至寳【○＿】ラベル（頂き物四部作その４）

五月晴れの昼下がり、日本酒が１ケース、会社に届けられた。

まったく予期していなかったので驚いた。

茨城・日渡酒造の主力銘柄「至寳」だ。

さっそく梱包を解いてみると、驚きは感動に変わる。

ラベルに息子【○＿】の文字がきれいにデザインされてある。

しかも高級感あふれるパッケージだ。

あたかも僕が○＿の内祝に誂えたかのようだ。

あまりのうれしさに

「内祝が遅くなってゴメン」と同僚に配ってみた。

みな一様に驚いている。

嘘はいけない。

「実はコレ頂き物なんだ」と打ち明けると、彼らの驚きは倍増。

わらしべ長者のような出来事なれど、そもそも僕はワラすら持っていなかった。

で、このねずみ小僧ばりの慈悲あふれる送り主が誰かというと・・・。

蔵元のエンスー、つまり熱狂的信者である。

味？

エンスーの見立て、聞くだけ野暮でしょう、ヒック、ヒック。
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