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深く静かに潜航せよ

2014-07-27 15:09:37 | 読書
深く静かに潜航せよ (柏艪舎文芸シリーズ)
エドワード・L. ビーチ
柏艪舎


初版 2008/3

この単行本の初版は2008年になっていますが、原作は1955年に発表されました。当時、世界的大ベストセラーになったとか。この本が元になって、1958年にクラーク・ゲーブルが主役になり映画化されています。

海洋冒険小説の金字塔とも言われているこの小説。
潜水艦と水上艦との攻防シーンは息をのむほどハラハラし、その合間に描かれている、主人公の淡い恋愛にもハラハラし、というように一気に読めてしまう内容です。

アメリカ軍の戦う相手は「豊後ピート」と名付けられている日本の軍人。その日本人によって、次々と沈められてしまうアメリカの潜水艦。最後は結局はアメリカが勝つ訳ですが、豊後ピートとはどのような人間なのかという事は全く描かれていないのです。わかっているのは的確な判断力と攻撃力と情報収集能力を兼ね備えた素晴らしき軍人だと言う事。
すべてはアメリカ側から描かれている小説です。その見えない敵に向かっていく、という事がハラハラドキドキします。

最後にはその豊後ピートもアメリカ軍に負けてしまう訳ですが、これは戦争中ですから、しょうがありません。

また、表紙裏に描かれている潜水艦の絵をみても、現在と当時の潜水艦の構造がだいぶ違うようなので、その違いを理解しながら読むのも楽しいです。

かわぐちかいじの「沈黙の艦隊」から始まり、潜水艦ものが好きな私にとって、こういう内容の小説は「待ってました」というくらいの本です。潜水艦ものがお好きな方にオススメです。
潜水艦ものが好きという人にも、日本ではこの本が出版されるまで翻訳本が出た事がなかったので、この小説の存在はあまり知られていなかったようです。

日本軍とアメリカ軍の潜水艦の戦いが描かれているという事が原因があるとか。
映画も日本では未公開ですね。1958年の映画でこの内容では、公開がなくてもしょうがない、でしょう。

DVDは発売されているようなので、今度は映画化された作品も見てみたいです。
クラーク・ゲーブルがこの主人公役ってちょっと重たい感じがしますが、実際はどうなんでしょう。
情報によると、原作と映画の内容にかなり違いがあるようなので、あまり期待しない方がいいのでしょうか?