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クリエイティブが大好きなのに、なぜか商社マンになってしまった私のマニアバース!

愛犬との絆の物語 原田マハの『一分間だけ』

2023-03-31 23:38:54 | 小説・エッセイ

先日、本屋さんである文庫本を目にして、思わず手に取ってしまった。それは原田マハの『一分間だけ』という小説であった。原田マハという作家は知っていたが、実は一度も読んだことがなかったし、2007年に出版された小説らしいので結構前の作品だが、今まで不覚にも聞いたことがなかったのだ。しかし、今回見たこの作品の文庫本版カバーには、可愛い寝顔のゴールデンリトリーバーの赤ちゃんの写真。そしてタイトルが『一分間だけ』。きっとワンちゃんとの切ない物語だろうと想像は出来たが、妙にこの小説の物語が気になって、そのまま購入してしまった。

ここ2週間くらいで通勤電車の中で一気に読んでしまったが、やはり想像していた通り、何とも切ない物語。特にワンちゃんを飼っている身としては、心が締め付けられる物語であった。

物語は、ファッション雑誌の編集者の藍が、ある日ゴールデンリトリーバーのリラを飼うことになった。恋人の浩介と一緒に育てたものの、仕事が生きがいの藍は、日々の忙しさに翻弄され、何を愛し何に愛されているのかを見失っていく・・・。浩介が去り、残されたリラとの生活に苦痛を感じ始めた頃、リラが癌に侵されてしまう。愛犬との闘病生活の中で藍は『本当に大切なもの』に気づきはじめる、というのがあらすじだ。

それなりの決心をしてリラを飼い始めた筈なのだが、仕事が生きがいの中で、藍は、“リラがいなければ”と、次第にリラのことを面倒に感じ出してしまう。愛犬家としては、“なんて酷い!”と思ってしまったが、やっぱり人間とは弱いものである。頭ではわかっていても、ついつい愛していた者を遠ざけてしまったり、厄介に感じてしまい、自分を見失ってしまうものだというのもそれなりに理解ができる。その意味ではとても共感出来る物語であった。

ワンちゃんは本当にピュアだ。人間のように様々な趣味やライフスタイルがあるわけでもなく、日々淡々と過ぎていくが、そのくせ人間みたいに長生き出来ないわけで、一瞬一瞬が貴重な時間なのである。飼い主に褒められることを唯一生きがいにしていると言っても過言ではない。そんな一途でピュアなワンちゃんを少しでも幸せにしてあげたいと思ってしまうが、それもまた人間の勝手なエゴかもしれない。

リラは闘病の末亡くなってしまうのだが、読んでいて思わず昔飼っていた柴犬マックのことを思い出してしまった。僕の腕の中で最後息を引き取ったマック、そして今飼っているきなこもいつかは自分より先に亡くなってしまうリスクが高いわけで、そんなことを考えてしまうと、とても切なくなる。こういう切ない動物もの、ワンちゃんものの小説は泣けてくるので読むのが辛いなあといつも思いながらも、やっぱりついつい引き寄せられて読んでしまう。

この『一分間だけ』を原作に、台湾で実写映画化されていることを知り、小説がどのように描写されているのかがちょっと気になり、思わずDVDも購入した。まだ観ていないが、次回小説との比較について別途ブログで取り上げることにしたい。


2023年桜の季節到来!きなこと恩田川へ!

2023-03-31 19:57:13 | 好きな場所

今年は例年よりも早く、桜の季節がやってきた。寒い冬もようやく終わり、いよいよ春の到来である。やっぱり桜の季節は嬉しい。今年もきなこと、恒例の恩田川でのお花見に出かけた。恩田川は自宅から車で約20分。JR横浜線の成瀬駅に近い場所で、地元では桜の名所として有名な場所だ。僕もここが好きで、毎年必ず訪れている。

近くにコインパーキングがあるのだが、台数が限られているので、混んでいる時間帯に行くとそこには停められないので、やっぱり早朝とかに行くのがベストである。

それにしても、恩田川の桜並木は美しい。毎年訪れているし、今となっては2021年の春に両親ときなこを連れて見に行ったのが、父にとっては生涯最後の桜見物となった。昨年の春、父は既に病院への入退院を繰り返していたので、お花見どころではなかった。そしてその後昨年10月13日に亡くなってしまい、今年の桜を待てずにこの世を去った。きなこと一緒に父との思い出に浸りながら、今年も変わらず美しい恩田川の桜を楽しんだ。

川沿いの桜はやっぱり見応えがある。東京だと目黒川沿いの桜や、千鳥ヶ淵の桜が有名だが、水辺だと桜は本当に映える。恩田川は川幅がそこそこあって目黒川よりは幅広い。しかし、両岸からの桜のアーチがちょうど良い感覚で、見事な桜景色を演出してくれる。なかなかこの絶妙な川幅と並木、アーチ度合いのお花見スポットはそうないと思う。近所でこんなに素晴らしい桜を拝めるのは本当にラッキーといえる。

川の両岸には遊歩道があり、散歩をするには最高の環境だ。きなこと散歩をしながら、度々足を止めて写真撮影タイムを楽しむ。きなこは桜をどう見ているのだろう。人間のようなお花見を楽しむ感覚は無いだろうが、桜の匂い、春の匂いはむしろ人間よりも敏感に感じ取る筈だ。きなこも桜を楽しんでくれているといいのだが・・・。

そして、近所にはもう一つ好きな桜スポットがある。鶴見川の支流になるが、すすき野の野川沿いにも少し規模の小さめな桜並木がある。少し高い位置にあるすすき野公園から眺めるとなかなか見事である。

来週には桜も散ってしまうだろう。今週末にはもう一度きなこと桜を見に行こう。そして父への追悼、そしてきなことの思い出を重ねながら、今年ももう一度桜をしっかりこの目に焼き付けたい。


芦川いづみ映画祭参戦第二弾、『白い夏』!

2023-03-29 08:35:12 | 芦川いづみ

先日の『東京の人』に続き、再度神保町シアターに出かけ、今度は『白い夏』を鑑賞してきた。前回も書いたが、今回の芦川いづみ映画祭は、まだ観ていない2本の芦川いづみ作品を観ることに特化しており、その2本が『東京の人』と『白い夏』だったので、今回の目標達成である (その他公開されている18本は全てDVDで持っているのだ)。

今回は平日の夜の回に参戦したので、比較的空いていたが、またもや整理券3番で逸早く入場。相変わらず観客は老人が中心だが、僕と同年代と思われる中年もちらほら(笑)。

『白い夏』は1957年の日活モノクロ作品で、原作は新田次郎。房総の海岸町を舞台にしている。物語は、学窓を離れ、房総の海岸町にある郵便局に就職した純情青年・伊野君(青山恭二)を中心に展開する。その町で三人の女性と知り合うことになるが、一人はお色気濃厚の芸者・玉奴(高友子)、清純で美しい局長の娘・麗子(芦川いづみ)、先輩久礼(近藤宏)のガールフレンドである看護婦のよし(中原早苗)が登場する。伊野君は麗子のことが好きだったが、麗子は町の権力者で、次期町長の座を狙う花山が見初めた相手であり、なかなか気持ちを伝えられない。そんな中、よしから言い寄られ、気持ちが揺れていくというもの。

僕は昭和の当時の雰囲気が味わえるという意味で、都会を舞台にした日活作品が結構好きなので、正直田舎の海岸町を舞台にした『白い夏』は全体的に地味な作品であり、あまり好きなタイプの映画ではない。舞台が地味で、全体的に主演俳優陣も華には欠ける。しかし、主人公と女性3人との絡みが面白いし、色々なハプニングが起こりながら物語が進んでいくのでそれなりに映画としては楽しめる。そして芦川いづみ作品でも常連の中原早苗はなかなかいい味を出している。個人的に中原早苗は全く好みのタイプでは無いが、可憐なお嬢様タイプの芦川いづみとは対照的な、オープンで今時の元気な女性役が多いので、対比という意味ではいつも面白い役どころだ。

そして、やっぱりなんと言ってもこの映画一番のお目当ては芦川いづみである。そしてこの地味な映画の中でも、芦川いづみの可憐さ、美しさは目を見張るものがあった!可憐で、ちょっと勝気で、純粋な役柄を演じさせたら芦川いづみに勝る女優はいないのではないかと思う。1957年頃の芦川いづみは、まだ初々しさがあり、人気のピークを迎える1959-1962年頃の成熟した芦川いづみともまたちょっと違ったフレッシュさが魅力でもある。

結論として、『白い夏』を初めて観ることが出来てとても嬉しかったし、まだ見ぬ芦川いづみを、大きなスクリーンで確認出来たことは、ちょっと大げさかもしれないが、自分にとっても感慨深いものとなった。『東京の人』と合わせてDVD化されることをぜひ期待したい!


愛用しているルイ・ヴィトンの手帳!

2023-03-26 21:37:22 | ファッション

仕事で最近愛用しているグッズの一つにルイ・ヴィトンの手帳がある。会議等でメモを取ったり、出張時にも大変重宝するのがこの小さな手帳。以前はもう少し大きなB5サイズくらいの手帳を使っていたが、どうしてもバッグの中でかさばってしまうという経験から、最近ではこの小型サイズに定着した。

ルイ・ヴィトンは小物でかなり愛用しているが、メインの財布はブルーのヴェルニ長財布、ミニ財布はエピのブルー、キーケースもヴェルニのブラウン。そしてこちらの手帳もエピのブルー。基本どうしてもブルーが好きなので、ブルーのグッズを買ってしまう。

手の収まりも良く、良いサイズ感の手帳で、中は6穴バインダーメモ帳が使える。

しかし唯一の難点は、いつも愛用しているボールペンを収めるところがないことであった。小さなペンホルダーは付いているが、かなり細いペンじゃないと入らないサイズで、僕がいつも愛用しているカランダッシュのブルーのボールペンは入らない。そこで別途クリップ式のペンホルダーを購入。これであればうまく収めることが出来る。

お気に入りの手帳だと仕事でのやる気も上がるので、こういった普段使いの小物はとても重要である。

 


【追悼】AORの第一人者、ボビー・コールドウェル

2023-03-26 21:11:44 | 音楽

ここ最近、ジェフ・ベックや高橋幸宏など多くのミュージシャンが立て続けに亡くなってしまったが、今月またとても残念な訃報が舞い込んできた。フュージョンにも近い、AOR (Adult Oriented Rock)というメロウでアダルトロックジャンルの第一人者として80年代に大変人気のあったボビー・コールドウェルが3月14日に71歳で亡くなった。

70年代から80年代にかけてAORとして有名だったのが、エアサプライやクリストファー・クロス、そしてなんと言っても日本でも人気が高かったのがボビー・コールドウェルであった。僕も80年代にかなりAORにハマり、特にボビー・コールドウェルは良く聴いていたが、彼は作曲家としてボズ・スキャッグズに「ハート・オブ・マイン (Heart of Mine)」、元シカゴのピーター・セテラに「ネクスト・タイム (Next Time I Fall)」(Amy Grantとのデュエット曲として大ヒット)、「ステイ・ウィズ・ミー (Stay with Me)(映画『竹取物語』主題歌)」などのヒット曲を提供したことでもチャートを賑わせていたが、後にいずれもセルフカバーして大ヒットさせている。

僕が特に好きで良く聴いていたのが、1988年にリリースされたアルバム、『Heart Of Mine』。このアルバムには下記10曲を収録。上記3曲のヒット曲のセルフカバー全て収録されていたこともあり、日本でも大ヒットした。

  • Heart of Mine
  • Real Thing
  • Next Time I Fall
  • All or Nothing at All
  • Saying It’s Over
  • In the Name of Love
  • Even Now
  • First Time
  • Stay With Me
  • China

特に『Next Time I Fall』と『Stay With Me』はピーター・セテラ版も80年代に大ヒットしたことで、80’sを代表する曲として大きなインパクトを残したが、ピーター・セテラとボビー・コールドウェルの声がどこか似ていることもあり、どちらのバージョンもあまり違和感なく聴くことが出来るのも楽しい。

訃報を聞いて、久しぶりに『Heart Of Mine』を聴いてみたが、古さは全く感じさせず、とても新鮮なサウンドとして改めて再発見することが出来た。やっぱり当時AORがかなり都会的でおしゃれなサウンドとして時代を先取りしていただけあって、トレンドを超越した、普遍的なサウンドを確立していたといえるだろう。