介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

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【新刊紹介】『ダンス・セラピーの理論と方法』(八木ありさ)

2008-04-17 13:50:37 | 音楽ケア→別ブログ
【本屋さんの「音楽」コーナーで】
八木ありさ『ダンス・セラピーの理論と方法』
サブタイトル:舞踊心理療法へ向けての序説
彩流社、2008年2月5日。
275ページ、2800円+税。
著者は、日本社会事業大学准教授。

【何故買ったか?】
普通だったら、私がこのようなタイトルの本を買ったり、ブログで紹介するなんて
と不思議に思いますね。

○ 明日の大学院の講義で、「音楽療法」に関する話題に時間をとられそう。

○ 著者、八木先生は、ちょうど私が、日本社会事業大学にいた最後の頃、新しい分野として赴任された。(古い話で先生はご記憶がないかも・・)

○ 「音楽療法」の何か標準的なテキストを探したのでしたが・・
幾つか「音楽療法」の本はあったのですが、この本のテーマは、先ほど書いた明日の講義での院生の「テーマの重ねあい」に結びつきそうに思われました。

【本書の構成】
*印は、ブログ編集者のキーワード風な要約。

序章
*身体表現、隣接領域、非言語的自己表現

第1章 生きることとともにあった舞踊/ダンス・セラピー誕生の歴史的背景
*日本におけるダンス・セラピーの原風景として「踊り念仏」をあげる。

第2章 ダンス・セラピーの成立・発展と広がり
*アメリカ・ドイツ・日本。特に、ドイツが詳しい。

第3章 人間の理解とダンス・セラピーを支える理論
*心理療法、共感、虐待、音楽との関係

第4章 ダンス・セラピーを生かす
*実践例:精神科ディケア、自閉症児など5つの例
*社会福祉援助技術の位置づけ

【「千載の後に知己を待つ」・・】
著者は、日本で書かれたこのテーマに関する書物としては、おそらく初めてといってよいとの自覚からか、「明日の議論の素材として生かすべく、勇気をふるって本書を上梓することとした・・」p274という。
最初の論文をまとめてから20年がたっている。

私は、素人ながら、雑学専門で、また、長い間、膨大な答案や書物を読んで、「これは意味がある。」「これは(有名な著者だが)駄作だ(ひょっとして代筆か)」などとやってきた。

その経験から言うと、素人の私をも引き込む知的興奮を呼び覚ます本です。

【からだとこころ】
巻末の17ページに及ぶ文献リストをざっと見ただけでも著者の視野の広さには感嘆させられます。また、文体は、明快で自然科学的なすっきり感があります。

以下、私が、何をヒントにもらったか。
キーワード、事項索引風に幾つか列記します。
→明日の大学院の講義の時間に話します。
・ケアとソーシャルワーク
・園芸療法との関連
・養老孟司・甲野善紀
・少数言語としての手話
・小泉文夫(「音楽の根源にあるもの」1994)
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