介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

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第3228号 大人数は分割せよ

2009-10-06 05:36:34 | キャンパスの四季
写真は、奄美の加計呂麻島、諸鈍にて。 奄美・加計呂麻島なんでもありBLOG の10月4日付け記事からお借りしました。

45歳のとき、初めて大学の常勤となった。
以来、68歳の今日まで、5つの大学の常勤教員でした。
なんといっても、「大クラスでの講義」が苦手でした。
2009年の今、23人のクラスを担当していますが、毎週、楽しいです。
パソコンの操作や資料配布などをTAの陳さん(大学院博士課程)がやってくれるのもありがたいです。
2010年度、私にとって常勤最後の年も、この少人数のクラスを担当することが内定しているようです。

【A大学】
当時、東京の原宿にあったA大学。「福祉の東大」と先生も学生も胸をはっていました。途中から、清瀬市へ移転。学部2年生に「老人福祉論」を講義しました。学生は200人近くいたと思います。
原宿の頃、あんまりうるさいので一喝したら黙りますが、またうるさいので頭にきて教室をでたきり家へ帰った・・なんてひどいこともありました。
現場に勤務する実務家を教室にお呼びするという方法を考えついてから静かになり面白くなった。(謝金は払わずに大学食堂での昼飯代をだして済ませたか)
Mさん(特養の施設長)は、冒頭、学生が「おはよう」の挨拶を返せない・・と、挨拶をやり直させましたね。挨拶ができなくて福祉はできないと。

【B大学】
北海道に赴任。博士課程創設ということで呼ばれました。
学部3年生に「社会福祉計画論」を講義しました。準備がないので、全員発表方式というひどいのをやりました。結果的には、評判がよかったのですが、一部のまじめ学生からは批判された。
この大学は、(援助技術論だったか)大教室に、浦河から統合失調症の方をゲストに招いて話を聞くなど、開明的な試みがありましたね。教員もみんな一緒に聞きました。

【C大学】
北陸。大学の創設にかつぎだされた。
入学したばかりの1年生200人に「社会福祉入門」を1回講演風に頼まれました。旧知だった元村長さんに講演を依頼。私は、教室の後ろで聞いていましたが、ともかく学級崩壊というか、話を聞いている学生はいなかった。
いきなり、元村長さん、その村で長く伝わる人形浄瑠璃の義太夫節を大声で語りだした。一瞬にして、「しーん」となりましたね。
音楽の魅力というか威力を知りました。

【D大学】
群馬。
ここも博士課程の創設に適格教員が足りないというので呼ばれたのですが・・
学部と通信教育のスクーリングで「老人福祉論」をやりました。
このとき、アメリカの方式を取り入れたということで、教員は、グループ方式を取ることを要請された。6人組みという方法です。男女を組み合わせるとか、細かな指導があった。80人ほどのクラスでしたが、たしかに進めやすかったですね。
教室の机が6人がけにセットしてあります。

【E大学】
現在勤務しているところ。
今は、23人の小クラスですが・・
2006年転勤してきた秋
200人を超えるクラスに「社会福祉概論Ⅱ」をやりました。
このクラスでは、6人ごとのグループワークで30以上のチームを毎回組む方法で行った授業は忘れられない記憶です。
D大学で教わったアメリカ方式を応用しようとしました。

大学紀要に掲載した講義の報告

【困難は分割せよ】
デカルトは、『方法序説』(1637年)
の中で、難問はひとつずつ小単位に分割して解決せよ
といっています(岩波文庫、谷川多佳子訳。p.29)

*前にも同じようなことを書いた記憶があるのですが、今朝、「笑わせてなんぼの介護福祉士」の記事で「100人相手にレク研修」を知り書いてみました。
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6 コメント

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講師デビューの時・・・ (どりーむ)
2009-10-07 00:42:13
ケアマネの実務者研修の講師を初めて引き受けさせていただいたときが、100人相手の講義形式のもので、壇上から、いったいどこに視線を持って行けばよいのか・・・と、心臓バクバクものでした。(講義プログラムが研修受託団体から指示されています)

最近は、100人規模でも、研修の流れのなかに、「小集団で話し合ってみて」という時間を設けてくださっているので、ホッとしています。

意識している訳ではないのですが、この記事をもとに、また私のブログでも記事をたててみました
遠山 啓 (bonn1979)
2009-10-07 04:57:20
どりーむさん
コメントありがとうございました。

貴ブログ
拝見しました。

デカルトのこの言葉は
同僚のN先生(数学)が中学生に話しているのを聞いて
そのあと遠山啓の「数学入門」で確かたものです。
Unknown (JUNKO)
2009-10-07 07:58:54
おはようございます。(再度書き込みます。昨日のは長すぎてアップ出来なかったみたい)
大教室でのグループワークの試み、読ませて頂きました。200人を6人で分割、凄いですねー。
グループワークはお喋りや居眠りがない、そして適度な緊張がある、なるほどーーーと思いました。
私自身グループワークを選んだのは受け身でなくたくさん喋ってもらいたかったのが理由です。
どちらにしても講師としての教育は受けていませんから11月の広島大会は「一緒に学ぶ」気持ちで参加したいなと思っています。

まず、今年の3月に社会福祉士受験資格を取る為に福祉大学を卒業した元女子大生として(笑)
通学はこんなに楽しく授業が出来るんだぁと羨ましくなりました。
国家試験対策として問題集で社会福祉原論や障害者福祉論、児童福祉論、etc.etc.を学んで来て、「点数が取れるのは事例!」
と事例ももちろん重視してきたのですが、第1講、第2講と、もちろん個々で問題を解いてからグループワークをする、
という方法を取ったのですね。
私もケアマネの勉強は週に一度木曜日に仕事が終わった後カラオケに行って仲間と一緒に問題を解いています。
個々で過去問や模擬問を解き答え合わせをして皆で「どうして間違ったのか、どこを理解していないのか」
「正解だとしたらどうやっておぼえたのか」を発表して1年分を終わらせる、と言う方法です。
すると例えば「ああ、あたしは介護予防支援が理解出来ていない」「財源がどこから拠出されるかおぼえていない」
など苦手分野がわかったりします。読んでわからなくても聞いて理解できる、ってあるんですよね。
社会福祉士の勉強も(ケアマネ試験が終わった後)W受験の仲間とカラオケで続けようかなと思っています。
(続く)
(続き) (JUNKO)
2009-10-07 08:00:21
>TVなどで娯楽的な感覚で物事を知る習慣を身につけている。講義の展開にも興味を持続させるような工夫が必要

という文章を読んで「その通り」と思いました。
私は教える側ではなく教わる側なのでやはり「面白い授業は真剣に聞きましたし、先生が一方的に教えておぼえなさい、
という授業は嫌いでした。

今回の100人相手はレクリエーション援助で、しかも実技分科会ですから、講演とか授業ではなく、
いかに参加者を喋らせ交流させ気付かせ笑わせるかを最優先したいと思っています。

文中の
「人生には無駄がない、無駄のように見えるところに真実があることがある」

「大学の起源は中世のヨーロッパで学びたい人たちがお金を出し合って講師を選んだことがある」という文章に心が惹かれました。

学びを継続する決心がつきました。

そして先生から教わることは本当にたくさんあるんだなあとつくづく思いました。

学ぶことは楽しい (bonn1979)
2009-10-07 19:51:25
JUNKO さん

改めてコメントを送ってくださって
ありがとうございます。

しかも
2回に分けて!

私が
貴ブログに長々と書いて
800字制限にひっかかり
アウトになってしまい
短いコメントであきらめてしまったのとは
大違いですね。

今日は勤め先で会議が続き
「お話」をあくびをかみころして聞いていたので
元気一杯のコメントに励まされました。

受験勉強の仕組みが
楽しかるべき勉強を
つらいものにしてしまったのでは?

「笑い」「介護」「学び」「ライブ」
が、これからの社会のキーワードといえますね。
実感すること (Maa-chan)
2009-10-08 02:08:04
 ブログにも書きましたが,先日専門学校の教壇に立たせていただく機会がありました。担当は「低所得者に対する支援と生活保護制度」でしたので,講義の一番最初に「自分が今一人暮らしをしたら,最低生活費はいくらでしょうか?」と考えてもらいました。
 いろいろな答えが返ってきて,その後私が「東京近郊だと食費が3~4万円,光熱水費が4万円で,家賃が特別基準でだいたい5万円(扶助基準自体は13,000円です)です」と説明すると,「厳しいなぁ」という反応を多くの受講生の方がされていました。

 「ソーシャルワーク実践においては想像力が大切」だと思っていますので,低所得者の方に出会った時に,どんな生活をされているのかを,金額から想像してもらおうと狙ったのですが,それが功を奏したようで,それから3時間近く,寝ている方はあまりいらっしゃらなかったようです。

 試験対策講座でしたので,そんなことをやってよかったのか,とも思うのですが,的外れではなかったようです。

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