介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

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第4097号 中村明蔵:歴史からみた鹿児島の地域性(シンポジウム講演)

2010-12-11 21:21:55 | 鹿児島
今日午後、勤務する大学のキャンパスで「歴史に学ぶ地域経済」というテーマのシンポジウムがありました。

大学のサイトから

このうち、
中村明蔵先生:歴史(近世~近代初頭)からみた鹿児島の地域性
を聞きました。(写真)30分という短い時間でしたが、改めて鹿児島という地域の特徴を認識させられました。

レジュメに即して、講演の要点を書きます。

1 石高の実質は低かった。
・籾高といって、籾のままでの計測だったので、脱穀すれば公称の石高の半分だった。
・火山性の土壌(シラス)であるうえ、収穫直前の台風の常襲地域。

2 農民に過重な負担
・人口に対する武士の数は全国平均では5~6%だが、鹿児島では26%と高い。
・このため、武士の8割は農村にいて、耕作もした。
・貢租(税率)は実質8割という高いものだった・・「8公2民」
・柿の木や桑の木などにも賦課された。
・「門割」(かどわり)制度によって、15歳から60歳までの男子を均等に配分した(家族の分解)
・飢饉、一揆はなかった。(甘藷と郷士制は重要な役割)

3 辺境の文化・教育向上策(武士層を対象)
・藩校造士館、明時館(天文館。暦を作った・・幕府以外は禁じられていた)、医学院
・島津重豪(しげひで)・・70余年の施政で借財増大
・調所広郷による財政改革・・50万両の蓄財・250年賦→明治維新の財政的基盤に
・島津斉彬の開花策・・軍備・貿易

4 まとめ・・時間が少なくなって重要な点のみ
・奄美諸島への圧政 黒糖地獄
・廃仏毀釈
・偽金鋳造
・就学率は全国最低(明治7年:7%)寺を破壊して場所がなくなった。
・商業活動、「町人」を嫌う風土
・真似が多い
・排他的である


講演の最後にあげられた鹿児島中央駅前の青春の群像の話。
実際には19人が渡英したのに薩摩藩以外の2人を除いた17人で作成している(最近、西日本新聞でも指摘されている由)
・・という偏狭な例に関しては、
私も、以前、このブログで触れたことがあります。

2007.08.27

2007.08.23

講演を終えられた先生に、ブログ記事にすることと、写真をアップすることのご了解をいただいた。毎週水曜に大学院で講義されていることを知りました。

K0061 にあげた中村先生の御本(2000年)には、今日の御講演のラインで詳しく説明されています。
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2 コメント

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聴きたかったですね (ガヤマス)
2010-12-12 23:02:03
中村先生の講演はぜひ聴きたかったですね。残念です。中村先生の隼人研究をベースにした独自の薩摩史に非常に学ぶものがあります。
次の機会がありましたら、教えてください。
返信する
光明は (bonn1979)
2010-12-13 06:39:25
ガヤマスさん

コメントありがとうございます。

中村先生は
本も出しておられますが
やはりナマのお話は魅力がありました。
返信する

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