介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

新しいブログにリンクしています。7つのテーマにわけました。引き続きお読みください。

第2036号 岩田正美「取扱注意」概念と格闘する(『書斎の窓』から)

2008-12-27 18:02:13 | 社会福祉
昨日12月26日、有斐閣の『書斎の窓』の記事を紹介しています。(第2024号)

今日は、同じ『書斎の窓』(2009年1月&2月号)から、
岩田正美「取扱注意」概念と格闘するー『社会的排除』を刊行して
pp.46-50
を紹介します。

12月に刊行されたばかりということで、私も昨日本屋で探しましたがありませんでした。
本を入手する前に著者の意図を読み取り急ぎご紹介するものです。
*私の場合は、自分で実際にその本を手にとって立ち読みして納得してからしか買わないのです・・鹿児島ではこの方法はきついですが。

出版社のサイトに、目次の紹介がありました。

岩田正美『社会的排除』

【エッセイの要点】
○ 現代社会に生じている状況を「対立社会へ?」としてまとめている。

○ 社会的排除・社会的包摂への関心が最近おきてきたこと

 「・・もともとヨーロッパにおいて、グローバリゼーション時代の社会分裂や従来の社会統合システムの機能不全に直面し、社会的包摂策をとらなければ社会が持たない、という政治的危機感が先にあって、このために社会的排除論が持ち出されたという経緯がある・・」p.48

○ 「排除のない社会」などはない
 社会的排除での論議は、「村八分」的な意味の「排除」ではなく、参加や権利の行使からの排除を意味している。

○ 「取扱注意」
 貧困研究ではながい歴史のあるイギリスでは、貧困と社会的排除の関連について議論があり、いわばこのテーマは「取扱注意」なのだ。

○ 「取扱注意」概念と実証研究
 著者は、日本における貧困の実証研究では第一人者ですが、その実証研究の蓄積を「社会的排除」という概念の光をあててみたら見えてくるものがあった・・

という展開なので、
これは、もう注文する他ないのかなぁ
と思わされます。

【このブログでは・・】
2007.05.28 岩田正美先生の『現代の貧困』(ちくま新書、2007)の紹介しています。

2008.12.25 第2021号では、ソーシャルインクルージョンについて
2007.07.04 では、「社会的包摂と社会的排除」

としてこのテーマに触れています。

☆日本では、欧米の概念や方法論を(その背景を考えないで)性急に移入する傾向があり、このテーマに関してもそういう臭いをかぎとっていました。
岩田先生は、路上ホームレスやネットカフェホームレスの実態調査を踏まえての議論ということですね。


*写真は、(いつものようにタイトルのテーマとは関係ないのですが)東京、上野公園の「動物園前派出所」の建物がユニークなので撮りました。12月20日、昼ごろ。
左側が上野動物園、右手へ進むと国立博物館です。
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