介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

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修士論文の要件

2007-10-16 22:22:07 | 介護福祉
私自身は修士論文はおろか
学部が法学部だったので
いわゆる「卒業論文」も書いていません。

いぇ
もちろん、自慢ではないのです。
よけい「修士論文」とは何なのかなぁ?
と普通の大学院の教員よりは考えています
ということを逆に言いたかったのです。

そのかわり
というか
沢山の大学院で
修士論文、博士論文の審査・指導はしてきました。

そこで
修士論文の要件は何か?
私の経験則では、
・実態があること・・・聞きかじりや引き写しは論外ですね。
・全体のつながりというか、流れが読んでわかること。

この要件に照らしてみると
意外に厳しいことがわかります。

私が目下担当している修士論文
いよいよ中間発表も迫ってきて、今日院生の構想を下敷きに議論しました。

1 高齢者の権利は侵されている
2 その代表的な事例は、高齢者虐待だ。
3 虐待の中でも、これまでは経済的虐待に関心が乏しかった。
4 最近、幸いなことに、幾つかの法制度が整備された。
 ・介護保険制度
 ・民法改正による後見人制度
 ・高齢者虐待法(略称)
5 後見人活動には
 ・財産管理 と
 ・「身上監護」があるが
6 高齢者の日常を支援する上で重要なのは
 身上監護の方である。
7 身上監護を行う専門職は
 社会福祉士である。
8 目下のところ、後見人活動を行う社会福祉士は
 少なく、課題も多い。
9 しかし、今後、高齢化が進展し
 認知症患者も増加し、家族や地域の力が一層弱体化することが
 見込まれているので、社会福祉士の後見人活動を
 支援し、強化する方策が重要である。

院生自身は、長い論文をまとめる経験は初めてで悪戦苦闘しているが
私は、以上の流れを理解して、細かい作業は残るにしても
十分修士論文といえるものになると確信している。

なんといっても強みは、
文献研究だけではなく
虐待の実態も、後見人活動の課題も
院生自身がてがけていることなので
本人の力がついたということだけではなく
完成のあかつきにはいろいろな形で公開すれば
高齢者の権利擁護に向けての貴重なステップとなると思う。
 
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