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渡辺美里さんfanブログ。

■渡辺美里 名盤ライブ『eyes』 2016/3/12(土)Zepp Diver City セットリスト&感想文

2016-03-31 00:48:51 | ライブ 2016-
●名盤ライブ 『eyes』
2015年3月12日(土) Zepp Diver City (東京)
2015年3月20日(日) Zepp Namba (大阪)
※各日2回公演

●メンバー
Guitar:佐橋佳幸
Bass:有賀啓雄
Drums:小笠原拓海
Manipulator:スパム春日井
Keyboards、Guitar:清水信之
Saxophone、Keyboards:中村哲

●セットリスト
01. SOMEWHERE
02. GROWIN' UP
03. すべて君のため
04. 18才のライブ
05. 悲しいボーイフレンド
06. eyes
07. 死んでるみたいに生きたくない
08. 追いかけてRAINBOW
09. Lazy Crazy Blueberry Pie
10. きみに会えて
11. Bye Bye Yesterday

(アンコール)
※メドレー形式で
01. ルージュの色よりもっと (ワンコーラス)
02. タフな気持で(Don't Cry) (ワンコーラス)
03. I'm Free (フルコーラス)


※特典のブックレットとDVDはあえて未開封、今回はライブの感想のみUPします。

■たとえば、テレビでたまに見かける「80年代ソング特集」的な番組。
そういった番組があるとTwitterなどで必ず目にするのが
「懐かしい ! やっぱり80年代はいいよね」というような言葉。
そのたびに違和感を覚えてしまう。
なぜなら、重要なのはノスタルジーではなくて、
ノスタルジーなんてものとは無縁のところで今聴いても響く音楽であるかどうか、だから。
もちろん、人によって考え方は違うのでその感情を否定するつもりはありませんが、
少なくとも私自身に限ってはノスタルジーはひとまず横に置いておきたい、そんな感じ。

■で、『名盤ライブ』。
1人のアーティストの1枚のアルバムにスポットを当て、ライブで全曲再現するのみならず、
来場特典として渡されるブックレットと映像作品によって多角的にそのアルバムを掘り下げるという
M-ON ! 主催の企画ライブシリーズです。
(ちなみに第1回は佐野元春『SOMEDAY』、第2回はGRAPEVINE『Lifetime』。『eyes』は名盤ライブシリーズの3回目)

美里のデビューアルバム『eyes』にスポットを当てたこのライブ、私は全4公演の初回に参加してきました。

正直な話をすると、『eyes』をライブで再現する、という企画を知った時には楽しみもありつつ、
80年代のあの音を忠実に再現するのはどうなんだろうなあ・・・といった若干の不安も。
再現ではなくていっそアレンジをガラッと変えた"今現在の"『eyes』全曲ライブでもいいんじゃないのか・・・
なんてことも考えたり。

私にとって『eyes』は、後追いではあるけれど初めて聴いた渡辺美里のアルバム。
本当~~に繰り返し聴き、当時の記憶と楽曲がリンクしている、
レンタルレコード店で借りてダビングしたカセットテープの色まで覚えている、
タイトル曲「eyes」などは歌詞をわざわざノートに書き写して自分に染みこませたり、
そんな、ひときわ思い入れも深い作品。
だからこそ自分のノスタルジーな気分には引っ張られないよ、といった思いがより強く。
全体的に観て・聴いて・感じたいので、あえて座席も後方スタンディングエリアを購入しました。

■オープニング、「SOMEWHERE」とともに幕には美里とバンドのシルエット。
そこから「GROWIN' UP」へ !
アルバム『HELLO LOVERS』リリース以来、たぶんもうほとんどこのH.L.ヴァージョンでしか歌ってない気がしますが、
「GROWIN' UP」にはやは勢いと疾走感のあるこのヴァージョン !
初めて聴く中村哲さんのサックスも鮮烈。

「すべて君のため」、これはライブで聴く機会は一生(笑)ないだろうなー、と諦めていた曲。
オリジナル音源では歌詞の内容と真っ直ぐすぎる美里の歌声に少々気恥ずかしさすら感じてしまうのですが、
今の美里の歌声で歌われたことでメロディーの良さが際立ったなあ ! と。
実を言うと、岡村靖幸楽曲の中ではこれまであまり気に留めていない1曲でしたが、
名盤ライブが終わってから自分の中でもしかすると一番ジワジワ来ている曲かも(笑)。
エンディングは、今の美里らしさも出すためなのか、
♪すべて君のたーめ~~ ! ♪と歌い上げるようなアレンジになっていて、ここだけが個人的にはいまひとつ・・・でした。
軽快なポップソングのまま終わらせたほうが・・・良かった・・・気がします。

美里も話していた通り、「GROWIN' UP」「すべて君のため」、
さらにこのあと「18才のライブ」へ・・・と、かなり前のめりな曲並びのアルバム(笑) !
「18才のライブ」あたりでふと、どの曲もオリジナルのアレンジを生かしているのに、
今にフィットするような音にきちんとブラッシュアップされていることに気がつき、
何だかもう、たまらなく楽しくて嬉しい気持ちに。
ノスタルジーに浸るとか浸らないとかそんなことを考えていた自分がバカらしく思えるほど冒頭の数曲でワクワク。

「悲しいボーイフレンド」はアルバム『eyes』収録曲の中では比較的ひんぱんに歌われていますが
最近はアコースティックVer.で演奏されることが多く、そのアレンジに実は少々飽きが来ていたところ。
久しぶりのほぼオリジナルVer.の「悲しいボーイフレンド」はかえって新鮮で、
ミドルテンポの爽やかなポップソングに仕上がっていて心地よく。

「A面最後の曲です」という美里の言葉に客席からは拍手と少しの笑いが。
アナログの時代はA面の最後、とか、B面1曲目、というのが聴く側にとってもとても大事で、
それが分かっているからこその拍手と笑い。
タイトル曲であり、ファンにとってみれば「My Revolution」と同じくらい、
あるいはそれ以上にこれぞ美里の代名詞、と言ってもいいかもしれない「eyes」。
昨年の全国ツアーでも会場によっては歌われていましたが、
この流れの中で聴く「eyes」には、どうしても胸がキュンとするような、そんな感覚。

「死んでるみたいに生きたくない」
この当時の美里らしい、タイトルからして尖っている曲。
今の美里ならこんな直接的な強い言葉は使わないし、作詞は美里本人ではなく戸沢暢美さんだけれど、
例えば「前を歩く人がつまづく場所を こっそりよけてくなんてできない」など、"まさに美里"なメッセージ。
「死んでるみたいに生きたくない」という言葉は
「GROWIN' UP」の「生きるって自分を燃やすこと」と呼応しているんだなあ、と今さらながら気がついたり。
当時のまだ青い美里(←スミマセン(笑))よりも、
キャリアを重ねた美里が今歌うことによって、同じ歌詞でも言葉の刺さり具合が強すぎなくて
でもメッセージはしっかり届いてくる、今回のライブでそういう印象を受けました。
そしてもちろん、単純にカッコいい ! から(笑)、今後ももっともっとライブで歌ってほしい1曲。
(ごくたまに歌われる楽曲なので(最近では2012年のライブハウスツアー)聴ける可能性はまたあると信じてます)

『追いかけてRAINBOW』
1986年のツアー以来歌っていないのでは・・・と、
曲が終わったあとに佐橋くんが「指がびっくりしてる ! 」とひとこと(笑)。
白井貴子さん作曲で作詞は美里のこの曲。
美里はずいぶんと照れくさそうにしていましたが、「すべて君のため」同様、素敵なポップソングです。
案外ギター1本のアコースティックVer.にでもしたらハマるんじゃないかと、聴きながらふと考えたり。
初々しすぎてテレちゃうような歌詞も、それならふんわり聴けそうな予感がします。
初めての作詞で、プロデューサーの小坂さんとエンジニアの伊東さん(だったかな? 間違っていたら申し訳ありません)に
譜割りのことも教えてもらった、というエピソードも。

「Lazy Crazy Blueberry Pie」
作曲だけでなく編曲までもすでに岡村靖幸が手掛けているという、よくよく考えたらこれはスゴい。
レコーディングスタジオでギタリストの鈴木賢司さんと岡村くんと美里と、
ほぼ十代だけの3人が集まって作っていたそんな瞬間があったことが語られたり、
この曲にはその後の岡村くんの曲の片鱗が見える、なんて話も。
(美里の口から岡村靖幸さんの名前が出て昔と変わらず「岡村くん」と呼ぶそのことに、
恥ずかしながら1人客席でウルッときてしまいました)

「Lazy Crazy…」はnews tourで歌われていたあの激しいヴァージョンがたまらなく好きで
(ライブビデオ / DVD『born III』に収録)、
はっきり言って『eyes』に収録されているそれは自分の好みではなかったのですが、
名盤ライブでほぼオリジナルのままのアレンジを生で初めて聴いて、もー、シビレました !
「あ、あれ ??? このオリジナルヴァージョンってこんなにカッコよかったのか !!! 」
「今まで何を聴いていたんだオレは ! 」と(笑)。
いや、でもこのアレンジに、今現在の美里の歌声だからようやくフィットしたのかも。
ずっと先にある美里の歌声が、1985年の岡村くんにはすでに見えていたのかもしれません。
このオリジナルに近いアレンジでぜひ今後もガンガン歌ってほしいし、
さらに別ヴァージョンもどんどん生み出してほしい。

「きみに会えて」は、過去にライブ(1990年の横浜アリーナと野外最後の西武球場)で聴いたときには
こらえきれず号泣してしまいました。
でも今回は、いま再びこの歌に出会えたしあわせをひたすら噛みしめながら聴き入ってしまった。
変わらない"あの"歌い方。
それは単に当時の美里本人のパロディーではなく、
この歌にはこの歌い方しかないんだという、信念とまで言ってしまうと大げさかもしれないけれど、
確信なんだろうなー、と。
派手ではないけれどココロがあったかくなるメロディーと言葉、そこに美里のあの歌声。
上手に歌い上げるのではなくあの歌唱があったからこそ、
さらに言えば、そこに渡辺美里というキャラクターもあってこそ、
ただ良い歌というだけじゃなく、
胸にぎゅーっと届く歌になったんだろうなあ、と改めて。
「eyes」や「Lovin' you」や「My Revolution」や「10 years」や、そういった歌たちと同じように
もっとずっと歌い続けてほしい大事な楽曲。

本編ラストはもちろん・・・「Bye Bye Yesterday」 !!!
おそらくライブでフルで聴くのは初めて。
(過去にメドレーで一瞬聴いたことがあるような無いような・・・)
美里の初期のポップソングの中でもひときわ好きだった曲。
ライブ冒頭から身体中で感じていたワクワクが、ラストのこの曲でさらに増幅 !
♪Twist & Shout ! Ooh ~ !! ♪のラインで気持ちが高く舞いあがる。

「すべて君のため」「Bye Bye Yesterday」などのティーンポップは
今の美里が歌うことによって損なわれてしまうものもあるような気がして
聴きたい気持ち半分、聴きたくない気持ち半分・・・といった具合でしたが、そんな心配は全く不要でした。
30年の時を超えても変わらずキラキラしたメロディーと、そこに合わさる美里の歌声。
ワクワクしないわけがない。

■アンコールは予想通り『eyes』未収録の、カップリングも含めたシングル盤の3曲。
「ルージュの色よりもっと」(ワンコーラス)~「タフな気持で(Don't Cry)」(ワンコーラス)~
「I'm Free」(フルコーラス)がメドレー形式で。

「ルージュの色よりもっと」は当時の美里には曲調もルージュという言葉も違和感があり
特別好きな曲でもなかったけれど、美里が30才になった頃から
「今の美里が歌ったらすごく良さそうだよね、聴いてみたいよね」と友達と話していました。
それが今回ようやく実現。そして予想をはるかに超えて、やはり素晴らしく。
「タフな気持で(Don't Cry)」は「I'm Free」よりもポップで断然好きな曲だったのでこちらも嬉しい1曲でした。
※ただしメドレー形式だったことだけが残念・・・。
個人的には本編での1曲ごとのMCは必要なかったように思います(そこに貴重な話、楽しい会話があったとしても)。
アルバムを聴くがごとく、ライブでも何のコメントも挟まずに一気に聴いてみたかったし、
MCに時間を割くためにアンコールをメドレー形式にせざるを得なかったのなら、
音楽のほうに重点を置いてほしかったな、と。
けれど、本編もアンコールも演奏・歌そのものは本当に素晴らしく、ファンとしてとても幸せな体験となりました。

■『名盤ライブ』シリーズ。
観る人によって、取り上げられる作品によっても「想い」というのは様々でしょうけれど、1つ言えるのは、
これは「振り返って懐かしむためのライブ」ではなくて「再び発見するためのライブ」なんだな、ということ。
特典として付いてくるブックレットや映像作品のために発掘された音源や資料など物理的なことだけじゃなく、
ファンは新たな目線で作品を改めて聴くきっかけになったり、今までさほど気に留めていなかった曲の良さに気が付いたり。
アーティストにとってもきっと何かしらの新しい発見があったり。
これを機に『eyes』だけでなく他の初期の楽曲にも再びスポットを当ててライブで歌ってくれたら嬉しいな、
と思っている・・・というか、どうぞ美里さんよろしくお願いします(笑) !



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