介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

新しいブログにリンクしています。7つのテーマにわけました。引き続きお読みください。

ドイツと日本の比較:介護

2008-03-05 09:44:25 | 地球→ドイツブログ
【第2部・介護に入る】
『社会保障改革ー日本とドイツの挑戦』(ミネルバ書房、2008)
を読んでいます。

第1部医療、第2部介護、第3部年金
という構成です。序章と終章があります。

今回から「介護」に入ります。
介護は
第4章 介護サービスの質と新しいサービスモデル
第5章 介護保険の財政
第6章 職業的介護労働に関する雇用環境
から構成されます。

【介護保険】
第4章の執筆は、
土田武史(早稲田大学教授)と
橋本泰子(大正大学教授)の共著です。

今日は、
1 日本との比較でみたドイツ介護保険制度の特徴 p103-p109.
です。

ドイツの介護保険は1995年に創設
日本は2000年。
要介護を単独の社会保険のリスクとしているのはOECDの中では
日本、ドイツ、オーストリアだけです。

【保険者・被保険者・財政】
保険者(保険の運営)は、日本は市町村(特別区)ですが、ドイツは介護金庫です。
介護金庫は、事実上は、医療保険の疾病金庫が兼ねています。

被保険者は、日本では40歳以上の国民ですが
ドイツでは全国民です。

財源では、日本では保険料50%+公費50%ですが
ドイツでは保険料のみです。    →財政のことは、別途紹介します。

「介護を社会保険の事故とする」という点では両国は国際的に見て近似していますが、
このように、基本的な点で日独大きく相違していることにまず注意する必要があります。

【要介護認定】
日本では、介護認定は介護認定審査会が行います。
ドイツでは、メディカル・サービスMDKという本来は医療保険の審査を行う機関が行っています。

ドイツでは
MDKに属する1人のスタッフにより認定が行われる。
2005年では、18.2%の件数を医師が認定し、介護専門職による認定は69.3%へ増大している。

ドイツでもっとも軽い区分である「要介護1」は、日本では「要介護3」に相当するといわれている。

【給付内容】
・ドイツでは、介護保険給付に医療サービスは含まれない。
・ドイツでは、リハビリテーション給付は介護保険ではなく、医療保険・年金保険・労災保険などで給付される。
・ドイツでは、介護手当(現金給付)がある。(日本には無い)

*ドイツの介護保険の詳細については、別途、講読・紹介中の松本勝明『ドイツ社会保障論Ⅲー介護保険』(信山社、2007)のシリーズで触れます。
*写真は、今朝7時20分ごろ、甲南高校角の中洲通の信号で。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「走りながら考える」制度に... | トップ | それぞれの春 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

地球→ドイツブログ」カテゴリの最新記事