徒然なるままに修羅の旅路

祝……大ベルセルク展が大阪ひらかたパークで開催決定キター! 
悲……大阪ナイフショーは完全中止になりました。滅べ疫病神

Ogre 4

2015年06月21日 08時06分43秒 | Ogre
 海賊たちの暮らす小屋のひとつ。先ほど船の見張りたちが見ていた小屋の中に、若い女性の声――喘ぎ声が響いている、さりとて、恋人の愛撫がもたらす快楽に喘いでいる様な甘やかな雰囲気は微塵も感じられない。どちらかというと、苦痛から逃れるために叫んでいるかの様だった。
 その部屋は比較的調度が多かった。高価な本棚に絨緞、並べられた銅製の酒杯。軍艦の高級将校が使う様な紫檀の机。
 隣の部屋を覗いてみよう。
 同じくどこかからの略奪品なのであろう、高そうなベッドのスプリングがきしむ音が響く。ベッドの上では、二つの裸身が絡み合っていた。
 横になった男の腰の上に彼に背中を向けて跨る様な体勢で、ひとりの少女が跳ねている。少女の口からは際限なく悲鳴が漏れ、男はなんの容赦も無く少女の体を蹂躙していた。
 
 腰を突き上げるたびに、腹の上の少女の口から嗚咽が漏れる。可憐な顔は涙と汗と涎で汚れ、内腿は蜜で薄まった血で朱色に染まっていた。
 毎日の様に凌辱し続けているために、傷が癒えていないのだ――彼が面白半分に自らの男根だけでなく硝子瓶などを挿入することもあるために、内壁は掻き回されて傷だらけになっており、傷は癒えるどころかひどくなる一方だった。
 カークリラーノスの腹の上で、少女の喉から悲鳴が迸った――ぽろぽろと涙を零し、後ろ手に縛られた手首に紐を食い込ませ、絹糸の様な金髪を振り乱して、苦痛から逃れようともがく。
 三日前に処女を奪って以来、気まぐれと暇潰しで陵辱し続けている少女の体を容赦無く揺すりたて、やや小ぶりな胸の膨らみに容赦無く爪を立てて捏ねくり回しながら、カークリラーノスは髭面をゆがめてげらげらと笑った。
 破瓜の傷が癒えていない体の最奥を無理矢理に掻き回されて、突き上げられる度に少女の嗄れかけた喉から悲痛な声が漏れる。
 手近に打ち込まれた金属製の柱には、両足首と両手首を手枷で連結された少年が首輪で繋がれている。少年は千切れるほどの勢いで唇を噛締めながら、悔し涙を流して、ありったけの憎悪をこめた眼差しでカークリラーノスを睨みつけていた。相当もがいたのか、少年の手首や足首の皮膚は手枷で擦り切れて血が流れている。
 カークリラーノスは優越感のこもった眼差しで少年を見やり、けっと笑った。
 少年は少女の恋人だった。三日前に襲った、ハンの沿岸の村で見つけたのだ。たまたま目をつけた少女をかばって飛び出した少年を見つけ、彼は少年も一緒に連れてきた。
 そして、少年の目の前で少女を犯した。鎖で繋がれた少年の目の前で、四人の部下に手足を押さえつけさせた少女の衣装を剥ぎ取り、泣き喚く少女の口をふさごうともせずに、少女の悲鳴を散々少年に聞かせながら、少女の純潔を奪ったのだ。
 次に彼は、少年のふたりの姉たちを陵辱した。美しくはあったが彼の好みではなかったため、この三日間全部で百三十人いる配下の海賊たちにかわるがわる休む間も無く犯させた――この部屋で、少年の目の前で、自分自身は少女を犯しながら。
 実際のところ、彼は女などどうでもよかった――だが、大切な存在を奪われ傷つけられ、壊され踏み躙られる者の顔を見るのが楽しくて楽しくて仕方が無いのだ。
 だから犯し、だから殺し、だから焼き払う。
 だから彼は、少年の姉ふたりを犯させたときに、ふたりの口は使わせなかった――今もそうだ、どんなに耳障りなかすれ声になっても口はふさがない、絶え間無く悲鳴をあげさせるために。
 姉のひとりには夫がいた。だが、すぐに殺した。彼は妻を裏切ったからだ。妻を見棄てて、自分自身の命乞いを始めた。
 わが身可愛さに大切なものを売り渡す無様さというのも見ていてなかなか面白いが、目の前で妻を――それも結婚式の最中に襲撃され連れ去られた新婚の妻をだ――陵辱されている光景を見ているしかない夫の絶望の眼差しほど楽しいものではない。まあ、代わりに破瓜の血で下腹部を染めて、夫に裏切られた妻の絶望の表情を見ることが出来たから、一応の埋め合わせにはなった。
 ついでだったから、少年自身も犯させた。海賊の中に数人いる、男色趣味の海賊や、攫ってきた男でないと燃えないのだという変態女に。
 女に犯されて射精した少年を、カークリラーノスは嘲笑った。そして少年の眼前で再び少女を陵辱した――少女が必死に手を伸ばしても、ぎりぎりのところで届かない――そんな距離で、何度も何度も。疲れたら手近にあった剣の鞘をねじ込み、あるいはベッドの支柱に無理矢理跨らせて、配下の海賊たちに体ごと上下させた。
「どうした、もっと頑張れよ」 少女の内腿からは、朱の混じった透明な蜜が流れ落ちている
「いや、いやぁっ!」 いやいやをする様に何度も首を振り、少女が泣き叫ぶ。
「んん? 俺様の情けは厭か。なら――」 カークリラーノスはおもむろに少女の中から自分のものを引き抜くと、少女の体を突き飛ばした。ベッドの上で横になっていた体を起こし、ベッドに立てかけてあった飾り拵えの長剣を取り上げる。
 ベッドの上から床に転げ落ち、無防備に尻を出したまま四つん這いの格好で咳き込んでいる少女の入口に、カークリラーノスは長剣の鞘頭を当てがった。
「っ!?」 ひんやりとした金属の感触に、少女の背中に緊張が走る。鞭で打たれたものらしい細い傷痕も痛々しい尻がびくりと動いた。
「こいつで情けをくれてやるよ」 言いながら、少女の中へと長剣の鞘を捩じ込む。
 固い物が侵入する異物感に、息が整っていない少女の喉から再び悲鳴が迸った。
 最奥部に衝突する様な勢いで深々と突き込まれた鞘に押し広げられ、少女が悲痛な悲鳴をあげる。暴れ回って逃れようとした少女の足首を片手で掴んで逃げられない様にしてから、カークリラーノスは手首を返して少女の中に捩じ込んだ剣の柄を捩った。
「どうした。俺のは厭なんだろう。こいつでたっぷり情けをくれてやるから――」 ぐりぐりと柄を捩り、引き抜いては激しく突き刺して少女の秘所を再度蹂躙しながら、カークリラーノスは笑った。
「――もっと泣き喚け」
「いやぁぁっ!」
 少女の悲鳴と重なる様に――彼らのいる小屋の外から轟音が響いた。

 彼は海賊たちの小屋と入り江の帆船が同時に視界に納められる場所で、暗がりに身を潜めていた。おそらくはなんらかの理由で崩壊したのであろう、海賊どもの住まいと同じく砂を固めて造った様な建物の、崩れ落ちてそれだけが残った壁の痕だ。
 体温の低下を防ぐために全身に塗ったグリスは海水を弾いて低体温症の危険から彼の体を守ってくれてはいたが、同時にべたついてひどく不愉快でもあった。
 さっさと片をつけてしまおう。胸中でつぶやいて、彼は右目を閉じて船に視線を向けた。
 彼のカウントが正しければ――その正確性にはかなりの自信があったが――、残る時間はあと三十秒。
 二隻の海賊船の船底に仕掛けた爆薬は、水中でも問題無く起爆出来る。
 周囲に大量の水が存在することも重要だった。
 水、というか液体の特徴は圧縮出来ないことである。だからこそ油圧装置に利用される。
 水中で爆発が起こった場合、爆圧が広がろうとするならば水を押しのけなければならないが――もし間に壁を挟んで、空間があった場合はどうなるか。
 壁が爆発で破壊しうるものであった場合、爆風が広がろうとするならば、壁をぶち抜いてその向こうの空間に向かって噴き出すのがもっとも簡単だ。
 船底であれば、爆発物の周囲には大量の水が存在している。加えて海水は冷え切っており、その比重は夏場に比べて増大している――爆薬を仕掛けるには理想的な環境だ。
 三……二……一、起爆!
 彼のそのカウントは、いつも通りの正確さを維持していた様だった。
 導爆線は二隻の船の船底に仕掛けた爆薬に火力を到達させ、爆薬を起爆させた――大量の海水は爆風の拡散を抑えて一点に爆発の圧力を集中させ、爆発の威力を高める。爆風はそのほぼすべてが船底を貫通して船内に流れ込み、そのまま船体をぶち抜いて甲板から火柱を噴出させた。
 海水によって伝わってきた衝撃波が、地響きとともに島を揺らし――爆発の衝撃で、二本継ぎのマストがバキバキと音を立てて折れた。バランスが偏って大きく船が傾き、同時に船底に穿たれた人ひとりが通れるくらいの穴から、怒涛の勢いで海水が流れ込んでいく。
 少々爆薬が多すぎたかもしれない――だが彼は、さして気にしていなかった。爆発が誰にも気づいてもらえないのなら困るが、派手であるぶんにはどれだけ派手でも問題無い。派手に燃やせば燃やすほど、それにかかわりのある人間はそちらに気を取られる――行動のための足を奪うことと、陽動が目的なのだ。爆発は派手であればあるほどいい。
 胸中でつぶやいて、彼は次の攻撃のための準備を整えた。
「なんだ?」
「襲撃か!」 標的ターゲットがいる建物の周囲にいくつか建設された同じく砂を固めて造った建物の中から、そこで寝泊まりしていたらしい海賊たちが次々と飛び出してくる。
 彼は暗がりに伏せて自分の姿を隠蔽したまま、左腕を男たちのほうに向けた。金属製の籠手に守られた腕に、クロスボウが取りつけられている。
 黒く塗装された弓は金属製で、両翼合わせて全長一・五フィートほど、本体部分にはトリガーもストックも無く、代わりに本体の右側からクランク状のレバーが突き出している。上部には金属で作られた取りはずし式の箱型のケースが取りつけられており、その後部からクリップで留められた矢がずらりと――三十本近く収納されていた。

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