原題 Everest
この映画、単にジェイク・ギレンホールが出演しているという事だけで劇場まで見に行きました。上田市のTOHOシネマでは夜一回だけの上映の映画ですが、土曜日という事で結構お客さん入っていて、びっくり!
はっきり言って、前知識0%で見に行ったこの映画。冒頭、日付が出てくるのでこれはもしかしたら実話かもと判断。そういえば、ツアーコンダクターみたいな登山家のロブ・ホールって名前、どこかで聞いたような¥気がする、と思いながら映画を見ていました。そして1996年という年号で、もしかしたらあ¥の遭難事故の映画か、とあらためて悟った訳です。
私もうっすら覚えていたこの遭難事故ですが、詳細は殆ど知りませんでした。遭難した人の名前すら知っていません。
ので、ジェイクの演じている人は誰だっけとか、この人とあの人はどこの誰だっけ、という具合で、映画を見るというよりは登場人物の人間関係を整理するので大変でした。
出演している¥皆さん、同じような格好しているし、男ばっかりだし、また3D用の眼鏡だと画面が暗くなってしまい、雪の景色の中を登山中のところなんか、誰が誰だか殆どわからず状態。
山岳アドベンチャーアクション映画という訳ではない地味な作りで、殆どドキュメンタリーのような映画なので、登場人物とその関係などの前知識が絶対必要な映画だと思いました。
良くわかったのは女性陣です。
またエベレストという山の事も良く知らないので、救出の場面でどこそこに酸素ボンベを置いたとか、いろいろな地名が出てきますが、エベレストの登山道などの名称も知っておくべき、とも思います。
ブログ「一日の王」のタクさんも、この映画の事を書いていらっしゃいますが、私が抱いた感想と同じような事を書いていらっしゃって、思わず笑ってしまいました。
実際、頂上で何が起こったのかは良くわかっていないのだと思いますが、ロブ・ホールガ遭難してしまった原因が、今回2回目の登攀のダグを頂上に立たせたいという思いから、というように描いていますが、本当にそうだったのか、とても疑問。
ロブは出発前、2時には何があっても必ず下山すると言っていたのに、ダグに懇願され、2時を大幅にすぎてしまったのにダグと一緒に頂上に向かいます。そのため、その後に恐ろしいほどの吹雪に巻き込まれ、下山出来なくなってしまうのですが、なぜ、ダグに帰らなければダメだと強く言わなかったのでしょうか?2時前に下山していれば、まだ助かるチャンスがあったのに、と思ってしまいます。
ロブの任務は、ツアーのみんなを頂上に立たせ無事に下山させる事だ、と言っていたはずなのに。。
でも、その前に下山を試みた人も、誰かが滑落したためにそれに巻き込まれてしまい何名かは命を落としてしまいます。
その中で奇跡的に生還出来た人がテキサスから来たベックです。助けにきた人にも見捨てられ、一晩を雪の中で過ごしたはずなのに、奇跡的に意識を回復。自分で歩いてキャンプまで、って本当に奇跡としか言いようがありません。仮死状態だったのでしょうか。
またロブは8000M以上でも酸素なしの場面が多くあるのですが、これは本当??酸素使わないで登ったのでしょうか?
でも遭難した人の多くが、頂上アタック後だったので、それは救いだと思います。夢にまで見た頂上に立てた訳ですから。
撮影の多くの部分は標高4876Mで行われたという事。俳優さんたちも自分で自分の荷物を持って、という状況だったようです。体力勝負の撮影も大変だった事でしょう。
ロブと奥さんのジャンはロブの遭難後、3回衛星電話を通じて会話するのですが、その最後の会話にはとても泣かされます。実際の話では、ジャンは1回目の電話で、ロブにはチャンスがないと悟ったそうです。電話で、こんなに近くに元気に声が聞こえるのに助けに行かれない、というもどかしさは、実際に経験した人でなければわからないでしょう。
このときのジャンは妊娠中でした。そのときのお子さんがサラ。そのサラの現在の映像が映画の最後に流れます。
とても可愛いお嬢さんです。ロブのお子さんらしく、15才でキリマンジャロに登ったり、エベレストのベースキャンプまで行った事もあるそうですが、その近くというか、お父さんのロブがまだそこにいるんですね。
山の美しさ、厳しさを教えてくれる映画です。絶対に山を舐めてははいけないという教訓。
前知識を持ってから映画館で見ないとだめですよ。
という事で評価は
🍎🍎🍎
です。
追加ーーイッテQ!のイモトがこのエベレストに挑戦する、という事もありましたが、雪崩で中止。今回の映画を見て、イモト、本当に登らなくって良かったのではないかと思ってしまいました。エベレストは他の山とは違いすぎる印象です。
映画『エベレスト 3D』 特報