MARKETER’S BLOG【小太郎がゆく】

【小太郎がゆく】はマーケター小太郎がいろんなところで出会うさまざまなヒトやデキゴトについて等身大で描いていく日常見聞ログ

【小太郎がゆく】巻の四

2002年01月25日 | エッセイ【小太郎がゆく】
◆コロッケの公式

…「経験値をもとに導き出した〈公式〉があります。つまり、店がオープンしている時間帯に、店の前を通る人の6.14%が、平均して6.5個買ってくれます。これに平均単価である68円を掛ければいい。日本国内のどこであっても、この公式でほぼ間違いのない数字が出せますね」(小竹守コロちゃん株式会社社長『日経ベンチャー』2001年3月号)

そして、出店の目安についてこう続く。開店時間内に1500人が通過する立地であれば、
(1500×6.14%×6.5×68=40,708)
日商4万円、月商100万円(4万円×25日)をクリアできるんです、と。

なるほど、同一規格で営業する店舗が増えると、定量的な統計データ(数字)が教えてくれることは少なくないようです。まさしく、チェーン展開のスケールメリットを感じさせてくれます。


◆店頭で見たもの

つい先日、コロちゃんのとあるお店をちょっと観察してみました。
一坪前後のお店のカウンターには、小さなラジカセ。はやりの音楽が通りに向けて放たれる。店頭から漂う揚げたてのコロッケのほのかな匂い、あたたかな空気。お店に目をむけるとコロッケのPOPが目に飛び込む、という仕掛け。

出店当初は朝八時~午後六時まで通しの営業だったお店は、おそらく効率的な営業時間を割り出したのでしょう、現在、午前十一時~午後一時、午後四時~七時の分割営業。

後半の営業が始まる午後四時、二十歳前後のカップルがコロッケ二つを仲良く購入。間もなく、下校途中の男子高校生三人が自転車にまたがりながらお店に近づく。一人がコロッケを買うと、買うつもりのなさそうだった他の二人もコロッケを。さらに二十歳前後のフリーター風の男性三人が、高校生同様、コロッケパンを買った一人につられるかのように他の二人もたて続けに購入、早速頬張りながら駅に向かう…。

◆五感に訴えよう

人間には五感といわれる感覚がある。
視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚の五つである。

さて、路面店で認知度を高めるためにはどの感覚に訴えるのが有効だろうか。
視覚というのは、漠然と感じることより、新聞を読むとかテレビを見るとか、あらかじめ注目すべき対象が決まっていることが多い。通りを歩いているときも、進行方向や足元に自然と視線が向かう。
聴覚は視覚に比べ無目的であることが多い。注意を喚起されるのは、多くの場合、物音や声といった耳に対する刺激である。
嗅覚はさらに無目的であることが多いが、おもしろいもので、過去の記憶との結びつきが非常に強いものらしい。読者の皆さんにも、ある匂いや香りから鮮明な記憶が蘇った、なんていう経験があるでしょう。
触覚は、皮膚感覚なので触れる必要があり、味覚に至っては、口に入れて初めて感じる。
コロちゃんのお店を眺めつつ、こうした五感の特徴をうりばに最大限に活かしていったら…と思うわけです。

◆6.14%はだれなのか

冒頭の小竹社長のことばの中で、私小太郎がこだわるのは6.14%がいったいどんな人なのか、ということ。今回のわずかな観察でも、「高校生の下校時間に合わせた営業開始」とか「自転車でも買いやすい売り方」あるいは「カップルに売れやすい商品は」といった、改善点や仮説が見つかります。こういったうりばでしかわからないことをつねに商いに反映できる問題意識が今、とっても大事だと思うんです。
今年もうりばやお客さまに密着したレポートを皆さまのもとへお届けします。

次回『小太郎がゆく』、乞うご期待!

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