Duran Duran 5年ぶりのニューアルバム！

あのDuran Duranがまた5年ぶりに帰ってきた！前作、『All You Need is Now』はかなり地味なプロモーション展開で目立たなかったが、実はDuran Duranの原点回帰とも言うべき若々しい、弾けるような往年のDuran Duranサウンドが炸裂する、彼らの最高傑作とも言うべき完成度の高いアルバムだった。このアルバムから待つこと5年、ついにニューアルバム、『Paper Gods』が今月リリースとなった。



現在Duran Duranのメンバー、サイモン(ボーカル)、ジョン(ベース)、ニック(キーボード)、ロジャー(ドラム)というオリジナルメンバーの4名。残念ながらアンディー(ギター)は復活アルバム『アストロノート』の再結成時には一時復帰して参加していたが、今回は参加が叶わなかったようだ。しかし、黄金時代の80年代から既に30年近く経ち、ファンは（笑）すっかり歳をとり、おじさんになっているが、メンバーは歳はとっていても、さすがにカッコ良さは昔と変わらないところが凄い。



何ともチープな雰囲気を漂わせるアルバムジャケットだが、中身はなかなかの内容。アルバム全体の完成度では前作には及ばないものの、下記15曲の内幾つかレベルが高い曲も収録されており、王道サウンドの中にも新しさを取り入れていることが良くわかる作品。アルバムのプロデューサーは前作に引き続き、今年自身のアルバムが大ヒットしたマークロンソン。これになんとあのナイルロジャーズも参加。アルバム『Notorious 』以来のタグである。



このアルバムで特筆すべきなのは、ナイルロジャーズがプロデュースした先行シングル『Pressure Off』だろう。この曲は恐らくDuran Duranのシングル史上でも一二を争うくらいの傑作に仕上がっており、兎に角一聴の価値あり。懐かしく、いかにもDuran Duranらしいハーモニーを奏でており、サビが特に耳に残るャbプでキャッチーな曲になっている。ナイルロジャーズのあのギターサウンドも健在。

1. Paper Gods (feat. Mr Hudson)
2. Last Night In The City (feat. Kiesza)
3. You Kill Me With Silence
4. Pressure Off (feat. Janelle Monae & Nile Rodgers)
5. Face For Today
6. Danceophobia
7. What Are The Chances?
8. Sunset Garage
9. Change The Skyline (feat. Jonas Bjerre)
10. Butterfly Girl
11. Only In Dreams
12. The Universe Alone
13. Planet Roaring
14. Valentine Stones
15. Northern Lights

他には『Last Night in the City』もDuran Duranらしいサウンド。女性の高音コーラスもなかなか見事だ。『You Kill Me With Silence』もサビのメロディーがとても美しく、印象に残る一曲。『Face for Today』も彼ららしいメロディーがある意味心地良い。『Danceophobia』は軽い感じのダンスミュージックだが、あのお騒がせ問題児、リンゼイローハンが曲中のセリフでゲスト参加しているのが面白い。『Butterfly Girl』はカッコいいロックサウンドが素晴らしい。バラードでは『What are the Chances?』があの名曲、『Saving a Prayer』にも通じるサウンドになっているのはDuran Duranファンには嬉しいし、『Only in Dreams』も彼ららしいバラード。ラストの『The Universe Alone』もかなりスケール感のある曲に仕上がっている。



このアルバムで唯一残念なのは、一曲目のアルバムタイトル曲、『Paper Gods』のオープニングがかなりまったりしており、曲自体も7分と長すぎる。サビ自体は悪く無いので、4-5分の短縮版であったら、もっとアルバム全体が引き締まったのでは無いかと思う。



Deluxe Versionには3曲のボーナストラックが収録されているが、この3曲はそう大したインパクトを持つ曲では無い為、通常版でもあまり支障は無いかも。

しかし、こうして今でもDuran Duranの新作アルバムが4-5年おきに聴けるのはとても嬉しいことだ。ライブは昔NYのマジソンスクエアガーデンで一度彼らのステージを見たが、久しぶりに日本ツアーでもぜひやって欲しいものである。