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外国人労働者の社会保障

2007-10-14 05:41:33 | 地球→ドイツブログ
30年ほど前
初めてロンドンやパリへ行ったとき
ホテルの清掃などに外国人が多数働いていたのに
驚いた。

ドイツで生活していたのも
30年近くになる・・・
大使館の秘書をしていたクリスティーナのご主人は
トルコ人だった。
ドイツにおける外国人ではトルコ人が一番多かった。

鹿児島に来る前に勤務していた大学の
キャンパスは群馬県伊勢崎市にあった。
JR高崎線の駅からバスで20分。
そのバスには、中国からの留学生やイスラム系の
人が良く乗っていた。

日本に住む外国人
 多い順に
 中国   40万人
 ブラジル 24万人
 フィリピン 12万人
外国に住む日本人
 アメリカに住む 24万人
 中国      11万人
 イギリス    4万人
(2005年の統計)

9月25日発行の『季刊社会保障研究』の夏号が届いた。
国立社会保障・人口問題研究所が発行している。
わが国の社会保障研究のもっとも基本的な雑誌だ。
特集に「外国人労働者の社会保障」を組む。通算ページで
p82-p158。論文5本。

論文1 志甫 啓(九州大学講師)
論文2 岩村正隆(東京大学教授)
論文3 山川隆一(慶応大学教授)
論文4 井口 泰(関西学院大学教授)
論文5 西村 淳(今は環境省。2002-2005に、厚生労働省国際年金企画室長)

論文1から論文4までは、いずれも、法律学を専攻とされる研究者で
外国人労働者の社会保障については、第一人者であり、これまでにも
多数の論文を発表されている。

専門的なレベルなので、ここでは、ごく簡単にテーマを紹介し、
全体を読んだ感想を書きます。

論文1は、日系ブラジル人の社会保障適用の実際を磐田市の実態調査を
用いて分析する。
論文2は、公的医療と公的年金、論文3は、労働法上の問題点を整理する。
論文4は、EUの調査などを踏まえて、外国人の統合政策及び社会保険加入
のための基盤整備に関する論点を整理する。本特集の中では、中心になる論文。
(井口氏は、本特集冒頭のエッセイ「社会保障改革と連動した外国人政策の
改革を」p82-p83も書いている)
論文5は、社会保障協定と外国人の適用の経過と現状を整理した。

ここまででもう1000字近い。
専門的な知識を持つ人を念頭に書かれた論文集。
全体を読むと
論者の主張には距離がある。
例えば、日本の年金支給開始のための待機期間25年について
井口氏は「極端に長い」と改善を訴え(p83)、西村氏は短縮策は
とれないとその理由を述べている(p158)。

細かな法律論の中にも、わが国の外国人政策の統一像が混迷している
ように思った。
また、出来れば、外国人のソーシャルワークに取り組む活動などの
紹介もあればと、ないものねだりをしたくなる。
 
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