社会福祉士と介護福祉士はいずれ統合されますか?って、twitterで聞きました。
5日間で6件の答えが寄せられました。
いずれもNOでした。予想はしていました。
tsunotter
【いただいたコメント】
もっともなご意見です。ふだん、ブログでお考えを知っている方が多く、信頼できるご意見だと思います。
・社会福祉士は面接技法に特化すべし!
・介護福祉士です。社会福祉士なのに介護をしなくちゃいけないのかと愚痴る人もいますが、私の場合は介護福祉士としての仕事の幅を広げたくて、社会福祉士を取得した変わり者です。双方、必要な資格ですので統合されるなんて考えられません。福祉全般を跨ぎ専門性の高い働きをする相談援助職、社会福祉士(専門性が高いがそれが発揮されているかどうかは疑問)高齢者福祉全般分野で時に利用者の最も近い場所で活躍しているが質のばらつきが大きく大事な仕事なのに理解されにくい資格、介護福祉士。それぞれの資格が法改正でかき混ぜられる時期を逸し成熟
・対人援助としてのベースの知識・技術の上に、それぞれの「専門」とする知識・技術があるのだと思うので(質問とは異なる解答で申し訳ありません)
・この二者の統合はちょっとどうかなと思いますね。社会福祉士と精神保健福祉士との統合の可能がまだあるかも。測量士と土地家屋調査士の縄張り争いが報じられていたが似たような情勢になりつつある?
【このアンケートの背景】
私自身は、社会福祉士でもなく、介護福祉士でもなく、介護支援専門員でもなく、介護支援専門員になれる基礎資格もない・・・つまり、職能には中立です。
たまたまなことですが、
社会福祉士と介護福祉士ができるとき、日本社会事業大学社会事業研究所に研究員としていて、この制度の成立に関する舞台裏を知る立場にいました。
そのときの見聞から、
社会福祉士と介護福祉士の行く末には個人的に大きな関心を持ってきました。
1986年以降は、社会福祉士の養成や、介護福祉士の養成にかかわってきました。
○ 社会福祉士については、当時の社会福祉、ソーシャルワーカー関係者は反対だった。
○ 日本のソーシャルワークを形成してきた医療ソーシャルワーカーについては資格化されることがなかった。
○ 介護福祉士については、看護師組織、家政婦組織から強力な反対があった。
○ 社会福祉士は、介護保険へのかかわりがきわめて弱い。介護支援専門員の受験すらしていない。
○ 介護支援専門員は、国際的な常識から言えば、ソーシャルワーカーの仕事といってもよい。
○ 介護福祉士と類似の資格は、国際的にはない。
仮に、ドイツのAltenpflegerと近い(私は、かってこのように書いています)といっても、ドイツでは看護師の一分野とされている。
○ 日本でも、最近のカリキュラム改定の内容を察するに、介護福祉士に医療的な知識を養成しているような雰囲気がある。
○ イギリス政府の社会サービスのサイトでは、social care という用語がしばしばでてきます。(もちろん、このほかにsocial workという伝統的な分野もある)
【50年先は】
というわけで、
現場を知らない研究者の意見といわれればそれまでですが、
20年ぐらいは、このままでいくにしても、
50年の将来には、福祉系の専門職の大幅な再編成が行われるのではないか?
と思っているわけです。そのときには、私はいないわけなので、せめてブログで書いておこうと。
その再編成の担い手は、行政や、政治や、研究者ではなく、社会福祉士であり、介護福祉士である皆さん自身ですね。
アメリカのソーシャルワーカー協会NASWは、強力な組織として知られていますが、その歴史はさまざまな資格の統合の歴史でしたね。
社会全体により強く福祉や介護についての発信をするには、現場の人たち自身によって新しく作り出される中核が必要では?
その意味で、社会福祉士であり、介護福祉士であるといったダブル資格の人に注目しています。
*写真は、鹿児島市内坂之上のカントリー雑貨さくらんぼヒルマ日記の2010.06.01付け記事からお借りしました。
5日間で6件の答えが寄せられました。
いずれもNOでした。予想はしていました。
tsunotter
【いただいたコメント】
もっともなご意見です。ふだん、ブログでお考えを知っている方が多く、信頼できるご意見だと思います。
・社会福祉士は面接技法に特化すべし!
・介護福祉士です。社会福祉士なのに介護をしなくちゃいけないのかと愚痴る人もいますが、私の場合は介護福祉士としての仕事の幅を広げたくて、社会福祉士を取得した変わり者です。双方、必要な資格ですので統合されるなんて考えられません。福祉全般を跨ぎ専門性の高い働きをする相談援助職、社会福祉士(専門性が高いがそれが発揮されているかどうかは疑問)高齢者福祉全般分野で時に利用者の最も近い場所で活躍しているが質のばらつきが大きく大事な仕事なのに理解されにくい資格、介護福祉士。それぞれの資格が法改正でかき混ぜられる時期を逸し成熟
・対人援助としてのベースの知識・技術の上に、それぞれの「専門」とする知識・技術があるのだと思うので(質問とは異なる解答で申し訳ありません)
・この二者の統合はちょっとどうかなと思いますね。社会福祉士と精神保健福祉士との統合の可能がまだあるかも。測量士と土地家屋調査士の縄張り争いが報じられていたが似たような情勢になりつつある?
【このアンケートの背景】
私自身は、社会福祉士でもなく、介護福祉士でもなく、介護支援専門員でもなく、介護支援専門員になれる基礎資格もない・・・つまり、職能には中立です。
たまたまなことですが、
社会福祉士と介護福祉士ができるとき、日本社会事業大学社会事業研究所に研究員としていて、この制度の成立に関する舞台裏を知る立場にいました。
そのときの見聞から、
社会福祉士と介護福祉士の行く末には個人的に大きな関心を持ってきました。
1986年以降は、社会福祉士の養成や、介護福祉士の養成にかかわってきました。
○ 社会福祉士については、当時の社会福祉、ソーシャルワーカー関係者は反対だった。
○ 日本のソーシャルワークを形成してきた医療ソーシャルワーカーについては資格化されることがなかった。
○ 介護福祉士については、看護師組織、家政婦組織から強力な反対があった。
○ 社会福祉士は、介護保険へのかかわりがきわめて弱い。介護支援専門員の受験すらしていない。
○ 介護支援専門員は、国際的な常識から言えば、ソーシャルワーカーの仕事といってもよい。
○ 介護福祉士と類似の資格は、国際的にはない。
仮に、ドイツのAltenpflegerと近い(私は、かってこのように書いています)といっても、ドイツでは看護師の一分野とされている。
○ 日本でも、最近のカリキュラム改定の内容を察するに、介護福祉士に医療的な知識を養成しているような雰囲気がある。
○ イギリス政府の社会サービスのサイトでは、social care という用語がしばしばでてきます。(もちろん、このほかにsocial workという伝統的な分野もある)
【50年先は】
というわけで、
現場を知らない研究者の意見といわれればそれまでですが、
20年ぐらいは、このままでいくにしても、
50年の将来には、福祉系の専門職の大幅な再編成が行われるのではないか?
と思っているわけです。そのときには、私はいないわけなので、せめてブログで書いておこうと。
その再編成の担い手は、行政や、政治や、研究者ではなく、社会福祉士であり、介護福祉士である皆さん自身ですね。
アメリカのソーシャルワーカー協会NASWは、強力な組織として知られていますが、その歴史はさまざまな資格の統合の歴史でしたね。
社会全体により強く福祉や介護についての発信をするには、現場の人たち自身によって新しく作り出される中核が必要では?
その意味で、社会福祉士であり、介護福祉士であるといったダブル資格の人に注目しています。
*写真は、鹿児島市内坂之上のカントリー雑貨さくらんぼヒルマ日記の2010.06.01付け記事からお借りしました。
施設のソーシャルワーカーと言えども、実際に介護をする場面があり。両者の機能論の話はよくわかりませんが、実務上切り離せない例が多々あります。
将来を見据え(定年まであと20年あるかないかですが)ダブル・ライセンスも考えてよいと思います。
コメントありがとうございます。
私の「50年後は統合か」論は
かって何人かのダブル資格の方から
個別の資格にこだわらない
方向をきいたからです。
もちろん
twitterでの
どりーむさん
のご指摘のとおり
当面はあまり意味のない議論ですね。
なんかの機会に
「何故、日本では福祉の専門職の社会的認知度が低いのか」に関する
私の観察を言っておきたかったです。