10/17の筑波TT TN-1クラスにエントリーしていますが、実はその日までまったく練習枠がとれませんでした。なんて話をしていたら、mi007さんから「ホットチョコまだ空いてるみたいですよ」と教えてもらったので参加。20分×3本で1万7000円ですから、筑波サーキットライセンスのない方にはお得かなと思います。
ただ、690DUKEのようなパワーのないバイクでリッターバイクに混じって走るとなると、タイムを狙うような走りは無理なので、コーナー毎に課題を決めた練習をするように割り切る必要がありますね。
この日は「バンクさせながらのブレーキング」を練習すると決めて、少しずつ「出来るかも?」という感覚が得られるようになって来ました。
3本目には何故かクリアがとれかけたので、「アタックする?」と思ってペースを上げ始め、それまで9秒~12秒だったのがすぐに8秒5になったのはいいけれど、それからすぐにダンロップで「シャラシャラ」ってFRPのささくれた断面をこするような異音と、「シャラ~ン」という軽い金属音が。続いて排気音もおかしくなったので、「こりゃ何かパーツが脱落したな」と思い、MCを切り返したところでそのまま右に寄せ、パドックに。
んで、走りながらマフラーを見たら、なんとサイレンサーがエキパイから外れ、ステーからバンドだけでぶら下がっている状態。直管状態になったエキパイはサイレンサーに押されて大きくアウトに張り出しており、一部接地して擦過傷が入ってます。しかも、手で戻そうとしてもビクともしないし。危ない危ない、これ、音を気にせずにそのまま走ってたら最終コーナーで接地して吹っ飛んでいたかも。やれやれ命拾い。
サイレンサー外れの原因は自分自身の整備ミスです。先日トミンを走ろうとエンドバッフルをつけたのだけれど、結局はTuonoを持ち込んだのでDUKEでは走らず…ということがあったのですが、今回の筑波では不要なバッフルを朝に急いで外していたら、ネジをカーボンエンドキャップの中に落っことし、サイレンサーを外してネジを取り出していたのでした。その時に外したマフラースプリングをかけ忘れていた為に、サイレンサーが脱落したという流れ。
なんとかかんとかエキパイを弁当箱から外したところ、幸いに変形はしておらず、モリブデングリスを塗ったら普通に組めました。被害といえば、もとから傷物のエキパイに少し傷が増えたくらい。せっかく自己ベスト更新できそうな気配があったのに、走行時間を10分も残してパドックに戻って来たのは残念だけど、最終コーナーで吹っ飛んでいたらタダゴトでは済まないので、無事で良かったとアッサリ割り切りました。
とはいえ、行列の後ろについて走っただけの1本目・2本目、ペースを上げ始めたらすぐ終了の3本目ってことだと流石に不完全燃焼なので、トミンにハシゴ。途中でライコランド土浦店に立ち寄ってマフラースプリングを買ったりしていたら、コースイン出来たのは14時過ぎになっちゃいましたが、コースイン直後に28秒0、12周目に27秒9が出ました。
まずまず調子いいじゃない?と思いつつ、しばらく28秒0を連発していたものの、そこから全然タイムが上がらず、何十周走っても28秒2~3。
日が傾いて来た所で「今日が4回目なんですよ」ってS1000RRのライダーさんとお話ししていたのですが、ちょうどライディングポジションの話になり、「そういえば自分もちゃんとやんなきゃだよね」と下半身ホールドを見直したら、以前の感覚が少し戻って来た。そうだった、新型は大きくハングオフしないといけなかったんだよね。
大きく股関節を開いてしっかりハングオフ。両ケツがシートから落っこちて、座面よりも低い位置になるように心掛ける。頭はステアリングポストの延長線上ではなくて身体ごと大きくイン側に入れ、その体全体もバイクから離れて出来るだけイン側にいるようにして、バイクを外足の太腿の下で遊ばせる感じ。んでもって、バンクさせながら主制動させるんだったよね。
って走ってたら、「あ、そうだった。入り口で膝擦らなきゃ」って思い出したんだが、バンクさせながら主制動していると安定した状態でしっかりバンクさせられるので、上述のフォームだと入り口で簡単に膝が擦れる。だけじゃなくて、入り口でいい感じで曲がるし(特に最終がビックリするくらい曲がる)、クリップ付近のブレーキリリース直後の「向き換え」もスムーズにやれる。おお、なんかこのバイクの乗り方ちょっと分かって来たんじゃない?
そういえば以前のエントリーで、「バイクの中心線と身体の中心線を合わせるとバイクの挙動が把握しやすくてイイ感じ」って書いたのだけれども、新型DUKEに関してはこれが当てはまらない気がしますね。この年齢になってライディングスタイルを大幅に変更するのってかなり大変なんだけど、世界チャンピオン9度のV.ロッシですら36歳にして自らのスタイルを近年のバイクに合わせて変えるって努力をしてるってのは、レベルは違えど励みになりますな。もっともこちらは36歳じゃなくて、彼のゼッケンくらいの年だけど(苦笑)。とはいえ、「人車一体」スタイルでバイクの挙動を知ることが出来たという経験があるからこそ、身体から遠い位置でもバイクの自然な動きを損なわないように扱うことが出来るわけで、旧型Dukeで練習した経験の蓄積がなければ、今つかみかけている感覚は一生分かんなかったんじゃないかな。
さて、「入り口で膝を擦る…」とブツブツやっていたら、28秒3-4だったタイムが28秒1程度にまとまってきたんだが、そのうち「ん?そういや左は入り口で膝擦ってねえなあ」と110周を過ぎたあたりで思いつき、右と同じような操作を試していたら27秒台で連続周回するようになりました。ベストラップはコレ。
トミンをキットパーツ組み込みのDUKE-Rで走るのは7/20以来。このときは27秒747だったので、キット付きでのベスト更新は出来ていませんが、体力ヘロヘロになった後で楽に出せたことと、このバイクに乗り始めて1年半がかりでやっと「曲がりながら減速」「入り口で膝を擦る」が出来るようになってきたのが嬉しい。「バンクさせてからブレーキをドンドン握り込んでゆく」なんて操作はDUKE-Rに乗り換えるまでトライしたことがなく、「雲の上の人たち」のテクニックだと思っていたんだけれども、新型DUKE-Rだとこんな自分でも出来るんだってことがわかりました。つーか、出来ないとタイム出せないって話でもあるんだけどね(苦笑)。
タイムとは関係ないけど、左からの立ち上がりでポンポンフロントがリフトするようになったのも楽しい。Dukeに乗り始めて以来、2速でのパワーウイリーは今までになかったことですから、それなりに開けられていることと、ハイカム装着でトルク変動が大きくなっていることとが関係しているのでしょう。
タイム自体は大したことないけど、今まで出来なかったことが少し出来るようになったりもして、全身に心地よい疲れを感じながらの帰宅になりました。「曲がりながら減速」をしっかりマスター出来たら、極端に苦手だった筑波1コーナーも走りやすくなるでしょうし、これまた苦手の進入でのオーバーテイクも改善出来るかも知れないので、もう少し反復練習して自分のものにしたいですね。いつでもどのコースでもやれるようになったら、旧型のベストを更新出来るんじゃないかな。時間はかかったけど、このバイクに乗り換えて初めて「次の練習が楽しみ」になって来ましたね。