介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

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社会保障の質とは

2007-10-15 06:32:43 | 社会福祉
その7

序章 社会保障の国民経済的分析の視点と枠組み     9/14

第Ⅰ部 社会保障の理念と体系・・全体を5つの部で構成  9/16
  序 市場原理主義とは何か             9/20
第1章 社会保障の概念               9/25
 第2章 社会市場と社会保障            10/01 10/06

ときました。

今日は、
 第3章 社会保障と国民経済の関係

第1節から第4節は、教科書的なことの整理
第5節 国民負担率と社会支出率
 では、「租税負担と社会保障負担の合計が国民所得に占める比率
 を50%程度にとどめる」
 と しばしばいわれる概念の意味を再考している。
 重要な箇所ですが、詳細は第15章に統計とともに示されます。
 (この率は増大しているのではなく、実質的には横ばいかむしろ
  低下しているという新しい見方の提案)

第6節は
 社会保障は、量の時代から、質の時代になったという。
具体的には、
・制度間の連携
・社会保障サービスの水準の向上
・サービスの選択性と効率化
・所得保障と国民の労働参加 Welfare to Work
・健康生きがい権
の5点を挙げる。

このあたりは、著者の自称「御用学者」の面目躍如
の感があるが、
「質」というのであれば
・低い国民年金の納付率
・医療費の出来高払いに伴う不正請求
・生活保護のソーシャルワーク機能の低下
といった昨今話題となっている「質の低下」
についての実証的な分析と
これらの減少に共通する社会保障の病弊にも目を配ってほしい。

以下、「あげあしとり」というか「あらさがし」を幾つか。
・日本の貯蓄は少なくない(p59)というが最近の低下傾向に着目すべきでは?
・アメリカの1935年社会保障法の体系性を評価している(p60)が
 その後、今日まで、公的医療保険を欠いたままの体系を評価できるのか?
・サービス経済化の「波を大きくかぶる」(p64)という表現は、この文脈では
逆の用法ではないのかなぁ。
・年金の積立金を、社会保障の「隠れた」経済的機能という(p65)が
現在では、その存在は大きく「隠れる」わけにもいかないのでは?

これまでの箇所は
概念論であって
なかなかブログで取り扱うのは苦労します。

以下は、各論的な実証分析が始まる。
この部分にこそ本書の価値があると思います。  
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