ちょっと理屈っぽい話をさせてくださいね。
このブログのタイトルの「社会福祉学」ですが、「社会福祉」でなくて「社会福祉学」なのは、いちおう社会福祉士の養成を行う仕事に携わっているので・・
【概念の共通理解がない関連の学界】
重要な社会的な課題について、どうして、政治家や財界が好き放題なことをしてしまうのか?
物事を、「政局」や「商売」で進めるのが仕事としても、社会のことを考える基本の軸というものがないからでは?
・法律には法律学があり、法学部がある。弁護士などの専門家を「法曹」ともいう。
・経済には経済学があり、経済学部がある。経済学者達はさかんに社会問題をとりあげ、実証研究を行い、社会的な発言をしている。
・心理学、教育学、政治学、社会学・・専攻の学問分野もそれなりの存在感を示している。
ところが、社会に関する学問分野は縦割りで社会的な発言も弱い。
【学界回顧と展望を読んで】
日本社会福祉学会の「2007年学界回顧と展望」を10回に分けて読みました。
*2008.12.21 第1999号→ 2009.01.13 第2106号
○ 個別の分野ごとの回顧と展望をつなぐ全体像がない。
○ 個別の分野では、高齢者介護の分野の回顧と展望がないことが不思議でした。
○ ページ数や表現がまったくばらばらです。(どこかで統一はしたのかなぁ)
○ 何よりも、「社会福祉学」の範囲について合意がないということを明言していることが印象に残ります(しかも、それを克服する作業は誰もしていない)
【私の「社会福祉学」は・・】
このブログでの「社会福祉学」は、
○ 狭義の「社会福祉」(社会福祉法が対象としているような)に限定しない。
○ ソーシャルワークに限定することもしない
○ 日本語で言う「社会保障」は、国際語ではSocial securityで、これは「所得保障」が近いのですが・・これらの分野(医療保険や年金)も含める
○ 高齢者・障害者の介護(政策と技術)は、重要な分野の一つ。さらに、(医学的な用語では)「非薬物療法」とされる諸手法(音楽療法、園芸療法・・)も対象としています。(→「音楽ケア」「園芸ケア」の表現を提唱したいです)
【市民からみて意義ある学問と理解されるか】
このように、学界では、「社会福祉」「社会保障」「社会政策」と縦割りで、上記の内容を全部網羅した学会はないのです。
国際的(ヨーロッパ)的な用語では、Social policy が近いです。
学問分野は、官庁の組織や既存の学会だけで決められるべきではなく、実際に世の中を読み解き、改革していくための手法としてわかりやすいことが第一ではないか、と思います。
それで、私のブログでは、ブックマークしている専門家諸氏から学びながら、「鹿児島散歩」「奄美・加計呂麻島なんでもありBLOG」をはじめとする(直接「社会福祉」には関係しない)市民の立場からのブログと連携できる道を探っているわけです。
【いまのところは・・】
といっても、いまのところは、写真をお借りしているだけですね。
*本記事も、いつもの「鹿児島散歩」(1/17)からの桜島です。
さる1月15日、私が担当している学部1年生の講義では、学生が発表し、ゲストの市民の方にお聞きいただくという趣向でした。学生のいい刺激になったと思います。
*このブログ第2112号(2009.01.15)及び「鹿児島散歩」の1月15日付記事、それに学生のコメントをご覧ください。
このブログのタイトルの「社会福祉学」ですが、「社会福祉」でなくて「社会福祉学」なのは、いちおう社会福祉士の養成を行う仕事に携わっているので・・
【概念の共通理解がない関連の学界】
重要な社会的な課題について、どうして、政治家や財界が好き放題なことをしてしまうのか?
物事を、「政局」や「商売」で進めるのが仕事としても、社会のことを考える基本の軸というものがないからでは?
・法律には法律学があり、法学部がある。弁護士などの専門家を「法曹」ともいう。
・経済には経済学があり、経済学部がある。経済学者達はさかんに社会問題をとりあげ、実証研究を行い、社会的な発言をしている。
・心理学、教育学、政治学、社会学・・専攻の学問分野もそれなりの存在感を示している。
ところが、社会に関する学問分野は縦割りで社会的な発言も弱い。
【学界回顧と展望を読んで】
日本社会福祉学会の「2007年学界回顧と展望」を10回に分けて読みました。
*2008.12.21 第1999号→ 2009.01.13 第2106号
○ 個別の分野ごとの回顧と展望をつなぐ全体像がない。
○ 個別の分野では、高齢者介護の分野の回顧と展望がないことが不思議でした。
○ ページ数や表現がまったくばらばらです。(どこかで統一はしたのかなぁ)
○ 何よりも、「社会福祉学」の範囲について合意がないということを明言していることが印象に残ります(しかも、それを克服する作業は誰もしていない)
【私の「社会福祉学」は・・】
このブログでの「社会福祉学」は、
○ 狭義の「社会福祉」(社会福祉法が対象としているような)に限定しない。
○ ソーシャルワークに限定することもしない
○ 日本語で言う「社会保障」は、国際語ではSocial securityで、これは「所得保障」が近いのですが・・これらの分野(医療保険や年金)も含める
○ 高齢者・障害者の介護(政策と技術)は、重要な分野の一つ。さらに、(医学的な用語では)「非薬物療法」とされる諸手法(音楽療法、園芸療法・・)も対象としています。(→「音楽ケア」「園芸ケア」の表現を提唱したいです)
【市民からみて意義ある学問と理解されるか】
このように、学界では、「社会福祉」「社会保障」「社会政策」と縦割りで、上記の内容を全部網羅した学会はないのです。
国際的(ヨーロッパ)的な用語では、Social policy が近いです。
学問分野は、官庁の組織や既存の学会だけで決められるべきではなく、実際に世の中を読み解き、改革していくための手法としてわかりやすいことが第一ではないか、と思います。
それで、私のブログでは、ブックマークしている専門家諸氏から学びながら、「鹿児島散歩」「奄美・加計呂麻島なんでもありBLOG」をはじめとする(直接「社会福祉」には関係しない)市民の立場からのブログと連携できる道を探っているわけです。
【いまのところは・・】
といっても、いまのところは、写真をお借りしているだけですね。
*本記事も、いつもの「鹿児島散歩」(1/17)からの桜島です。
さる1月15日、私が担当している学部1年生の講義では、学生が発表し、ゲストの市民の方にお聞きいただくという趣向でした。学生のいい刺激になったと思います。
*このブログ第2112号(2009.01.15)及び「鹿児島散歩」の1月15日付記事、それに学生のコメントをご覧ください。
確かに「社会福祉学」は「総合科学」であり,「学際的科学」であるとも言われていると思います。また,社会福祉学を「社会福祉政策学」と「社会福祉臨床学」に分けて議論するという考え方もあります。
ただ個人的には,こうした分け方はすっきりしていません。
開き直りかもしれませんが,「社会福祉学」は「人間総合科学」であると定義し,あらゆる学問の考え方を「調整」しながら取り込み,結果として人間が人間らしく生きることを追求する学問であるとしたらどうか,と思います。
社会福祉援助技術において,「調整機能」が私たちには重要であると言われます。社会福祉学の考え方も「調整機能」でいいのかもしれません。
偉そうに失礼いたしました。
これと同じようなことを、約20数年前に看護学校に入学した時に、学院長から、これからは「看護」ではなく「看護学」を学ぶのだと言われたことを思い出しました。
ただ、そのあとにどう言われたのかをはっきりとは記憶していないのですが、自分たちが行っていることを、きちんと社会に伝えていくためには、経験や勘で看護を行うのではなく、考えて行動を起こすこと、ということを教えていただいたように記憶しています。
「社会福祉」を学ぶ場なのか、「社会福祉学」を学ぶ場なのか、似て非なるものなのでしょうね・・・