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徒然なるままに修羅の旅路

祝……大ベルセルク展が大阪ひらかたパークで開催決定キター! 
悲……大阪ナイフショーは完全中止になりました。滅べ疫病神

Balance of Power 10

2014年11月02日 13時08分54秒 | Nosferatu Blood
     †    一撃で鼻から上を削り取られたふたりの吸血鬼の体が、瞬時に塵と化して崩れ落ちる。 「さて――」  ろくに視認も出来ない神速の手管で以って二体の吸血鬼を斬り斃したアルカードが、手にした塵灰滅の剣《Asher Dust》を軽く振って刃にこびりついた血を振り払う。  しっ――続いて歯の間から息を吐き出す音とともに、金髪の吸血鬼が床を蹴った。  飛びかかってきた二体の脇を駆け抜け、ついで . . . 本文を読む
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Balance of Power 9

2014年11月02日 13時08分38秒 | Nosferatu Blood
     †    十分ほど前―― 「――さ、着いたわよ」  街で引っ掛けたカナという名前の女に導かれるままやってきたのは繁華街の一角、道路を挟んでコンビニとネットカフェ、左右はカラオケボックスとチェーン居酒屋という立地のライブハウスだった。  女はまるで長年のつきあいの様に彼の腕を抱いて引っ張りながら、有無を言わさずライブハウスのほうに引っ張っていく。出来ればコンビニに寄りたかったのだがそうさ . . . 本文を読む
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Balance of Power 8

2014年11月02日 13時08分26秒 | Nosferatu Blood
     *   「――兄さんずいぶん若い様だけど、おいくつかね?」 アルカードの手にしたバカラ製のワイングラスに――ワインが尽きたので――自分の持ってきた日本酒をなみなみと注ぎながら、本条がそう尋ねてくる。  縁側に腰かけたアルカードと隣の本条老、アレクサンドル老は縁側の障子寄りに座布団を敷いてそこに座っている――マリツィカは高校の宿題、デルチャは赤ん坊の相手をしていて、イレアナは一度酒肴を持っ . . . 本文を読む
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Balance of Power 7

2014年11月02日 13時08分03秒 | Nosferatu Blood
     *    BLOOD STAIN CHILDのINNOCENCEの演奏が終わり、カーナビがランダム再生の次の候補を探してハードディスクをシークさせる。 「アルカード、どこに行くんですか?」 いつまでたっても周りがさびしくなる気配が無いので、フィオレンティーナは眉をひそめながらそんな質問を口にした。 「? なんか変か?」 いぶかしげにアルカードが尋ね返してきたので、フィオレンティーナはそち . . . 本文を読む
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Balance of Power 6

2014年11月02日 13時07分36秒 | Nosferatu Blood
     2    胴甲冑をすべて身につけて、ストラップを締め上げる――時代錯誤な重装甲冑に対してこちらは現代戦装備以外の何物でもないポリエステルメッシュの装備《ロードベアリング》ベストを取り上げ、胴甲冑の上から羽織る。  最新式のモデュラー・ジャケットは必要無い――防御性能だけで言えばこの重装甲冑のほうが強固だし、もっと言えばセラミックス製のトラウマ・パッドはすぐに割れてしまうので役に立たない。 . . . 本文を読む
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Balance of Power 5

2014年11月02日 13時05分08秒 | Nosferatu Blood
「……メタ発言やめようよ」 とコメントしてから、陽輔はアルカードの片づけの邪魔にならない様に原付をちょっと動かした。 「ただ」 アルカードが落ち着いた口調で続ける。 「ただ?」 香澄がオウム返しに反問すると、 「クラッチキャリア自体の状態が、世辞にもいいとは言えん。ピンが摩耗してライニングがガタついてたからな――そのうちまたスプリングがはずれるかもしれん。同じ症状がもう一度出たら、クラッチごと交換 . . . 本文を読む
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Balance of Power 4

2014年11月02日 13時04分40秒 | Nosferatu Blood
     †    扉を抜けて駐車場に出ると、空きスペースにタルガトップ形態の赤いスズキのカプチーノが駐車されていた――元は恭輔、今は陽輔の持ち物だ。その隣の物置代わりのバイクガレージの前に、香澄のジョグがセンタースタンドをかけられて止められている。  アルカードは原付のスタンドをはずすと、 「香澄ちゃん、キーを貸してくれ」 香澄が言われるままに原付のキーを差し出すと、アルカードはセンタースタンド . . . 本文を読む
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Balance of Power 3

2014年11月02日 13時04分18秒 | Nosferatu Blood
     *    月明かりに照らされて白漆喰の土蔵の壁が蒼白く照らし出され、瓢箪型の池に黄金色の月が映り込んでいる。  リーリーという鈴虫の鳴き声が鼓膜をくすぐり、時折池の水面に漣が走っている――古いかどうかは知らないが、池に蛙の飛び込むぽちゃんという音が鈴虫の鳴き声に混じって耳に届いた。 「――あ、ここにいたんだ?」  庭に面した縁側に腰を下ろして庭を眺めていたアルカードは、横合いから声をかけ . . . 本文を読む
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Balance of Power 2

2014年11月02日 13時03分50秒 | Nosferatu Blood
     *   「――え? まだ帰ってきてないの?」 本屋の紙袋片手に家に帰りついたところで、マリツィカはぽかんと口を開けた。 「まだ帰ってないもなにも、あんたと一緒に行ったんでしょうが」 庭の隅の水道から延びたホースリールのノズルを手に、デルチャがあきれ顔でそう返事を返してくる。 ちょうど塀の内側のプランターに水を撒いていたらしい姉は手早くホースリールを巻き取りながら、 「途中で別れたの?」 . . . 本文を読む
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Balance of Power 1

2014年11月02日 13時03分16秒 | Nosferatu Blood
   1    アパートの裏庭からキャンキャンという鳴き声が聞こえてきて、リディアは水仕事の手を止めた。  ガスコンロに掛けた蓋の小さな鍋の中で、お湯が音を立てて沸騰している。鍋と鍋の蓋の密着が良いのか、時折蓋が持ち上がって蒸気が抜けるたびにカタカタと振動音を立てていた。  冷蔵庫の側面に吸盤でくっつけたタオルかけに引っ掛けた柔らかいタオルで手の水気を拭き取ってから部屋を通り抜け、裏庭に面した掃 . . . 本文を読む
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Balance of Power

2014年11月02日 01時04分53秒 | Nosferatu Blood
     力の均衡《Balance of Power》   . . . 本文を読む
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Black and Black 38

2014年11月02日 00時54分41秒 | Nosferatu Blood
「大丈夫だって。彼の趣味がそっちなら、君には興味無いだろ」 確か十三歳以上はおばさんなんだっけ、なぁ?と陽響に声をかけると、陽響がテーブルに両手を突いてゆっくりと立ち上がった。 「もういいよ、真性でもロリでもペドでも、好きな様に呼んでくれ」 瞳に暗い輝きを湛えた陽響が、片手を懐に入れる。抜き出しかけた手にナイフのグリップが握られているのを見て、アルカードは嘆息した。 「駄目だよ、自棄にならないで」 . . . 本文を読む
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Black and Black 37

2014年11月02日 00時54分06秒 | Nosferatu Blood
     †   「さっきの言葉は嘘だ、と?」 念を押す様なフィオレンティーナの言葉に、陽響があからさまに不愉快そうに眉をひそめてそう尋ね返す。 「そうですか。……わかりました、信じましょう」  たっぷり一分ばかりにらめっこしてからのその言葉に、アルカードは彼女から見えない位置でかぶりを振った。あの若者はただ『嘘だと思うのか?』と聞き返しただけで、真実であるという主張も、虚偽であると認めることもし . . . 本文を読む
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Black and Black 36

2014年11月02日 00時53分34秒 | Nosferatu Blood
「聞かれれば渡していいことになってる。どっちみち、書いてある内容をそのままなぞっただけで同じものにはならないしな」  それだけ言ってから、アルカードはあらためてフィオレンティーナに視線を向けた。 「ちょっと用意に時間がかかるから、フロア《こっち》を頼むよ――あのふたりしかいないから、それほど忙しくはならないと思うけど」 「はい」 素直にうなずくフィオレンティーナに肩越しに手を振って、アルカードはそ . . . 本文を読む
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Black and Black 35

2014年11月02日 00時53分18秒 | Nosferatu Blood
 たぶん年齢は自分よりも上だろう――少なくとも青年のほうは。だが、アルカードとは違う意味で妙に達観、というか世の理不尽に晒され続けて苦労の辛酸を舐め、その結果達観してしまった様に見える。  少女のほうは逆で、自分よりも六、七歳くらいは下だろう。  だが、続いた言葉はそんなフィオレンティーナの予想を裏切るものだった。 「追加で注文したから別にいいだろう。まったく、そもそも誰のせいでこんな食べ方をして . . . 本文を読む
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