徳川美術館で開催中の夏季特別展「合戦図-もののふたちの勇姿を描く」に行って来ました。
古来、幾度の戦を経て、変革や安定を繰りかえしながら日本の歴史は紡がれてきました。これらの戦の様子は、様々な目的で中世より描かれ記録されています。
はじめ、合戦図は単なる記録画だけではなく、多くは軍記物語に基づいているため物語絵としても鑑賞されました。また、天皇や公家たちによって鑑賞されていた合戦図ですが、忠義を重んじ、勇猛に戦場を駆け抜いた武士の理想的な姿が凝縮されていることから、武家の間でも享受されるようになります。
合戦図の形態も絵巻だけではなく、屏風や掛軸、画帖や冊子など様々な形で親しまれました。
このような合戦図の展開の中で、江戸時代に新たに登場したのが戦国合戦図です。祖先や自家の武勲を誇示するために作られた戦国合戦図、合戦中のエピソードに焦点を当てるかのように物語化した戦国合戦図など、合戦図はさらに多様化していきます。本展覧会では中世合戦絵巻から戦国合戦図までを展観し、合戦図の多様性を示しながら、合戦図の果たした役割や意義を再考します・・・という展覧会。
今回の企画の目玉は、科学的な調査に基づき、本来の姿を想定してデジタル復元されたという「大坂冬の陣図屏風」。・・・が、あまりにも色鮮やかすぎて、現代的すぎて、古を偲ぶには正直至らなかったかな・・・。
その他、右を向いても左を向いても合戦図、合戦図、合戦図。
あまりのボリュームで、後半は息切れしました・・・。
2回に分けて行くのが、より楽しめるかも。
会期は9月8日(日)まで。
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