の努力しかしてないんですが。。
はっきりいってレンタルでも観る価値なしッ!
ただ私も自らの傷を癒すため何人かの人身御供が欲しいので、是非観に行こう。
そして絶望せよ。
あ、今度遅い新年会しましょう。
いやね、そこが更にムカつくところなんですけど…。
本作ではリサリサを救出してないのよ(怒)
なのでジョセフの母もその育ての親も登場してません。
そのくせ、あわよくば続編につなげようとする節が感じられるのが余計に許せん!!