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クリエイティブが大好きなのに、なぜか商社マンになってしまった私のマニアバース!

芦川いづみ祭り2022 第11弾!『やくざの詩』

2022-08-14 16:18:20 | 芦川いづみ

このシリーズは早くも第11弾まで来てしまったが、今年も随分とたくさんの芦川いづみ作品を観賞することが出来たものだ。

今回観賞したのは、1960年に公開された日活カラー映画、『やくざの詩』。主演は小林旭。当時石原裕次郎に次いで小林旭の人気もかなり高く、マイトガイの愛称でファンに親しまれた。監督は舛田利雄。前回紹介した『男と男の生きる街』も舛田監督作品であったが、拳銃アクションを撮らせたら当時右に出るものはいないいくらいの人気監督であった(後年、あの『宇宙戦艦ヤマト』の監督としても有名)。

小林旭と芦川いづみの共演作は、『美しい庵主さん』、『完全な遊戯』(共に1958年)、『東京の孤独』(1959年)、『不敵なあいつ』(1966年)の4作品があるが、その中の貴重な1本。彼が得意としたやくざ・ギャングもので、当時は“ムードアクション”と呼ばれていたジャンル。拳銃を片手に哀愁漂う過去を持つ主人公が奮闘するパターンの作品だ。そして1960年は小林旭、芦川いづみ共に人気が絶頂期にあった頃の作品としても注目に値する。

物語は、亡き恋人の復讐を誓って、義手の拳銃鬼を追い求める青年医師の数奇な運命を描く、拳銃と哀愁の異色アクション作品。芦川いづみが小林旭の相手役として準主役的な位置付けで共演した作品だが、前回紹介した『男と男の生きる街』同様、南田洋子も出演し、また『青い街の狼』でも共演した二谷英明の2人もかなりいい味を出している。

物語自体はまずまずと言ったところだが、この映画の魅力は横浜を舞台にしていること。『青い街の狼』でも横浜を舞台にしていたので、当時から横浜で撮影することが多かったようだが、港街としての設定がムードアクション映画にはとても適していたのだろう。『やくざの詩』では、60年以上も前の1960年当時の山下公園なども確認することが出来るのもかなり貴重だ。実はこの映画では山下公園の氷川丸が確認出来ないが、調べたところ、この映画が公開された翌年である1961年から山下公園に係留されているらしく、その意味でも貴重な映像だ(当然ながら、ランドマークタワーや観覧車などもまだ存在しない(笑))。

芦川いづみに関しては、まずまず出演シーンも多く、ショートヘアでボーイッシュな髪型が眩しい。先程の山下公園でのシーンや終盤の手術シーンで助手を務めたり、また手術後のラストシーンも希望に満ちた形で小林旭、芦川いづみの2ショットで映画は終わる為、印象深い登場の仕方で起用されているのは実に嬉しい。しかし、やっぱり芦川いづみ主演作トップ10に喰い込むほどの作品と言うには少し難しいかもしれない。でも芦川いづみファンとしては、彼女が少しでも出ているところが確認出来るだけでも嬉しいものである。


想像力が膨らむ画集、『ものがたりの家』!

2022-08-13 16:15:17 | アート

東京幻想の画集を紹介したばかりだが、もう1冊最近とても気に入っている画集があるので紹介したい。背景グラフィッカー・イラストレーター/吉田誠治による画集、『ものがたりの家 –吉田誠治 美術設定集-』という画集である。

建築デザインがとても好きな僕は、これまでにもマイクロハウスについて取り上げたり、想像力を掻き立ててくれる建築デザイン本には目が無いのだが、まさにこんな楽しい本を探していたような気がする。またまた大きな刺激を受けた本だ。

作者のまえがきにもあるのだが、絵本や小説など、子供の頃から無数に触れてきた物語には、必ずといっていいほど印象的な建物が登場する。この画集は、そんな絵本や物語に登場しそうな空想の家を描いたもの。どれも個性的な設定で、一度は住んでみたいと思ってしまうような空想の家が30点以上収録されており、 今までにない画集と言える。それはまるで何か具体的な映画や物語の設定用に描かれた美術設定イラスト集のようで、さすがは背景グラフィッカーによる作品だ。

細部の設定まで見事に制作されており、建物の外観と、内装の断面と特徴などのポイントがメモされている。内装の断面を見ていると、まるで子供の頃、ままごとをしている最中にトイハウスの中を除きこんだかのようなワクワク感があるし、単なる建物デザインに終わらず、そこに住む人物設定が描かれている為、“生命の息吹”が感じられる建物たちが活き活きと描かれているのが特徴的だ。

目次も各建物のイラストで紹介されており、とても楽しい。どの建物も面白いし、想像力を掻き立ててくれるが、幾つか特に気に入ってしまったものがあった。

そびえ立つ物凄い崖の上に住む天文学者の家は何とも孤独だろうが、星空を観測しながら、ヤギを飼育して自給自足の生活を送っているようだ。どうやって地上に降りるんだろうと思ったが、どうやら裏側に階段があるようだ。しかし、それにしてもエレベーターも無い中で簡単に登り降りは難しいだろうし、高齢になればなおさら難しいだろう。きっとこの天文学者は本当の仙人なのかもしれないなどと、色々と妄想が膨らむ。

巨石を壁にして家を建ててしまった“巨石と暮らす家”も、旦那に先立たれたおばあさんが独りで住んでいる設定。シンプルな創りながらとても微笑ましく、和んでしまう。

他にも、何処かにありそうな小さな小屋、取り残されたお城、レトロな書店、湖畔に建つ寡黙な整備士の別荘など、実に仮想の国や設定も様々で見ているだけでも楽しいし、多彩でバラエティーに富んでいる。それぞれに物語性を想像してしまうので、まるでたくさんの絵本を覗きこんだかのようでもある。

本の最後に、作者のアトリエなども紹介されており、これもとても楽しい。クリエイティブな作品がこういったアトリエで産まれたと想像しながらまた見返すのも楽しいものである。

先に紹介した『東京幻想』とは全く趣向が違う本だが、こちらの方は絵本のような魅力と、建築デザイン好きにとってもかなり参考になる素晴らしい作品集であった。久しぶりに良い刺激を受けて、また絵本の制作意欲が湧いてきた。

 


いったい東京に何が起こったのか!?

2022-08-13 14:04:50 | アート

先日、久しぶりに刺激的な画集に巡り合った。

僕はアートが好きなので本屋で良く画集などをチェックしているが、『東京幻想作品集II』という画集が目に止まり、衝動買いしてしまった。

一瞬、アニメなどの画集かと思ったのだが、良く見てみると、描かれている不思議な世界は東京だが、完全に水没した、変わり果てた東京の姿がそこにあった。サブタイトルを見てみると、『かつて東京と呼ばれた場所へー』と書かれている。なるほど、かなり面白いコンセプトの画集である。

東京幻想とは画集のタイトルかと思いきや、どうやら作者の名前が東京幻想らしい。2008年頃から活動を開始したアーティストらしく、僕が知らなかっただけで、結構色々なイベントやメディアで既に大きな話題となっているアーティストらしい。そして今回は作品集IIだか、2020年に最初の『東京幻想作品集』が発売され、今回は2作目の画集であった。

まずは東京の街の描写がとても美しい。渋谷や新宿など東京の様々な街をリアルに描きながら、そこにはかつて大都市として栄えた面影を残しつつ、今は水没し、無人で廃墟と化した世界が広がっている。いったい何年先の未来が描かれているのだろうか?そしていったい、東京に何が起こったのだろうか?人間が全く描かれず、登場するのはビルを覆った植物、そして動物。恐竜などが確認出来る絵もある。廃墟になった上野駅にはなぜかパンダだけが生存している(笑)。

それにしてもいったいなんでこんなことになってしまったのか、人間はどうなってしまったのかなど色々と想像を膨らませてしまう、そんな不思議な魅力を持つ画集である。

画集の中で、僕が気に入った絵はたくさんあったが、中でも表紙にもなっているスカイツリーはインパクト大だ。蔦に覆われたスカイツリーの展望スペースは何故か小さな池になっており、そこにこれまた何故かくじらが住んでいるように見える。しかし、同じ画集には骨だけになって水に浮いているくじらの絵などもあり、同じ画集の中でも時間の経過が語られていたりする。

他には僕の住むたまプラーザ駅も描かれており、リアルな駅との対比で見ると面白いし、とても良く描けている。

渋谷の宮下パーク前には巨大生物の骨が横たわっていたり、アクアラインが水路のようになっており、ここにもくじらの親子が泳いでいたりする。完全に海と化した神宮球場など、変わり果てた東京の様々な景色が描かれている。

この画集をじっくり見て、久しぶりに刺激を受けた画集となったが、まるで水没して人類が滅びた東京を訪れた宇宙人かのような感覚でこの画集を見てしまう。そしてこの画集を見て抱いた感想として、人間が滅びたとしても、水がある限り、地球に様々な生物は生き続けるだろうし、ビルを覆う植物を見て、植物の生命力の凄さというものを改めて感じずにはいられなかった。元々植物が支配していた地球を、我々人間が借りて共存させて貰っているだけなのだ。その意味で植物なもっともっと長い時間軸でたくましく生きていることを改めて痛感した。

そして東京に何があったかは別として、かつて東京であった場所が廃墟と化した美しさというのも見事に描かれている。自然の前で文明なんてものはちっぽけな存在なのかもと思わせてくれるが、また世界が愚かな戦争に一歩ずつ近づき、地球の環境破壊が続くこの世の中で、今の時代だからこそ改めて色々と考えさせられた、そんな画集であった。


新Tシャツデザイン2022 『chuck-a-poodle』シリーズ!

2022-08-11 11:06:18 | My Artworks

過去のデザインに少しアレンジを加える形で、先日新たなTシャツデザインを紹介したが、今回は全く新しい2022年オリジナルデザインとして制作した新シリーズをご紹介!新シリーズは、『chuck-a-poodle』(チャック・ア・プードル)というシリーズで、きなこのキャラストをベースに、僕の“ヌンチャク愛“を反映させた新デザイン。chuck-a-poodleというのはちょっと聞き慣れない言葉だと思うが、”ヌンチャクを持ったプードル“を意味する造語。鶏の鳴き声である”コケコッコー“を意味する英語である、”cock–a–doodle-doo”という言葉をもじって少し遊んでみた僕の完全造語である(笑)。

全6種類のカラーバリエーションを制作してみたが、まだどれをファイナル版にするか決められていないので、とりあえず全6種類紹介したい。

 

1) イエローボディーバージョン

黄色のボディー x 黄色のヌンチャクをあしらったバージョン。

2) ブルードルバージョン

青いプードルである“ブルードル” x 茶色ボディーバージョン。

3) フルカラー/ブルーバージョン

オリジナルのきなこ色 x ブルーのボディー&ヌンチャクをあしらったバージョン。

4) イエローヌンチャクバージョン

無地のボディー x 黄色のヌンチャクを合わせたバージョン。

5) ブルーヌンチャクバージョン

無地のボディー x 青いヌンチャクを合わせたバージョン。

6) ブルーボディーバージョン

ブルーのボディー x 青いヌンチャクをあしらったバージョン。

どれも大きな違いは無いのだが、ちょっとした色合いで雰囲気が変わってくるから不思議である。この中から、最終的には一番しっくりくるバージョンをオフィシャルTシャツ化したいと思う。


BIRTHDAY記念バージョン オリジナルTシャツを制作!

2022-08-09 21:21:07 | My Artworks

先日、新しく制作したTシャツデザインを紹介したばかりだが、今週の8月8日に自分の誕生日を迎えたということで、記念にバースデーバージョンのTシャツを新たに制作してみた。

オリジナルの“bluedle music 2022”のデザインに星のデザインを加え、更にトイプーに色を付け、8月8日の日付を加えたバージョンである。色を加えると、文字通り彩りが産まれ、また少し違った表情になるので面白い実験となった。